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2012.10.24 - Number web - 17歳の羽生結弦の偉業をどう考える? スケートアメリカで日本が表彰台独占。(田村明子)

12-13 赛季 2012 SA Number web 不用太认真系列

★ 注:田村明子的文章主要是看Yuzu本人的发言 ★

http://i.imgur.com/rn0dWjG.jpg
スケートアメリカの表彰台にて。左から羽生結弦、小塚崇彦、町田樹。まだ若き3選手に、惜しみない賞賛の拍手が降り注いだ。

「プレッシャーはまったくなかったです。でもプレッシャーを感じないほど緊張していたのか、あるいはリラックスしすぎてしまっていたのか、それはわかりません」
 スケートアメリカの記者会見で、羽生結弦はそう口にした。
 SPで95.07という史上最高スコアを叩き出した翌日、フリーではミスが続いて2位に終わった。「SPでのスコアがプレッシャーになったのでは」と米国の記者に聞かれて、そう答えたのである。
 ロックブルース「パリの散歩道」のSPは、見ていて鳥肌がたつほどの出来だった。3回転かと見間違えるほど楽々と降りた4回転トウループ、そしてきれいに着氷が流れる3アクセルと、3ルッツ+3トウループのコンビネーション。ギターの音色に合わせて、独特のステップシークエンスもそつなくきめた。元世界チャンピオン、ジェフリー・バトルによる振付の洗練されたプログラムを、17歳の羽生はみごとにこなしてみせた。
 さぞ良い点が出ることだろう。そう予想してはいたものの、95.07という数字がスクリーンに出た瞬間、会場は驚きのどよめきに包まれた。

ルール改定を最大限に利用した演技構成で高得点を獲得。
「これほど高い得点が出せたのは、どのような部分が成長したためだと思うか?」
 そう聞かれると、羽生はあっさりこう答えた。
「今年からルールが変わったので、難しいジャンプエレメンツを後半に2つ持っていきました」
 これまではフリーでのみ、後半のジャンプに10%のボーナスポイントがつけられていたが、今シーズンからSPでも同じように後半のジャンプにはボーナスポイントが加算されることになったのだ。その意味では、昨年までのスコアと今季からのスコアを比べることはフェアではない。
 とはいうものの、GP初戦でここまでの演技を見せ、記録を更新したのは、本来ならまだジュニアで戦う年齢の羽生にとって偉業といえる快挙だった。

フリーで羽生らしからぬミスを連発した原因は何か?
「まだフリーが残っているので、あまり有頂天にならずに気持ちを落ち着けて最後までしっかり滑りたいと思います」
 SP後の会見では、何度もそう繰り返していた。だが、フリーでは彼らしくないミスが続いた。
 冒頭の4回転トウループ、4回転サルコウともに転倒。最後の3フリップも転倒してタイミングを逃し、続いたステップをきちんと見せることができなかった。
「ウォームアップは普段のようにうまくいっていたのに、(本番前の)6分間練習で氷の上に出たとたんに頭が真っ白になって、ステップすらも思い出せなかった」と言う。練習よりも試合が好き。見てくれる観客がいないと何も跳べなくなってしまう、と普段から豪語している彼にしては珍しく、本番であがってしまったのだろうか。
「SPの結果はプレッシャーになっていないと思っていたけれど、過去のいろいろな選手の例を見ても、SPがいいとフリーが良くないということが多いのを、心のどこかで気にしていた。それを否定する気持ちが強すぎて、体がかたくなっていたのかもしれません」と自分で分析する。

世界銅メダリストとなり、追う立場から追われる立場へ。
 羽生自身、これまでSPで失敗してフリーで追い上げるというパターンが多かった。2012年3月のニース世界選手権でも、SP7位からフリーで2位となり、総合3位で初の銅メダルを手にした。10月初頭のフィンランディア杯でも、SP2位からフリーで逆転優勝している。SPで史上最高点を出し1位の立場からフリーに挑むというのは、彼にとって未知の体験だった。
「追いかける立場から、追われる立場になったということではないですか?」。そう言うと、「そうかもしれないですね」と言って頷いた。
「世界銅メダリストというプレッシャーも、こういうことなのかと思います」
 だが今回すんなりと優勝しなかったことは、長い目で見ると羽生の競技人生に大きなプラスの体験となっただろう。こうした一つ一つの学びの経験が、選手にとってかけがえのない宝となって積み重なっていくのである。

スケートに集中し、着実に勝利をものにした小塚。
 才能の塊である若手の羽生に注目が集まった中、自分のペースを保って着実な演技を見せ、4年ぶりのスケートアメリカタイトルを手にしたのは、小塚崇彦だった。
 SPで1回、フリーで2回の4回転を組み込み、2回がほぼ完璧に成功。1回はわずかに回転不足となったが、大会を通して大きなミスはフリー後半のサルコウで手をついたことだけ。王道をいくクラシック音楽を使ったプログラムで、端正な滑りをじっくり見せた。
「不調だった昨シーズンに比べて、何が変わったのか」と聞かれると、「今シーズンはスケートにだけ集中していること」と答えた。
 昨シーズンは大学院の研究や論文にも、スケートと同じくらいの力を注いでいた。だがGPファイナルにも進出できず、世界選手権11位に終わった。
「日本男子3人中2人は表彰台に上がり、自分はああいう結果になって、あせる気持ちがなかったといえば嘘になります」
 振付師のマリナ・ズエヴァに「あれもこれも頑張りすぎているのでは」と言われたアドバイスもあって、今はスケートを優先させる決意をした。
「世界選手権のような大会でメダルを競っていくことと、大学院の両方を高いレベルでやっていくことは無理。ソチ五輪までは、スケートに集中します」そう語る彼の眼には、昨年とは違う力強さが感じられた。

12月のソチGPファイナルにたどり着ける選手は……。
 3位入賞して初のGPメダルを手にしたのは、町田樹である。
 10月初頭にオンドレイネペラトロフィーで優勝し、ここでも表彰台にあがって好調なシーズンスタートとなった。「日本男子のトップ争いに加わるには、まだ実力不足なことはわかっている。でも初のGPメダルはすごく嬉しいです」と笑顔を見せた。
 このスケートアメリカで、日本男子は史上初めて、遠征地でのGP大会の表彰台独占をやってのけた。しかも、まだ主力選手は後にも控えている。今週末のスケートカナダでは織田信成、そしてその翌週の中国杯には高橋大輔が出場する予定となっている。
「国際スケート連盟に、世界選手権の出場枠を3枠以上くださいとお願いしたいくらい」と小塚は苦笑するが、現在世界中を見渡しても日本の男子ほど高いレベルが揃っている国は他にない。
 このうちいったい何人が、12月のソチGPファイナルに到達できるのか。来季の五輪開催地でテストイベントも兼ねて行われるこの大会を、羽生は「絶対に行かなくてはならない大会」と形容する。その思いはどの選手にとっても同じだろう。
 15カ月後のソチ五輪への戦いは、すでに始まっている。

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