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2016.07.17 - web sportiva - 羽生結弦を阻むライバルは誰か?フィギュア新シーズン展望 (折山淑美)

折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

冬季競技は2018年平昌五輪プレシーズンがいよいよ開幕する。本番へ向けての勢力図が明確になる重要なシーズン。フィギュアスケートでは国際スケート連盟(ISU)からグランプリ(GP)シリーズのエントリーリストが発表された。
 日本勢の主な選手を見ていくと、男子は羽生結弦がGPシリーズ第2戦のスケートカナダと第6戦のNHK杯に出場。宇野昌磨は第1戦スケートアメリカと第3戦のロステレコム杯、無良崇人がスケートカナダと第4戦のフランス杯にエントリーした。
女子は浅田真央がスケートアメリカとフランス杯、宮原知子は羽生と同じくスケートカナダとNHK杯という予定になっている。

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新シーズンのGPシリーズはスケートカナダとNHK杯にエントリーした羽生結弦

 GPシリーズ初戦のスケートアメリカ(10月21日~/アメリカ・シカゴ)は、男子の上位争いは宇野とボーヤン・ジン(中国)のふたりが中心になるだろう。そこに村上大介とデニス・テン(カザフスタン)、昨季中盤以降を腰痛で休養していたジェイソン・ブラウン(アメリカ)がどう絡んでくるか。
 世界選手権では悔しい思いをしながらも、4月のチームチャレンジカップで4回転フリップを成功させて気持ちよくシーズンを終えた宇野は、ファンタジーオンアイス札幌公演で新シーズンのフリーを披露。4回転フリップにも挑戦し、緊張感のある演技でさらに上の次元を目指そうとしている。それだけに、ショートプログラム(SP)とともに、どこまで完成度を上げてくるか楽しみだ。
 一方、3種類の4回転ジャンプを確実に決めてくるジンは、持ち前のジャンプに加えて表現力を磨いてきており、侮れない存在だ。また、昨季はGPファイナルに進出するなど成長を見せた村上は、今季もSP、フリーともにローリー・ニコルが振り付けを担当。どんな演技を見せてくれるのか注目だ。
 女子は、浅田のプログラムに関心が集まる。SP、フリーともにローリー・ニコルの振り付けで、曲はともにスペインの作曲家ファリャによる『リチュアル・ダンス』。休養から復帰して1シーズンを経験し、新たにつくりあげる”浅田真央の世界”はどのような方向になるのか。
 他の日本勢は村上佳菜子のほかに、昨季ジュニアGPファイナルに進出した三原舞依もスケートアメリカに出場する。海外勢は、昨季の世界選手権で上位に入ったアシュリー・ワグナーとグレイシー・ゴールド(ともにアメリカ)も出場し、ロシアからは復活を期すユリア・リプニツカヤと、14、15年世界ジュニア2位のセラフィマ・サハノビッチも出場。浅田ら日本勢は、先手を取って好結果を残しておきたいところだ。

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羽生結弦の新シーズンのプログラムがどんなものになるのか注目される

第2戦スケートカナダ(10月28日~/カナダ・ミシサガ)は、世界選手権後、ケガの治療に専念していた羽生がどこまでコンディションを仕上げ、どんなプログラムに挑戦してくるかが最大の見どころだろう。また、昨季の四大陸選手権のフリーで、史上3人目の200点超えを達成したパトリック・チャン(カナダ)が、新たな4回転を入れたプログラム構成にしてくるかどうかも気になるポイントだ。
日本勢では無良がどこまで存在感を発揮できるか。今季、とくに注目なのはSPだ。マッシモ・スカリが振り付けを担当した『フラメンコ』は、終盤のステップで、靴が舞台を叩く音だけで激しく踊るという意欲的なものだけに興味深い。
 女子は、全日本女王の宮原知子がローリー・ニコルの『ワルツ』(SP)と、トム・ディクソンの『スターウォーズ、惑星、ジュピター』(フリー)でどんな演技を見せてくれるか。また、着実に成長を続けている本郷理華と、シニア2年目の永井優香もスケートカナダに出場する。ここにエフゲニア・メドベデワとエリザベータ・トゥクタミシェワらロシア勢が立ちはだかる。ふたりの世界女王と日本勢がどんな戦いを繰り広げるのか。
 第3戦ロステレコム杯(11月4日~/ロシア・モスクワ)は、2年連続世界王者のハビエル・フェルナンデス(スペイン)に宇野が挑む。昨季、マッシモ・スカリの振り付けで新境地を見せた田中刑事も出場。女子はロシアのアンナ・ポゴリラヤとエレーナ・ラジオノワ、村上がエントリーしており、初挑戦の松田悠良にも期待したい。
 第4戦エリック・ボンパール杯(11月11日~/フランス・パリ)は、2週連続出場となるフェルナンデスに無良が挑む。シニアGP初出場の山本草太、昨季ジュニアGPファイナル覇者のネイサン・チェン(アメリカ)ら、新世代の競り合いも注目だ。
女子は浅田とメドベデワ、ゴールドの争いに、初参戦の樋口新葉(わかば)がどう絡んでくるか。アイスショーでは『白夜を行く』で、これまでとは違うしなやかな力強さと感情の表現に挑戦していた樋口が、どんな演技を見せてくれるか楽しみだ。
 第4戦中国杯(11月18日~/中国・北京)は、日本からは村上大介が出場。また、昨季の四大陸選手権で優勝争いを繰り広げたチャンとジンの再戦に注目が集まる。女子では、本郷と三原がラジオノワとトゥクタミシェワ、ワグナーにどこまで迫ることができるか。
 最終戦のNHK杯(11月25日~/日本・札幌)は、田中刑事、山本とネイサン・チェンが、羽生に挑む構図になるだろう。女子は宮原とポゴリラヤに、樋口とエリザベット・ツルシンバエワ(カザフスタン)や世界ジュニア2位のマリア・ソツコワ(ロシア)が挑戦する。
 12月8日からフランス・マルセイユで開催されるGPファイナル進出を目指し、選手たちは今シーズンも氷上で熱い戦いを繰り広げてくれそうだ。

 

2016 GPシリーズ スケジュール
スケートアメリカ 10/21-10/23 アメリカ・シカゴ
スケートカナダ 10/28-10/30 カナダ・ミシサガ
ロステレコム杯 11/4-11/6 ロシア・モスクワ
エリック・ボンパール杯 11/11-11/13 フランス・パリ
中国杯 11/18-11/20 中国・北京
NHK杯 11/25-11/27 日本・札幌
GPファイナル 12/8-12/11 フランス・マルセイユ

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