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2010.11.16 - asahi - 15歳「4回転どんどん」

羽生結弦(フィギュアスケート) 15歳「4回転どんどん」
asahi 2010年11月16日14時44分
http://www.asahi.com/special/plus/TKY201011160263.html

http://i.imgur.com/gfPI3Dd.jpg
「同じジャンプは二度とない。でもいいジャンプを跳べた時に近づけるように、自分の体で覚えさせるのが練習だと思います」=仙台市泉区、小宮路勝撮影

 

访问内容引用武内絵美11年2月在blog发表的完全版:
http://www.tv-asahi.co.jp/dap/blog/hst_senshinoemi/entry/?d=20110210
http://i.imgur.com/eabcyuV.jpg
白くしなやかな手。
この手が、氷上では柔らかく、時に力強く見えるのですね。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

羽生:失礼します。こんにちは。はじめまして。
武内:はじめまして。
羽生:宜しくお願いします。
武内:宜しくお願いします。武内と申します。
羽生:羽生です。
武内:手もほっそりしていますね。スマートで、顔も小さいし。
羽生:そんなことないです。
武内:身長は今いくつですか?
羽生:70ぐらいです。
武内:170センチ。まだ伸びていますか?
羽生:若干伸びています。
武内:すごく目がキラキラしていて可愛いらしいですね。
羽生:そんなことないです。

≪25.5センチの足に27センチの靴≫
武内:どうですか?今の心境は?これからいろいろとお話を伺います。
羽生:すごく緊張していますし、やはりNHK杯の疲れがちょっと残っているかなという感じです。
武内:インタビューを受ける機会がたくさんあると思いますが、緊張しますか?
羽生:緊張しますね。あまりこういう対談形式のインタビューがないので、緊張します。
武内:試合終わりにインタビューを受けますよね。ああいう時とまた心境が違うんですか?
羽生:やっぱり試合終わりだと、モチベーションが上がったままで行けるので、あんまり緊張している余裕っていうのもないので、緊張はしないんですけど。
武内:今日は、私服ですよね。いつもこういう感じですか?
羽生:いつもこんな感じです。(ジーンズにパーカー姿)
武内:なんか、スケートボードに乗るアメリカの少年のような感じですね。
羽生:そうですね。私服はわりとこんな感じです。いつもジーンズをはいて。
武内:足は何センチですか?
羽生:僕、25.5(センチ)です。
武内:そんなに大きいわけじゃないですね。
羽生:そんなに大きいわけでもないんですけど、スケート靴は27センチを履いているんです。
武内:えっ、どうしてですか?
羽生:イタリア製の靴なんですけど、幅が狭いので、ちょっと大きめのサイズを履いています。
武内:日本人の足は幅広なんですか?
羽生:そうです。
武内:それでちょうどいいですか?
羽生:はい。それくらいが。
武内:お肌がツルツルですね。フィギュアスケートは魅せる競技でもあるので、髪型など日常生活で気をつけていることはありますか?
羽生:ないですね。
武内:ないですか?
羽生:そんなに気にしてはないですね。はい。
武内:NHK杯の時は髪をビシっとセットしていましたね。あれはどんな心境からですか?
羽生:あまり柔らかい曲ではなかったので、ちょっと決めようかなと思って、自分でやっていました。
武内:髪型のこだわりはありますか?
羽生:ちっちゃい頃から、お母さんに切ってもらっているんですけど。
武内:今もですか?
羽生:はい。今もです。
武内:美容室には今まで行ったことがないんですか?
羽生:そうです。カットモデルで1回行ったくらいですね。
武内:お母さんにどんなオーダーをしているんですか?
羽生:オーダーはないです。
武内:お母さんにお任せ?
羽生:勝手に切ってもらっています。

≪生まれ持った柔軟性≫
武内:初めて氷の上に立ったのは何歳の時ですか?
羽生:4歳ですね。
武内:どんなキッカケですか?
羽生:姉がスケートをやっていて、教室に通っていたんですけど、そのついでに「ちょっと滑ろっかな」みたいな感じで始めたのがキッカケです。
武内:どうでしたか?氷の上は。
羽生:覚えてはないんですけど。
武内:4歳。
羽生:とにかく「難しいなー」っていう感想はありましたね。
武内:転ぶと痛かったんじゃないですか?
羽生:その頃はあまり痛くなかったですね。
武内:今のほうが痛く感じますか?  
羽生:今のほうが、やっぱり結構高いジャンプを跳ばなきゃいけないので、痛く感じる時はあるんですけど。あの頃は、こけるのが楽しくてしょうがなかったです。
武内:えっ!?転ぶほうが楽しかった?
羽生:やっぱり、ツルツルしているので、なんか「滑っていていいなー」みたいな感じでしたね。
武内:そこからのめり込んでいったのには、どんな理由があったのですか?
羽生:やはり一人だけで滑れる。その大きなリンクの中で、試合の時っていうのは一人だけで滑って、自分だけを見てもらえるっていうのは、すごく好きだったので。結構、僕、目立ちたがり屋だったんで、やっぱりそれがすごく楽しかったですし、最初に滑った時に「難しいなー」って感じていたので、その難しいものを達成した時の達成感っていうのがすごく良かったので、それでハマりました。
武内:みんながやっている野球やサッカーには興味を示さなかったんですか?
羽生:野球は好きですね。
武内:野球は好き?
羽生:はい。野球は昔からやりたいなって思っていたんですけど、ちょうど小学2年生ぐらいの時かな、その頃に本当にスケートをやりたくなくなっちゃって。
武内:どうしてですか?
羽生:先生が怖かったっていうのもありましたし、練習量が結構あったので。その頃は練習したくないなっていう気もありましたし。試合はちっちゃい頃から好きだったんですけど、練習があまり好きじゃなくて。「練習行きたくなーい」って思っていて。やっぱりフィギュアって女子のスポーツっていうのが自分の中であって、学校の友達も野球とかサッカーをやっていて、「野球やりたいなー」って思っていた時期はありましたね。
武内:その時、野球になびかなかった、フィギュアを続けられた理由はどこにあったんですか?
羽生:ちっちゃい頃からやっていましたし、野球をやりたいとか言っても、母親とか父親とかに、「じゃあ野球をやれば」とは言われるんですよ。でも、そう言われると、スケートっていうのは手放しがたいなっていうこともありましたし、表面上嫌いって言っていても、やっぱり心の奥底では好きだったのかな、ずっと好きでいたのかなって思いますね。
武内:一番、その心をつかんで離さないポイントって何ですか?
羽生:やはりさっきも言った「試合での見られている感じ」。それが一番たまらなく好きでしたね。
武内:野球は今でもご覧になりますか?
羽生:見ます!!はい。
武内:どこのチームのファンですか?
羽生:広島カープファンなんですけど。
武内:でも仙台出身ですよね。
羽生:そうですね。楽天イーグルスももちろん応援しているんですけど、広島カープファンですね。
武内:なぜですか?
羽生:ちっちゃい頃から赤色っていうのが好きで、それこそ楽天イーグルスがまだない時代からずっと好きだったので。ちょうど、野球ゲームをやった時に、赤が良くて。広島カープでプレーしていたのがキッカケで。
武内:広島には前田健太投手など良い選手がいっぱいいますからね。
羽生:もう、なんか、あんなに細い体でしなやかな投球をされるので、自分のスケートでもそういうことを生かしていけたらなと思いますね。
武内:じゃあ、野球からヒントやイメージをもらうこともあるんですね。
羽生:やっぱりスポーツっていうのは、全部同じようなことっていうか、共通するものっていうのはあると思うので。いろんなものを見て吸収できたらなと思います。
武内:他のスポーツや日常生活でフィギュアスケートのヒントになるようなことはありますか?
羽生:自分の父親が野球部の顧問とかもやっていたので、回転運動につながる腰の使い方であったりとか、スイングの時とかも腰を使ったり、ピッチングの時とかも重心の移動っていうのがあるので、そういうものはヒントになるんじゃないかなと思いますね。
武内:羽生選手の演技を見ていると、「本当にしなやかだな」と思うんですが、ご自分の体で他の人より長けているなと思うところはどこですか?
羽生:そんなにはないと思うんですけれども、やっぱり柔軟性っていうのは男子の中では少しは優れているんじゃないかなと思いますね。
武内:それは生まれつきですか?
羽生:生まれつきです。
武内:でも日々ストレッチを欠かさないとか。自分の中で・・・
(羽生選手、笑う)
武内:あれ?そうでもないんですか?
羽生:そうでもないですね。どちらかというと、ストレッチとかやらない人だったので。
武内:じゃあ、もう生まれ持ったもので。
羽生:生まれ持って。はい。
武内:日常の中で、他の人に比べて体が柔らかいなと思った瞬間はありますか?
羽生:日常はないですね。でも、自慢はしていましたね。やっぱり目立つのが好きだったので。小学校の頃とかも、やっぱり自慢してはいましたね。

≪男子では珍しい技≫
武内:その柔軟性を生かした、イナバウアーもビールマンスピンも、男子の選手ではできる方っていないですよね。
羽生:ビールマンスピンは、結構やっている方はいらっしゃいますけど、イナバウアーはあまり見かけないですね。
武内:どうしてそれをやろうと思ったのですか?
羽生:イナバウアーのキッカケは、荒川静香さんがトリノ五輪で金メダルを取った年だったんですけど、ちょうど、その頃、自分のプログラムに長~いイナバウアーの時間があったんですよ。まあ、休憩みたいなところであったんですけど、「反ってみるか」みたいな。なんか・・・
武内:足を、そのイナバウアーの形にしていて。
羽生:はい。イナバウアーの形にしていて、ちょっとしたアピールポイント?ちょっとジャッジを見たり、休憩したりっていうところだったんですけど、「反ってみるか!!」みたいなノリでしたね、最初は。
武内:ちょっと荒川静香さんみたいに。
羽生:まだその時、優勝してなかったんですけど、反るっていうこともあるんだなっていうのは前々から見ていましたし、「ああ、反ってみようかな」と思って反ったのがキッカケでしたね。最初の頃は、やっぱり軸を取るっていうか、そのバランスを取るのが難しくて、あまり上手くいかなかったんですけど、最近はだいぶ慣れましたね。腰の柔らかさがやっぱり硬くなっちゃっているので、そこはちょっと問題かなとは思うんですけど。
武内:五輪で荒川選手が金メダルを取って、その「イナバウアー」という言葉が日本中に、世界中に轟きましたよね。
羽生:やっぱり、それがなかったら、僕もこんなにイナバウアーで取り上げられることもなかったでしょうし、荒川さんが優勝しなければ、僕自身スケートをやっているかもわからないですし。
武内:どういうことですか?
羽生:一回、僕が今滑っている仙台のリンクが潰れてしまって、仙台市内の違うリンクで滑っていたんですけど。で、荒川さんが優勝して県のほうにも訴えかけて頂いて、今僕が滑っているリンクが再開したんですけど。その潰れてしまって移った時のリンクが、また潰れてしまったんですよ。だから、今仙台に残っている、通年でやっているリンクが1つしかないんですね。だから、もしかしたら、両方とも潰れてしまっていたら、本当に僕もスケートをやっているかもわからないですし、また、ここまで上手くなっているかもわからないですね。
武内:イナバウアーには、運命を感じますね。
羽生:そうですね。
武内:不思議なものですね。
羽生:やっぱり、荒川さんのおかげだと思いますね。
武内:荒川静香さんは、特別な存在ですか?
羽生:やっぱり昔から「すごいな」っていうのは感じていましたし、やはり自分の先輩っていう思いがあるので、すごく特別な存在だと思いますね。
武内:実際にお会いされたことはありますか?
羽生:あります。
武内:いつですか?
羽生:アイスショーとかで競演させて頂くことがあるので、そんな時に喋ったりもしますね。
武内:最初にお会いした時のことは覚えていますか?
羽生:最初に会ったのは・・・
武内:だいぶ前ですか?
羽生:そうですね。本当に僕がちっちゃい頃ですね。それこそスケートを始めた頃です。やっぱり、同じリンクで滑っていたので、その頃に会ったというよりも、見たって感じでしたね。
武内:掛けられた言葉とか、交わした言葉で印象的なものはありますか?
羽生:まあ、あまり印象的なのはないですけど。高校の先輩なので、なんか普通の部員の、例えば野球部だったら野球部の後輩と先輩の話みたいな、そんな感じですね。
武内:やはり金メダリストになられて、変わりましたか?
羽生:そうですね。昔からオーラがすごいなっていうのは感じていたんですけど、ますます、そのオーラっていうのが出てきたなと思いますね。
武内:ビールマンスピンは、どんなキッカケでできるようになったんですか?
羽生:ちっちゃい頃、それこそノービスで優勝した時かな?全日本ノービスで優勝した頃だったんですけど。自分自身スケートを始めてすぐにプルシェンコ選手が好きになっていて、プルシェンコ選手がやっていたので、「真似しよう!」みたいな。それこそ、またノリだったんですけど。それが今や自分の代名詞みたいになっているので、それはそれで嬉しいですね。
武内:最初から上手くできましたか?
羽生:回るのが難しかったですね。今よりも、もっと柔軟性もあったので、すごく上手くまとめられるとは思うんですけれども、回れなかったですね。まだ筋力もなかったし、軸を取る体幹の力っていうのもなかったので。
武内:技の習得というのは、どういう風に磨き上げていくんですか?コーチのアドバイスで、数をこなして少しずつステップアップしていくのか、どういう風に身につけていくんですか?
羽生:やはりコーチのアドバイスを何回も聞いて。で、それを何回も何回もやっていって。同じジャンプっていうのは、二度とないと思うんですよね。やっぱり人間の体なので、機械のようにはできないんですけど、良いジャンプを跳べた時と同じように、少しでも近づけるようにやらないと、試合では決まってこないので。それができるように、アドバイスをちゃんと自分の体で覚えさせるというか、そのアドバイスされた通りにちゃんと体を動かせるように、コントロールできるようにするのが練習だと思いますね。
武内:例えば、他の選手の演技を見て参考にする、プルシェンコ選手の話題もありましたし、他の選手からインスピレーションを受けることもあるんですか?
羽生:それはありますね。パトリック・チャン選手であったりとか、小塚(崇彦)選手、高橋(大輔)選手。織田(信成)選手に関しては、すごいスケーティングが伸びるというか、スケーティングが本当に綺麗な選手なので、そのあたりは自分でも真似したいなと思いますし、やっぱりスケーティングが足りないなって思う部分もありますし、そういうものはすごい受けたりしますね。
武内:ジャンプに関してはどうですか?
羽生:ジャンプは、いろいろな選手を真似します。自分には足りないものというか、自分の理想の形に少し近いなって思う選手をとにかくピックアップして、その部分だけでもいいので、そういうところを取り込んだりはしていますね。
武内:トリプルアクセルですが、浅田真央選手から影響を受けたそうですね。
羽生:合宿の時だったんですけど、浅田選手がトリプルアクセルを跳んでいて、「タイミングで跳んでいる」というか、そういうものをすごく感じたんですよね。やっぱり、生で見るのと、テレビで見るのとっていうのは、また違っていて。その感覚っていうか、そのイメージを入れなきゃなっていうか、無意識に入っていったっていう感じだったんですけど。そのお陰で、僕自身トリプルアクセルを跳べたのかなって思いますね。
武内:ある意味、なりきる?
羽生:そうですね。
武内:イメージする・・・
羽生:浅田さんがトリプルアクセルを跳んでいるのを、自分の体で具現化するというか。想像と一致させるようにすると跳べていましたね、その頃は。
武内:体をこうしてこうして、というよりは、自分の中でイメージして、跳ぶことができたんですね。また、フィギュアスケートは、演技中に音楽をかける数少ない競技のひとつですよね。他にはシンクロや新体操がありますが。特殊な競技だと思うんですが、例えば音楽を聴いていて、ヒントを得るとか、そういうことはありますか?
羽生:あまりないです。クラシックとか、そういうバレエ音楽であったりとか、そういうものを好んで聴く習慣があまりないので。自分の音楽は聴きますけど、ほとんどJ-POPとかですね。
武内:J-POPは何を聴くんですか?
羽生:BUMP OF CHICKENとか、ポルノグラフィティとか。そういうものばっかり聴いていますね。
武内:結構アップテンポな感じですね。
羽生:結構アゲアゲな感じで。
武内:試合前にも聴きますか?
羽生:そうですね。ずっと聴いていますね。
武内:J-POPやダンスがフィギュアに生かされることはありますか?
羽生:そうですね。バンケットとかってあるじゃないですか。試合の後のそういうもので、ジュニアとかだと踊るんですよ。みんな。
武内:そうなんですか?
羽生:洋楽なんですけど、レゲエがかかったり、そういうのを聴いて踊ったりするんですよね。それで外国人が踊っているのを見て、「ああ、良いな~、踊りたいな~」って思うことはありますね。
武内:そういった光景を見たことがないので。
羽生:なかなかないんですよ、そういうの。本当にダンスクラブみたいになっているんですよね。
武内:またそれはフィギュアスケートの氷の上と違う感じですよね?
羽生:それこそヒップホップとか、そういう系の音楽ばっかり流れるので。アメリカ人とかは、すごく上手いですね。
武内:その場の即興、体が動くままに・・・
羽生:即興で。創作って感じです。

≪演技前に必ずすること≫
武内:演技をする前に、必ずすることはありますか?
羽生:おまじないみたいな感じで。頭やって、あとこうやって、こうやる(胸の前で十字を切るような動き)っていうのがあるんですけど。それ自体は、注意する場所っていうのを意識しているんですけど。例えば、最初のこれ(右肩を触る動き)であったら、ジャンプってどっちから跳んでもいいんですけど、結局右に降りてくるじゃないですか。右にちゃんと軸を取ってないといけないので、跳んでいる時に。それを意識する。
武内:まずは、右に体の軸を。
羽生:はい。で、こっち(両肩を触る動き)は、平らにする。やっぱりジャンプとか、こうなっていたりする(肩が水平でない)と、腕ってこうしか回らないですよね。だから、そうすると、軸ってこうなったり、こうなったり(軸が斜めになる)しちゃうんで。ここ(肩)を平らにする。で、最後もう一回ピッてやるのは、跳ぶ前。最近だったら4回転であったりとか、右で跳ぶ時っていうのは、絶対右の軸を意識しなきゃいけないんですよ。ちゃんと体重を乗っけてなきゃいけないとか、そういうものがあるので。それを意識してって感じですね。
武内:体の軸と、肩を平行に。斜めにならないように。確認なんですね。
羽生:そうですね。確認していますね。昔は確認だったんですけど、今は手が勝手に動くというか、そういうジンクス(おまじない)みたくなっていますね。
武内:おまじないのように。それやらないと不安ですね。
羽生:不安っていうか、習慣みたいになっていますね。
武内:もう勝手に動く・・・
羽生:勝手にやっていますね。無意識に。

≪実り多きシニアデビュー≫
武内:今季からシニアデビュー、NHK杯に出場されました。心境はどうでしたか?
羽生:とにかく緊張しましたね。ジュニアのグランプリでは考えられないようなお客さんの数であったり、周りの選手であったり、もう本当にすごいことだらけというか。自分でもすごく驚いていたので、すごく緊張しましたね。
武内:そんな中でも、フリーで4回転を成功させましたよね。試合前から大丈夫じゃないかとか、勝算はあったんですか?
羽生:仙台の練習ではあまり調子は良くないというか、いつも通りだったんですけど。名古屋に来て、直前練習の前の公式練習というのがあるんですけど、そこで無良(崇人)選手の4回転を見たり、ケビン・バンデルペレン選手の4回転を見たり、高橋選手の4回転を見たりだとか。さっきも言ったように、浅田選手のトリプルアクセルのイメージが入ってきたっていうのと同じように、自分の4回転と一致したというか、そのイメージがすごく入ってきていて、4回転の確率がすごく良かったんですよね。公式練習の曲をかけて練習する時に、フリープログラムで結構4回転を降りていたので、ちょっと自信はありましたね。
武内:試合で実際に降りることができた時は、どんな心境でしたか?
羽生:「やったー!!」って思ったのと同時に、「ここからだ」って思いました。
武内:その後のことが・・・
羽生:やっぱり4回転を降りた後に続けることによって、体力の消耗というのはすごく大きいなと思いましたし、ここで降りても、他のジャンプでミスったら駄目だなって思いましたね。
武内:ジュニアの時よりも演技時間が延びていますものね。
羽生:やっぱり30秒、たかが30秒って感じなんですけど、まあ、長いですね。すごく長く感じましたね。
武内:バンクーバー五輪の時では、4回転を跳ばなかったライザチェック選手が金メダルを取って、跳んだプルシェンコ選手が銀メダルでしたね。ご覧になっていてどう感じましたか?
羽生:その頃は、自分は4回転を跳べていなかったので、特にそんなに関心というのはなかったですし、自分に関係のない話だと思っていたんですよね。結局自分は4回転を跳べないから、そんなのどうだっていいじゃんみたいな。
武内:その時は他人事、別の世界で行われていることみたいな・・・
羽生:そうですね。自分もジュニアでしたし、その頃は来季からシニアに上がるなんて思っていませんでしたし。
武内:採点方法が変わって、4回転のミスに関してリスクが減りましたね。その点に関して、後押しされているところはありますか?
羽生:それはありますね。男子はやっぱり4回転を降りるっていうのが、すごい魅力だとは思うんですよね。あのダイナミックさといい。その回転の速さっていうのは、絶対引き込まれるものがあると思うので。それは後押ししていきたいなと思いますね。
武内:レベルが上がってきて、4回転を跳ぶことがある意味基準になってきて、そこで成功するか失敗するかのところで勝敗を分けるような世界になってきていますね。
羽生:さっきまでスケートカナダの映像とかを見ていたんですけど、ショートで4回転を入れるっていう選手たちも増えていっていて。例えば、カナダのケビン・レイノルズ選手が、ショートプログラムで4回転を2つ跳んでいましたよね。それですごい点数、80点っていうのを貰っていたんですけど、やっぱり、ソルトレイク五輪の年みたいに、4回転時代っていうのが復活するんじゃないかなと感じていました。
武内:そこに果敢に挑んでいかなくてはならないですね。
羽生:そうですね。自分たち若い世代がどんどん跳んでいかないと、キャリアとかスケーティングとか、表現面には全然ベテランの選手たちには勝てないと思うので、しっかりと、その若さっていうか、そういうものをアピールしていきたいなって思いますね。

≪悔しさの中で得たもの≫
武内:あと一歩で表彰台というところでしたが、悔しさはありましたか?
羽生:そうですね。やっぱり勝負事なので、負けるのはすごく悔しかったですけど。それと同様に、その悔しさと一緒に経験したもの、その4回転が決まったりであったりだとか、例えば、後半のトリプルループジャンプがシングルになってしまったりとか、そういう多くのものを得ることができたと思うんですよね。それがあって4位でも悔いはないかなと思いますね。
武内:一方で、同じ学年の村上佳菜子選手がNHK杯で表彰台(3位)に上がったことは羨ましかったですか?
羽生:そうですね。やっぱりメダルは欲しかったなと思いましたね。表彰式を見ていて、自分はその次の日だったので、「やっぱり表彰台いいなぁ」と思いましたし、「自分も取ってやろう」と思いましたし、ちょっと羨ましかったですね。
武内:そんな思いは、やはりロシア大会につながっていくんでしょうか?
羽生:そうですね。やっぱり4位っていうのは、すごく悔しい順位でもありますし、すごく多くのものを得られたわけですけど、やっぱり結果が出なければどうしようもないので、とにかく表彰台を目指して頑張りたいなと思いますね。
武内:NHK杯での経験をもとに、ロシア大会ではどんな演技をしたいですか?
羽生:まだ時間はあるので、体力をつけて、後半のジャンプ、ループであったり、ルッツのコンビネーションであったりとかをしっかり決めて。やっぱり4回転も決めたいですし、とにかくパーフェクトな演技を目指して頑張りたいなと思います。
武内:また、その先にあるグランプリファイナルにも出場したいですよね?
羽生:そうですね。やっぱり、出場したいっていう気持ちはすごくありますけど、とにかく一戦一戦を大事にして、経験して得られるものがあったなら、ちゃんと得て、それをちゃんと生かせればいいかなと思います。
武内:シニアのグランプリファイナルには何かイメージはありますか?
羽生:ないですね。自分が第一戦、グランプリシリーズを終わって、まだその映像を見ても実感がないですし、なんで僕の次にこんな人(こんなにすごい人)が滑っているんだろうって感じもありましたし、まだシニアで戦っているっていう実感はないですね。

≪目標は、石川遼選手!?≫
武内:緊張していると言いながら、本当に喋るのが上手ですよね。
羽生:いや、緊張していますよ。
武内:やっぱり、喋ることに対しての意識は高いんですか?
羽生:僕の理想の選手スタイルというか、選手像というのが石川遼選手なので、そういうインタビューとかも少しは気をつけるようにしていますし、まあ、これが僕の素です。
武内:石川遼選手のどういったところがすごいと思いますか?
羽生:自分のことを冷静に評価しているというか、そういう部分もありますし、やっぱり英語が喋れるっていうのは、すごく大きいなと思いますね。
武内:やはり英語は大事ですか?
羽生:英語は大事ですね。自分はまだまだ喋れないんですけど、やっぱり勉強していかないといけないなって、シニアになって思いましたし。本当に英語を喋りたいなって。やっぱり友達とかも増えるので喋りたいです。
武内:喋ることも含めて、フィギュアスケートというのは魅せるスポーツですよね。やはり「人に魅せる」という意識は普段から高いですか?
羽生:なるべく、いつも見られているというか、例えば、自分がカメラで撮られているっていうことは、意識はしているようにしています。
武内:それはリンクにいる時ですか?
羽生:リンクにいる時はもちろんですけど、やっぱりリンク外でもそういうことを意識するようにはなってきていますね。
武内:学校にいる時はどうですか?
羽生:学校はないですね。学校はもうグダグダです。
武内:どんな風にグダグダなんですか?
羽生:家っていうのは、やっぱり自分の休む場所みたいな。まあ、休めるんですけど。学校に行くと、ストレス発散みたいな感じになるんですよね。
武内:学校がストレス発散の場?
羽生:家は楽しむ場所なんですよ、自分なりに。ゲームとかもいっぱい置いてありますし、楽しんで、リラックスしてって感じなんですけど、学校で友達と喋ると、ストレス発散とか、愚痴とかも言えるので。
武内:何の愚痴を言うんですか?
羽生:自分のスケートに対する感じですかね?やっぱり自分が跳べない時とかの愚痴をいっぱい言いますね。
武内:でも、お友達はフィギュアスケートをやっているわけじゃないですよね?
羽生:やってないですね。やってないからこそ言えます。
武内:学校のフィギュアスケート部の部員は一人だそうですね。
羽生:そうなんですよ。なんか寂しいです。

≪その先にある五輪金メダル≫
武内:将来の夢、目標を教えてください。
羽生:やっぱり将来は五輪で金メダルを取りたいなとは思うんですけれども、その前に、とにかく今季一個一個ちゃんと経験していって、来季、再来季にもつながっていけるようにできたらなって思っています。
武内:ソチ五輪は、今、頭の中では、どの辺にあって、どういうイメージなんですか?
羽生:ソチ五輪は、とにかく出場したいなって気持ちですね。今は、はい。
武内:その先のどこかで金メダルを・・・
羽生:そうですね。ソチ五輪にまず出場して、経験を積めるんだったら、今季のように経験を積んで、その先の五輪で金メダルとか取れたらなと思います。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

【戦士、この日一番の笑み】

http://i.imgur.com/eSMVQE7.jpg

イナバウアー実演後に見せてくれたこの笑顔。
多くのファンを魅了する理由もわかりますね。

はにゅう・ゆづる
宮城県出身・15歳 
170センチ・53キロ
今年3月の世界ジュニア選手権で優勝、NHK杯でも4位に入る。
選手としての柔軟性にも期待が高まる高校1年生。

结尾引用自asahi报导:

無意識の後ろ姿 くぎ付け
 取材が終わって、迎えに来ていたお母さんと一緒に帰る羽生選手の後ろ姿にくぎ付けになりました。「今、見られている」という意識はないはずの後ろ姿です。すっと伸びた背筋。その上にある細くて長い首。とても小さな頭。その後ろ姿には柔らかな日光が当たっていて、まるでリンクの上でライトを浴びているように見えたのです。自ら「目立ちたがり屋」と話していた羽生選手。無意識の後ろ姿すら見る人を魅了してしまうというのはきっと、生まれながらの「魅(み)せる人」なのでしょう。(テレビ朝日アナウンサー)

 ■インタビューは19日の「報道ステーション」でも放送する予定です。
    *
 はにゅう・ゆづる 1994年生まれ、仙台市出身。宮城・東北高1年。今年3月の世界ジュニア選手権で優勝、10月のNHK杯は4位に入った。170センチ、53キロ。