2015.12.28 - sportsnavi - 世界フィギュア代表会見・一問一答

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世界選手権の日本代表に選出された選手らが意気込みを語った【坂本清】

 来年3月に開催されるフィギュアスケートの世界選手権(米国・ボストン)の日本代表に選出された男子の羽生結弦(ANA)、宇野昌磨(中京大中京高)、女子の宮原知子(関西大中・高スケート部)、浅田真央(中京大)、本郷理華(邦和スポーツランド)、ペアの須藤澄玲、フランシス・ブードロー・オデ組(神奈川FSC)が28日、北海道・札幌市内で記者会見を行い、意気込みを語った。
 12月のグランプリファイナルで世界最高得点(330・43点)をたたき出し、27日に閉幕した全日本選手権で4連覇を果たした羽生が、「自分がそのとき持っている実力のベストを出せるようにしていきたい」と語れば、2年連続で全日本女王に輝いた宮原も「今回得た自信を来年の試合につなげていけるように練習を頑張りたい」と決意を述べた。
 なお、アイスダンスは、今後の国際大会で世界選手権出場に必要なショートダンスの最低技術点をクリアした組がいた場合、1組を派遣する。  
 以下、会見での代表選手の一問一答。

羽生「本当に良い試合もあり悪い試合もあった」

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全日本で4連覇を果たすもミスもあり悔しさの残る結果となった羽生【坂本清】

――今季の前半戦を振り返って、良かった点と世界選手権までの課題を含めたうえで抱負をお願いします。
本郷 今季前半はフィンランディア杯から始まって自分の納得いく演技ができた試合もあったんですけど、課題の残る試合の方が多くて、世界選手権に向けて特にフリーで失敗しないように練習したいと思います。
浅田 シーズン前半戦を終えてみて、私自身少しずつ課題はクリアしてきているかなと感じているので、シーズン前半で得た自分の感覚を忘れずに後半につなげていければいいなと思います。
宮原 スケートアメリカでは自分の納得いく演技があまりできなかったんですけど、NHK杯とグランプリファイナルと全日本では自分の中で良い演技ができたと思うので、今回得た自信を来年の試合につなげていけるように練習を頑張りたいと思います。
羽生 シーズン前半という視点から考えると、本当に良い試合もあり悪い試合もあったという感じで終わったかなと思います。本当に良い試合は良かったと思いますし、自分の中で悔しい思いが残る試合は本当に悔しい試合になりました。今回も含めて悔しい思いを、世界選手権に向けて生かせるように、一生懸命練習を頑張っていきたいと思います。
宇野 シーズン初めの失敗から始まり、その失敗から成功をつかむことができて、良いシーズン前半を送れたと思いますが、失敗したところがたくさんもあったので、課題を1つずつクリアして初出場の世界選手権を思い切って頑張りたいと思います。
須藤 フランシスとペアを結成してから、1シーズン目で毎試合ごとに新しい発見や経験を前半戦できました。課題もたくさん見つかったので、初出場の世界選手権ではよりユニゾンを良くしていくことや、トリプルツイストなど新たな技も取り入れて、挑戦心を持って頑張りたいと思います。

――シングルの選手に質問です。四大陸選手権に出場する選手は大会の位置づけをどうとらえているのか? そしてどうして出場を希望したのか? また羽生選手は出場しませんが、その期間をどう過ごすのでしょうか?
本郷 四大陸選手権で、世界選手権の前にどれだけ練習の成果を出せるか試せると思うし、どんな結果でも世界選手権につながると思うので希望しました。
浅田 四大陸選手権に出る理由としては、私は1シーズン休んでいたこともあって世界ランキングも下がっているので、それを上げるためというのが1つと、試合の感覚をもう少し味わいたいなと。それが世界選手権につながると思うので、自分で試合感覚を試したいなという気持ちもあって出場することにしました。
宮原 今から世界選手権まで間が空くので、四大陸選手権に出て世界選手権にうまくつなげられるようにしたいと思って、出場することにしました。
羽生 僕は出場を最初から希望しないと出していました。四大陸選手権の期間は2月ですし、全日本が終わってからそんなに時間もないので、その期間はピークとかそういうものではなく実力の方をしっかり鍛錬しながら、もっと演技の幅であったり技術力を高める期間にしたいと思っています。
宇野 四大陸選手権は昨年も出て悔しい思いをしました。今年も出て、その悔しさを晴らしたいという気持ちが強いので、出場を希望しました。

宮原、魅せる演技に手応え
――シーズン前半戦が終わりましたが、ここまで自分の中で1番良かったところを教えてください。
本郷 今シーズンは表現力を高めようとあっこさん(鈴木明子)に教わっていましたが、その成果はシーズン前半で出せたと思うのでそこは良かったと思います。
浅田 私は課題の方が多くて、良かったと思うところはそこまでないんですけど、自分自身、1試合を終えるごとに少しずつ課題をクリアして、階段を上れてるとは思うのでそこが良かったと思います。
宮原 今シーズンの演技としてはNHK杯が一番良かったかなと思うんですけど、特にショートでスケートアメリカからNHK杯の期間が長かったので、その期間に表現のほうで魅せられるように練習しました。そこを試合で出せるようになったのは良かったと思います。
羽生 一番良かった試合はNHK杯であり、成長したと感じた試合はGPファイナルです。NHK杯ではシニアの国際舞台で初めて目標としていたショートとフリーをノーミスすることができました。守るという姿勢ではなく、攻めた姿勢で達成できたのがうれしかったです。ファイナルでは2戦連続という中、精神状態であったり、体調のコントロールであったり、そういうのがうまくかみあって、2戦連続でショートとフリーをそろえられたというのが、一番成長を感じました。
宇野 ソルトレイクでの失敗から始まり、その失敗からGPシリーズ、ファイナル共に良い演技で終わることができたので、そこが一番成長できたところかなと思います。
須藤 ゼロからのスタートでしたが、エレメンツの習得を予想よりも早くできたのが良かったと思います。試合を重ねるごとにお互いの体調だとかを感じるようになったので、さらにそうした距離感や仲の良さを、演技でも見せられるようにしたいと思います。

宇野「目標は完璧な演技をすること」
――世界選手権に臨むにあたっての目標は?
本郷 世界選手権は2度目なので、去年よりも成長した姿を見せたいというのもありますし、まだショートとフリーを完璧にそろえられた試合がないので、納得いく演技をできるようにしたいと思います。
浅田 今回の全日本でもそうだったんですけど、私は自分に負けてしまう部分があるので、技術とかよりも世界選手権では自分に勝つことをテーマにしたいと思います。
宮原 目標にしたいのはショートとフリーを両方とも、自分が今できる一番良い演技をすることです。ショートではまだ70点台を出せていないので、良い演技をしたうえでその点数を出せたらいいなと思います。
羽生 もちろん優勝したいと思っていますが、まずはどのようにしてNHK杯やファイナル同様に、良い演技をするかを考えながら練習していきたいと思っていますし、僕は四大陸がないので、だからこそできる練習であったり、練習方法をいろいろ試しながら、何が本当に良いのか、何が一番自分に求められているのかを考えながら練習して、最終的に世界選手権という舞台で、自分がそのとき持っている実力のベストを出せるようにしていきたいです。
宇野 順位などの具体的な目標はないんですけど、ショートとフリーをノーミスでここ最近できていないので、世界選手権という大きな舞台で、目標はショートとフリーで完璧な演技をすることですけど、それにとらわれず、ジャンプだけではなく、そのほかも練習して、今の自分よりも成長した姿を見せたいと思います。
須藤 今回の大会は特に後半の部分で課題が見つかり、今の技を安定させることと新しい技をさらに習得していって、世界選手権で納得いく演技ができるように頑張りたいと思います。

――羽生選手に質問です。ファイナルやNHK杯を終えて、ここをあとは伸ばせるなと考えている部分はありますか?
羽生 点数に関しては皆さんが注目されていると思うんですけど、GOEであったり、評価点であったりは高く評価されているのはうれしく思っています。ただ、自分の中で、自分がもっと評価できるジャンプやもっと自分が評価できる表現、またどんな背景を持っている人でも、自分の演技や表現が同じ形じゃなくてもいいから届けられる、1つ1つの所作を含めて練習していきたいと思っているのと同時に、技術という点に関しては4回転の種類ももっと増やすべきだと自分は思っているので、そこも一生懸命3月まで練習していきます。

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