2011.05.23 - shikoku news - フィギュアリンク再開めど立たず/羽生選手「勇気届ける」

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震災後、仮の拠点とするリンクで練習を続ける羽生結弦選手=20日、横浜市神奈川区

東日本大震災は、東北のスポーツ施設に被害を与えた。仙台市泉区の「アイスリンク仙台」もその一つ。フィギュアスケートのトリノ冬季五輪女王、荒川静香や 男子の本田武史らかつての名選手や、男子期待の羽生結弦選手(16)=宮城・東北高=が育ったスケート場は、リンクの入る建物が損壊し、営業再開のめどが立っていない。
 3月11日、羽生選手は練習中だった。壁がずれる大きな音は今も耳に残り、恐怖の記憶は「何回も夢に出てきた」という。仙台市内の自宅も被害に遭い、小学校の体育館で4日間の避難生活を送った。
 震災後はスポーツをしていていいのか悩んだ。そんな時、東北高の野球部が甲子園で奮闘する映像を目にして「自分も精いっぱいスケートをやって、被災者に 勇気を届けたい」と思った。横浜市内のスケート場を仮の拠点とし、アイスショーで全国各地を転々とする。出演前後のわずかな時間で練習する日々だ。
 羽生選手を教える阿部奈々美コーチは、夫の運転するマイクロバスで片道6時間をかけ、新潟県上越市のリンクにほかの生徒を連れて行く。震災後は数人が競 技から離れ、教え子は30人を切った。「支援する親の気持ちがスケートから離れてしまうのが一番心配」と阿部コーチ。羽生選手は「男は僕1人になっちゃっ た」と声を落とした。 

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