2015.12.10 - GPF SP 相关报导

羽生、SP世界最高110点台 GPファイナル首位発進
http://www.asahi.com/articles/ASHDC1D3RHDBOIPE03B.html

http://i.imgur.com/Ch05tMo.jpg

羽生結弦(ANA)が、自分自身を超えた。スペイン・バルセロナで幕を開けたフィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルで10日、自らの持つショートプログラム(SP)の世界歴代最高を塗り替える110・95点をマークした。地元の大歓声を受けた昨季の世界王者ハビエル・フェルナンデス(スペイン)が91・52点で2位。18歳の金博洋(中国)が86・95点で3位に入った。
日本勢では、ともに初のGPファイナルとなる宇野昌磨(愛知・中京大中京高)が86・47点で4位、村上大介(陽進堂)は自己ベストを更新する83・47点で5位につけた。
同時開催のジュニアGPファイナルでは、男子SPで山本草太(愛知みずほ大瑞穂高)が72・85点の3位でスタートした。女子SPでは本田真凜(大阪・関大中)が3位につけた。白岩優奈(京都醍醐FSC)は5位、三原舞依(神戸ポーアイFSC)は6位スタート。

演技を終えた羽生は、「NHK杯を超える演技をしないといけないというプレッシャーはあったが、それをコントロールすることができた。いつもと違う環境で、どれだけ自分の演技をするか、を常に考えてきた結果がうまく出た」と話した。
男子SP4位の宇野昌磨 演技後半の4回転ジャンプで転倒。「ジャンプの失敗が心残り。思い切りが足りず、回転不足で転んでしまった」
男子SP5位の村上大介 初のファイナルでSPの自己ベストを更新。「緊張感がすごくて、とにかく笑顔で自分の心をごまかしながら滑っていた」
ジュニア男子SP3位の山本草太 「スピンは自分でも回転数が足りず、取りこぼしたかなと思ったら0点だった。フリーできっちり取り返したい」

 

羽生、世界最高更新首位発進も「1つ1つを完璧に」
http://www.nikkansports.com/sports/news/1577767.html

http://i.imgur.com/rA5RGLg.jpg
<フィギュアスケート:GPファイナル>◇第1日◇10日◇スペイン・バルセロナ◇男子ショートプログラム
男子SPが行われ、ソチ五輪金メダリストの羽生結弦(21=ANA)は自身が持つ歴代最高点を更新する110・95点で首位発進した。
2週間前のNHK杯ではSP、フリー、合計得点で歴代最高点を大幅に更新。調整時間の短さを苦にすることなく、再び記録を塗り替えてみせた。
競技後の会見では、「前 回同様に非常に緊張しました。自分が慣れていない土地で、もちろん日本から来てくださった方もたくさんいましたけど、外国の方の前で、いつもと違う雰囲気 の前で良い演技できたのは良い収穫。ただステップはレベル3だった。さらに得点を伸ばしていきたいではなく、1つ1つのエレメンツが完璧だったといわれる ように努力したい」と話した。
男子史上初の3連覇に大きく前進し、12日のフリーに挑む。

 

羽生、圧巻SP世界最高記録で首位発進
http://www.daily.co.jp/newsflash/general/2015/12/11/0008638340.shtml
「フィギュアスケート GPファイナル 第1日」(10日・スペイン、バルセロナ)
男子ショートプログラム(SP)が行われ、男子史上初の3連覇を狙うソチ五輪金メダリストの羽生結弦(21)=ANA=はほぼ完璧な演技を見せ、自身のSP世界最高記録を更新する110・95点で首位発進を決めた。
どんな状況であっても、この男の強さは揺るがない。もの悲しいピアノの旋律が鳴り止むと、羽生はニヤリと笑った。そして、自らの称えるように拍手。NHK杯での106・33点の世界記録をさらに4・62点上回る110・95点。得点を見た瞬間、両腕でガッツポーズを決めた羽生は、すぐに続く最終滑走者で、ともにブライアン・オーサーコーチを師事するハビエル・フェルナンデス(スペイン)のために、人差し指を口にあて、観客に静寂を求めた。そんな気遣いも含めて、圧巻だった。
冒頭の4回転サルコーを軽やかに成功させると、続く4回転トーループ-3回転トーループの連続ジャンプも鮮やかだった。後半のトリプルアクセルも文句なし。テンポの早いピアノの合わせて刻んだステップは、さらに切れ味を増していた。
NHK杯でSP(106・33点)、フリー(216・07点)、総得点(322・40点)と3つの世界記録を打ち立てた。特に総得点は空前絶後のスーパーレコード・322・40点をマークした。今の羽生にとって、敵は己自身。「他の選手は関係なく、自分の記録、演技を超えられるように頑張りたい。唯一無二の存在になりたい」と話していた慢心なき五輪王者の進化が止まらない。

 

羽生、またも歴代最高でSP首位!「重圧あったがコントロールできた」/フィギュア
http://www.sanspo.com/sports/news/20151211/fgr15121108260010-n1.html
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ上位選手が争うファイナルは10日、バルセロナで開幕し、男子初の3連覇が懸かる21歳の羽生結弦(ANAがショートプログラム(SP)で世界歴代最高の110・95点をマークして首位に立った。11月下旬のGP最終戦、NHK杯で出した自らの記録(106・33点)を4・62点更新した。
羽生は4回転サルコー、4回転-3回転のトーループ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を完璧に決め、表現力を示す5項目の得点のうち「身のこなし」は10点満点だった。
世界王者のハビエル・フェルナンデス(スペイン)が91・52点で2位。17歳の宇野昌磨(愛知・中京大中京高)は86・47点で4位、同じく初出場の村上大介(陽進堂)は自己ベストの83・47点で5位につけた。
浅田真央(中京大)と宮原知子(大阪・関大高)が登場する女子SPは11日(日本時間12日)、男女フリーは12日(同13日)に行われる。(共同)
羽生結弦の話
「NHK杯の評価を超えないといけない、もう一回同じ演技をしなくてはいけないという重圧はあったが、それを感じながらコントロールできた。いい演技ができて収穫になった」
ブライアン・オーサー・コーチの話
「(羽生は)この得点に値する演技だった。4回転サルコーはNHK杯よりもいい出来だった。どこまで点を伸ばすのか。彼を誇りに思うし、歴史の証人になれてうれしい」

 

非の打ちどころなし=限界に迫る羽生-フィギュアGPファイナル
http://top.tsite.jp/news/woman/o/26751666/
とてつもなく高いレベルで、悠々と自分を超えていく。ショパンのバラード第1番を演じた羽生のSPは非の打ちどころがなかった。世界歴代最高を4点以上更新。2週前のNHK杯で出した驚異のハイスコアがもう、過去のものになった。
2度の4回転は、完璧だった。冒頭のサルコーは軽やかで、続くトーループは3回転との連続ジャンプで空気を切り裂くように鋭かった。いずれも出来栄え評価で3点満点。表現面で「演技と実行」を評価する項目に満点の10点が付いた。「積み上げてきたものは無駄ではない」。2季目となる曲に技がかみ合い、プログラムは熟した。
SP、フリーともに世界歴代最高を大きく塗り替えたNHK杯の余韻を振り払うのは、簡単ではなかっただろう。「NHK杯の評価を超え、あの演技をもう一度しなくてはいけないというプレッシャーはあった」と認める。その重圧をうまく制御し、推進力へと変えたのはさすがだった。
オーサー・コーチは演技を絶賛しつつ、「彼は自分に厳しい。改善すべき点を何か見つけるだろう」と言う。羽生は最高難度のレベル4を取れなかった終盤のステップを課題に挙げた。「一つ一つのエレメンツ(要素)が完璧だったと言われるように、さらに磨く」。限界に迫った得点は、まだ伸びる。(バルセロナ時事)(2015/12/11-09:12)

 

フィギュアGPファイナル・談話
http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_date1&k=2015121100127
◇コントロールできた
羽生結弦 練習がうまくいって、落ち着ける要素があった。このSPは2年間使ってきた。積み上げてきたものは無駄ではない。NHK杯の評価を超えなくてはいけない、あの演技をもう一度しなくてはいけないというプレッシャーはあった。それを感じながらコントロールできた。

◇完璧なリズム
ブライアン・オーサー・コーチ (羽生の演技で)終わった瞬間にNHK杯のスコアを超えると思った。この得点に値する演技。完璧なリズムで演じた。彼は自分に厳しい。さらに改善しようとするだろう。

 

羽生「慣れていない土地で良い演技ができたことは収穫」
http://www.sanspo.com/sports/news/20151211/fgr15121108350009-n1.html
【バルセロナ10日(日本時間11日)】フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルの男子ショートプログラム(SP)で、史上初の3連覇を目指す羽生結弦(21)=ANA=が、110・95点の世界歴代最高得点をマークして首位に立った。
――演技を終えて
「前 回大会(NHK杯)と同様に緊張した。同じ構成で練習してきたけど、慣れていない土地でいつもと違った雰囲気の中で、良い演技ができたことは収穫。でもス テップがレベル3だった。しっかり練習したい。得点を伸ばしたいのではなく、『すべてのエレメンツが完ぺきだった』といってもらえるように自分を磨いてい きたい」
――2大会連続で世界歴代最高得点を更新
「すごく緊張していた。(名前が場内にアナウンスされてから演技するまでの)30秒をぎりぎり使った。リラックスしなきゃと常に考えているわけではない。いつもと違う環境でどれだけ自分の演技をするか。SPはSP。フリーはフリー。気持ちを新たにして調整したい」
――昨季より4回転サルコーの成功率が高い
「(4回転)サルコーを跳び始めてから4シーズン目。去年は中国杯のけががあり、全日本選手権後に手術をして、練習できない期間があったけど、3年間の挑戦は絶対に消えない。練習にとらわれるのではなく、考えながら調整している」
――緊張について
「NHK杯のフリーの感覚に近かった。SPに入る前は、あと1秒しかないと焦った。結果的にいい演技ができてよかった。絶対にみんなが力をくれると思ってやった」
――バラード第1番は2シーズン目
「1年間しっかり練習してきた。これまで積み上げてきたものはむだじゃない。ジャンプがしっかり決まっているので、よりピアノの曲に乗っていける。スピン、ステップが曲の一部として決まっているから、受け取ってもらえる」
――GPファイナルの雰囲気は
「とにかく緊張した。ハビエル(フェルナンデス)のコールでお客さんが盛り上がるし、(演技者の)1人が終わったら(場内の)解説がつく。アップ中に聞こえてきたけど冷静に対処できた」
――NHK杯後の反響について
「実質、練習期間が1週間しかなかった。意識せずにできたことはよかった。みんながわぁーとなってくれた。うまくできた証拠なので、うれしかった」

 

羽生「冷静に対処できた」「自分を信じて」 再び快挙も柔和な表情 一問一答
http://www.sankei.com/sports/news/151211/spo1512110021-n1.html
羽生は柔和な表情で、冷静に演技を振り返った。
--自らの世界歴代最高得点を更新した
「慣れてない土地、いつもと違う(環境の)中でいい演技ができて収穫になった。冷静に対処できた」
--重圧は
「すごく緊張した。(演技前は)30秒ぎりぎりまで使ってリラックスしようと頑張った。あと1秒しかないと焦ったけど…。NHK杯のフリーに感覚的には近いのか、緊張感があることを認識し、どうしたらいいか考えながら滑れた」
--4回転サルコーの安定感が増した
「何か変えたということはない。跳び始めてから4シーズン目。(昨季は)中国杯で(激突事故の)けがもあったし、手術してブランクもあったが、3年間の挑戦は消えない。自分がやってきたことを信じて、本番で何に気をつけるべきか探しながら調整している」
--フリーへ
「気持ちを新たにして調整したい。いいパフォーマンスをして、日本的なものをちょっとでも感じてもらえたらいい」(共同)

 

羽生、フリーは「日本的なものを感じてもらえたら」
http://www.nikkansports.com/sports/news/1577905.html
<フィギュアスケート:GPファイナル>◇第1日◇10日◇スペイン・バルセロナ◇男子ショートプログラム
男子SPが行われ、ソチ五輪金メダリストの羽生結弦(21=ANA)は自身が持つ歴代最高点を更新する110・95点で首位発進した。
羽生は柔和な表情で、冷静に演技を振り返った。
-自らの世界歴代最高得点を更新した
羽生 慣れてない土地、いつもと違う(環境の)中でいい演技ができて収穫になった。冷静に対処できた。
-重圧は
羽生 すごく緊張した。(演技前は)30秒ぎりぎりまで使ってリラックスしようと頑張った。あと1秒しかないと焦ったけど…。NHK杯のフリーに感覚的には近いのか、緊張感があることを認識し、どうしたらいいか考えながら滑れた。
-4回転サルコーの安定感が増した
羽生 何か変えたということはない。跳び始めてから4シーズン目。(昨季は)中国杯で(激突事故の)けがもあったし、手術してブランクもあったが、3年間の挑戦は消えない。自分がやってきたことを信じて、本番で何に気をつけるべきか探しながら調整している。
-フリーへ
羽生 気持ちを新たにして調整したい。いいパフォーマンスをして、日本的なものをちょっとでも感じてもらえたらいい。

 

羽生結弦、フリーは「自分との戦い」
http://mainichi.jp/articles/20151212/k00/00m/050/019000c
フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルは10日、バルセロナで開幕し、男子初の3連覇を狙う羽生結弦(ANA)がショートプログラム(SP)で自らの世界歴代最高得点を4.62更新する110.95点で首位に立った。
日本から応援に駆け付けた大勢の女性ファンが、総立ちとなって熱狂した。羽生も両手をたたいて、自らの演技を褒めたたえる。ジャンプ、スピンにステップ、そして表現力。全てに対してジャッジが最大級の評価を与える、濃密のSPで「自分にとって壁になる」と語っていた驚異的スコアをあっさり塗り替えた。
「すごく緊張していた」と明かす。演技開始までの30秒間を目いっぱい使った。「あと1秒しかないと焦った」と笑って振り返るほど、ジャンプの軸を入念に再確認。完璧な4回転サルコウと4回転−3回転のトーループで勢いに乗り、終盤はショパンのピアノ曲「バラード第1番」の激しい旋律に情熱的なステップを刻み込んだ。
2週間で2度の世界歴代最高。しかし、NHK杯とはまた別の意義があるという。長旅を経て訪れた、時差のあるスペイン。地元の英雄、世界王者のフェルナンデスに対する声援も大きい。「慣れてない土地、いつもと違う(環境の)中でいい演技ができて収穫になった」。オーサー・コーチは「異なる環境にスマートにアプローチできた」と対応力に目を細めた。
フェルナンデスとは20点近い大差がつき、男子初の3連覇はもう間違いないだろう。12日のフリーへ「気持ちを新たにして調整したい」。再び自分との戦いに集中する。(共同)

 

「積み上げたもの無駄じゃなかった」 羽生SP世界最高
http://www.asahi.com/articles/ASHDC2PW1HDCOIPE007.html
(10日、フィギュアスケートGPファイナル)
2週前のNHK杯の余韻がさめないうちに、羽生は、自らの可能性が無限であることを示した。「この曲を2年間使っている。それプラス、NHK杯でもちょっと自信ができましたし。積み上げてきたものは無駄じゃなかった」。SPの完成度を自負する。
曲は、ショパンの「バラード第1番」。昨季の世界選手権前から「このプログラムを洗練させたい」と、今季の継続を決めていたという。世界観がはっきりしているフリーの「陰陽師(おんみょうじ)」とは異なり、ピアノ旋律のみのシンプルな曲だ。それだけに、体と音楽が合ったときと合わないときで、印象はがらりと変わる。
4回転サルコーなど、三つのジャンプ要素はノーミス。演技構成点も、表現力の項目が10点満点だったのを筆頭に、振り付けが9・93点、音楽の解釈が9・89点と、5項目すべてで9点台後半以上の評価を得た。「ジャンプももちろんだけど、スピンとかステップも曲の一部として決まっているからこそ、受け取ってもらえるんじゃないかなと思います」
バルセロナに入ったときは、少し鼻声だった。「疲れはあると思います。でも、調整期間が『ワッ』って過ぎたのが、逆によかったのかもしれません」。NHK杯の閉幕が11月29日。休養や移動時間を除くと、練習できたのは1週間に満たない。集中力を維持したまま、五線譜を彩る音符のように、舞いきった。(山下弘展)
■オーサー・コーチ「あの演技を見られて光栄」
羽生を指導するブライアン・オーサー・コーチ 「あの演技を見られて本当に光栄。彼はいつも自分自身と戦っている。また、プログラムの中で成長できる部分を見つけるだろう」

 

羽生、V3死角なし「重圧感じながらコントロール」
http://www.nikkansports.com/sports/news/1578327.html
<フィギュアスケート:GPファイナル>◇第1日◇10日◇スペイン・バルセロナ◇男子ショートプログラム
2戦連続、世界歴代最高! 男子ショートプログラム(SP)でソチ五輪金メダリストの羽生結弦(21=ANA)が完璧な演技を披露し、110・95点で首位 発進した。2週間前のNHK杯での自らの記録(106・33点)を4・62点更新し、再び世界を驚かせた。SPでの2位との19・43点差はGP史上最大 で、男子史上初の3連覇に大きく前進した。フリーは12日に行われる。
その落ち着きは、再びの快挙の予感十分だった。「そうだった、こんなんだったなあ」。耳目から入る情報に記憶を照合させながら、羽生は迫る演技開始を待っていた。
届いていたのは、1つ前に滑走した宇野の演技映像をスクリーンに放送しながら解説する会場アナウンス。なじみが薄い冬競技のために、得点結果を待つ間、昨年同様に大会側が用意した計らい。他大会では見られない風景を1年ぶりに感じながら、考えていたのは「緊張しているな。この状態でどうすればいいかな」。冷静に心身状態を把握し、演技に落とし込めていけた。それが強さだった。
冒頭の4回転サルコーは、NHK杯では軸がゆがんだ。大きな加点を取れず、最優先課題として、腰の上下動を抑える意識をたたき込んできた。氷とスケート靴の刃の余計な摩擦音がしない静かな跳躍は、見る者にため息をつかせるような一本に。出来栄え点は満点の3点を稼いだ。
続く4回転トーループでは踏み切りまでに弧を描きすぎない注意を払い、続けた3回転トーループまで滑らかさが際立つ。再び3点の大技で、曲に乗った。SPの構成はNHK杯と同じだが、そのときにはなかった落ち着きが、ショパンのピアノ曲に共鳴し、緩急も自在。「NHK杯の評価を超えないといけない、もう1回同じ演技をしなくてはいけないという重圧はあったが、感じながらコントロールできた」と、演技後自らに拍手をささげた。
「同じ演技は1つとしてない」。続けた歴代最高の滑りは、開催地の環境に適応させる繊細さのたまものだ。湿気や音の響きまで敏感に反応し、体を会場に沿わせていく。特に今季からは公式練習の時から氷の温度を測っている。硬さに影響する数値を測ることで、わずかな滑り具合の違いにまで気を配る。
フィニッシュポーズではNHK杯の鬼の形相から、余裕を感じさせる笑みがのぞいた。予想を超え、さらに上を行き続ける絶対王者。「明後日(のフリー)も自分の中で違うインスピレーションを持ちながら、いいパフォーマンスをしたい」。3連覇の可否よりも、その時その場所でしかない滑りから目が離せない。【阿部健吾】

 

羽生「自分を信じ」成熟の演技  「重圧コントロールできた」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/sports/list/201512/CK2015121202000133.html
◇フィギュアスケート GPファイナル
【バルセロナ=共同】グランプリ(GP)ファイナルは10日、バルセロナで開幕し、男子初の3連覇を狙う羽生結弦(ANA)がショートプログラム(SP)で自らの世界歴代最高得点を4・62更新する110・95点で首位に立った。
羽生は4回転サルコー、4回転-3回転のトーループ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を完璧に決め、「身のこなし」の10点満点など表現力を示す5項目でも高得点をたたき出した。
2位は世界王者のハビエル・フェルナンデス(スペイン)で91・52点。宇野昌磨(しょうま=愛知・中京大中京高)は86・47点で4位、村上大介(陽進堂)は自己ベストの83・47点を出し、5位につけた。
浅田真央(中京大)と宮原知子(さとこ=大阪・関大高)が出場の女子SPは11日(日本時間12日)、男女フリーは12日(同13日)に行われる。
聴き込んできたメロディーに身を預けた。羽生は目を閉じ、ゆっくり首を回しながら演技を始めた。
軽やかなピアノの音と調和するように2種類の4回転ジャンプとトリプルアクセルは柔らかく氷に降りた。一気にテンポが上がる中盤には上体を大きく動かしながら、軽やかに氷を跳ねた。
「ジャンプ、スピン、ステップが曲の一部として決まった」。手応えを感じた通り、自身が持つ世界歴代最高得点を更新。「2シーズン使っている曲。(今季前に)1年しっかり練習した。積み上げたものは無駄でなかった」と、完全に音楽に溶けこんだ。
今季のSP曲は昨季と同じショパン「バラード第1番」。静かな旋律だけに動きにメリハリがないと単調な演技に映る。昨季は腹部の手術の影響もあり、納得のいくまで完成させられなかった。だが原曲を聴いたり、演奏の映像を見たりしてイメージは膨らみ、ジャンプのレベルアップも見据えて再挑戦を決めた。
昨季のGPファイナルと比べて技術点が10・70、演技点が5・17点増えた。特に演技点は「身のこなし」の項目で10点満点を獲得。全5項目でも49・14点を挙げるなど、限りなく満点に近づけた。
「NHK杯を超えなくてはいけないというプレッシャーもあったが、それをコントロールできた」。重圧をあっさり振り払えたのも、成熟したプログラムへの自信からだ。
オーサー・コーチは「どこまで点を伸ばすのか。歴史の証人になれてうれしい」と興奮を隠さない。毎日見ている指導者が驚くほど、演技者としての極みに達しようとしている。(バルセロナ・原田遼)

 

荒川静香が語る フィギュアGPファイナルの見どころ
http://www.oricon.co.jp/news/2063683/full/
フィ ギュアスケートのシーズン前半戦の世界一を決定する『グランプリファイナル』が10日にスペイン・バルセロナで開幕。テレビ朝日系できょう11日は「男子 ショー」(後8:00~9:54)、12日は「女子ショート」(後6:56~9:00)、13日は「男女フリー・エキシビション」(後 6:57~11:10)の模様が放送される。
グランプリ(GP)ファイナルに出場するのは、GPシリーズ上位6人。今年のGPシリーズは、浅田真央選手が2シーズンぶりに参戦、羽生結弦選手が前人未到の300点超えを達成、そして宇野昌磨選手がシニアデビューと話題も多かった。
GP ファイナルには、(男子)羽生、宇野、村上大介、ハビエル・フェルナンデス、パトリック・チャン、金博洋、(女子)浅田、宮原知子、エレーナ・ラジオノ ワ、エフゲニア・メドベデワ、グレイシー・ゴールド、アシュリー・ワグナーの各6選手が出場する。トリノ五輪金メダリストのフィギュアスケーター・荒川静 香に、本大会への期待、日本選手の今季の特徴などを聞いた。
■GPファイナルの見どころ、楽しみ方
「男 女とも高難度のプログラムを滑るようになったので、その中でいかに個性を殺さずに、見ている人に個性をアピール出来るかが楽しみ方になると思います。ジャ ンプだけに目を奪われず、選手の個性を楽しんで見ていただきたいです。テレビでは細かいところも見られますから。ほかの選手と比べるのは難しいのですが、 選手個々の以前の演技と比べると違いがよくわかります。ちょっとさかのぼって出場選手の過去の演技を見てから、今大会を見ていただくと面白いかもしれませ んね」

■羽生結弦、一人突き抜けた感じ
「ちょっと突き抜けちゃった感じですね(笑)。現状でパーフェクトにやれば、 誰も手が届かない場所に一人で行ってしまったような感じがあります。ただ、難しいジャンプ構成に挑んでいるがゆえの難しさもある。1回良かったものを維持 していくだけでも難しいと思います。でも、彼の場合、維持ではなく、もっと向上したいという気持ちが強いでしょうから、NHK杯から短期間で誰もが記憶に 残した演技を再び披露できるか、そんな期待感もあります」