2012.12.22 - sportsnavi - 全日本選手権に潜んでいた2つの魔物 「史上最も過酷な国内戦」が示す層の厚さ

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SPを大差の首位で切り抜けた羽生だが、フリーの行方は!?【坂本清】

「史上最も過酷な国内戦」
 第81回全日本フィギュア選手権大会の男子展望を語る上で、こうした意味の言葉が多く用いられていた。今秋のグランプリ(GP)シリーズでは6戦すべてで日本人選手が表彰台に立ち、6選手で争われるファイナルには高橋大輔(関大大学院)、羽生結弦(東北高)、小塚崇彦(トヨタ自動車)、町田樹(関大)が出場。高橋が日本人初となる優勝を果たし、羽生も2位に入った。ファイナルには進めなかったものの、ひざのけがから復活した織田信成(関大大学院)がスケートカナダで3位、無良崇人がエリック・ボンパール杯(パリ)で優勝と、メダリストが実に6人もそろっているのだ。これは他国には見られないことで、日本の選手層の厚さを物語っている。しかし世界選手権への切符を勝ち取れるのは3人。彼らが一堂に会する全日本選手権は、フィギュアスケート史上最も熾(し)烈な戦いになると言っても過言ではなかった。

 加熱する周囲の声は、やはり選手にも伝わっており、高橋は前日の会見で「気持ちをしっかり持って、あくまで自分のやるべきことをきちんとやり遂げたい。それが目標です」と自然体を強調。自身の演技だけに目を向けることで、平静さを保とうとしていた。

羽生が10点近い差をつけてトップに
 そうして迎えた男子のショートプログラム(SP)。トップに立ったのは羽生だった。冒頭の4回転ジャンプできれいに着氷。その後のジャンプやステップもミスなく演じ切り、非公式ながら、自己ベストとなる97.68点を記録した。2位の高橋(88.04点)を10点近く上回り、「自分の記録を抜いたということで非常にうれしいし、ちょっとびっくりしています。(演技後は)自分の中で時が止まったような感じでした」と興奮収まらない口調で喜びを表した。

 その一方で、2位に終わった高橋にとっては、やや厳しいスタートとなった。冒頭の4回転ジャンプで回転不足をとられ、トリプルルッツ―トリプルトゥループは踏み切り違反とされた。
「大きいミスはなかったのですが、小さいミスがあったので、その辺は少しもったいなかったですね。(4回転は)ベストなジャンプではなかったですが、しっかり耐えることができたので、レベルアップしたなと感じています。今大会は世界選手権に行くことがあくまで目標なので、優勝することにはこだわっていません」
 そう語った高橋だが、会見の途中で羽生の演技がモニターに映し出されると、それを食い入るように見つめ、「この緊張感の中であれだけの演技ができるメンタルの強さがすごい」とライバルを称賛。フリーに向けて、元来が嫉妬深い性格であることを自認する高橋は闘志に火がついたようだった。

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