2015年6月号 FRaU - 織田信成さんの「応援力」

「ゆとり」も育つ、織田信成さんの「応援力」
雑誌『FRaU(フラウ)』2015年6月号 織田信成インタビュー
 メディアで引っ張りだこの、プロフィギュアスケーター・織田信成さん。その美的センスの高さ、オネエキャラがクローズアップされていますが、注目すべきはその『応援力』の高さ。『FRaU』6月号では織田信成さんが登場。人を伸ばし、育てる応援力について、たっぷり語っています。
さて、織田さんが多くの人を感動させた“応援”は、2014年のグランプリファイナル中国大会、ショートプログラムのとき。4回転を失敗した羽生結弦選手の演技の後、全国民の気持ちを代弁して残念がる松岡修造さんに、「これだけは言わせてください!」と織田信成さんが語ったのは、羽生選手が失敗したトリプルアクセルがどれだけ難しく美しいかということ。この解説で視聴者は羽生選手の素晴らしさを再認識し、羽生選手にとって、ある意味、熱い応援になったはず。
「才能のある後輩を見ていると、その技術力の高さや芸術的な美しさに興奮してしまうんです。それに先輩が応援してくれることってすごく励みにもなるんですよね。羽生君なんてスケート界では“宇宙人”と言われるほど異次元のすごさなんです。それを本当にすごいと一生懸命たたえることで、彼がうれしいなって思ってくれたら……まあ、羽生君は放送を見返したりしないかもしれないけれど(笑)」(織田さん)
 ほめたたえるだけでなく、具体的なダメ出しやアドバイスも大切。
「僕がドM体質だと知っているのか、現役時代、ファンレターではダメ出しやアドバイスをいただくことが多いんです(笑)。“もっと華やかな衣装に”とか、“振り付けはもっと派手に”とか。最初はびっくりしたんですが、“何をしてもステキ”と言われるより、心に響くんです。“ウチの子だから”みたいな愛情で、細かいところまで見て考えてくださっているんですよね」(織田さん)
 そう、この“愛あるダメ出し”こそが、後輩の育成につながる。二重人格だったり、突然ブチ切れたりする人が多いと嘆く“ゆとり・さとり世代”の後輩たち。彼らに必要なのはこの愛あるアドバイス。
「僕も現役時代には、負けたくないとか、あの選手の良いところを吸収したいとか、そういう気持ちは当然ありました。でも試合が終われば順位に関係なく、みんなおっつー!(お疲れ様)っていう感じで(笑)。ちょっと能天気かもしれないけれど、それができなくなったら、スポーツマンとして終わりかなと思います。いい演技やいい成績を残すことも大切だけれど、一番の感動は一生懸命な選手たちの心の中にあるんです」(織田さん)
 この言葉こそが、自分も後輩たちも伸ばすヒントに。共感してホメて、愛を持ってダメ出しをする。この積み重ねがチーム全体を伸ばしていくはず。血のにじむような練習を重ねた織田さんならではの哲学を『FRaU』6月号でたっぷり吸収すれば、みんな元気になるはず!