2016.11.25 - sportsnavi - 羽生、4回転ループ崩れるも他を圧倒 「自信を持って明日につなげられる」

2016年11月25日(金) 23:00

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NHK杯男子SPで1人100点を超える演技で首位に立った羽生【坂本清】
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第6戦となるNHK杯が25日、北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナで開幕。男子ショートプログラム(SP)では、GPファイナル4連覇を狙う羽生結弦(ANA)が、今季初めて100点を超える103.89点で首位に立った。
 羽生は冒頭の4回転ループでややバランスを崩しかけるも立て直して着氷。4回転サルコウ−トリプルトウループの連続ジャンプはスピードに乗って2つつなげると、その後のトリプルアクセルもスムーズに成功させた。ジャンプを慎重に跳ぶ選手が多いなか、スピードが落ちない力強いスケーティングで他を寄せ付けず、2位のネイサン・チェン(米国)に15.95点差をつけてNHK杯連覇、そしてGPファイナル進出に向け好発進した。
 男子フリースケーティングは、26日の19時30分に開始予定。
 以下、演技後の羽生結弦コメント。

あと5点ぐらいは伸ばせるプログラム

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冒頭の4回転ループでバランスを崩すシーンもあったが、その後は立て直し他を圧倒した【坂本清】
 正直、もうちょっとだなという気持ちが強かったんですけど、スケートカナダから比べて成長できた部分が多々あり、また自信を持ってこのプログラムに臨むことができたので、日本ということもあり、非常にこのプログラムを楽しむことができたと思います。
 もちろん緊張はありましたけど、やるべきことをしっかりやってきたと。自信を持って6分間練習もできたと思います。
――最初の4回転ループはなんとか耐えたが?
 点数はもっと伸びしろがあるし、はっきり言って4回転ループをきれいに降りれば、5点くらいは伸びると思うので、あと5点以上のところをしっかり突き詰めてやらなければいけないなと思います。
――今年3回目のプログラムだが、成長具合は?
 昨シーズン、一昨シーズンに比べて非常にテンポが速くて、スケーティングを見せるというよりも、表現力を試されるプログラムなので、これからもっと磨いていけると思いますし、まだまだ僕自身の武器でもある“荒さ”という部分や勢いを生かせるように磨いていきたいと思います。
――フリーに向けては?
 今日できなかったところもありますが、しっかり燃焼できたので、明日は違った印象のプログラムを、違った雰囲気、スケーティングの伸びだったりを見せたいと思います。

4回転ループは最小限のミスにとどめられた

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「スケートカナダで2位になったからプレッシャーがなかった」と話した【坂本清】
――4回転ループをどうやって修正していく?
“シュッ”とやって“パッ”と降ります。そんな感じなんです。僕ってそういうもんなんです(笑)。
――プレッシャーがかかるほど力を発揮する感じだが?
 いや、スケートカナダで2位になったからプレッシャーがなかったんです。逆にプレッシャーというよりも悔しさがすごくあって、悔しさプラスふがいなさが自分の中にあったので、練習にも身が入りましたし、今日やっていて非常に良かったと思うのが、その悔しさを爆発させるという意味でも良かったですし、それ以上に演技というものを楽しめたというのが大きな収穫だと思います。
――「ループを入れるということよりもプログラムの流れを見てほしい」と言っていたが?
 たぶん4回転ループを失敗したから、みんな「はぁ」となってしまったと思うんですけど、ステップアウトで最小限にミスをとどめられたことは、流れをきちんとつくる上でよかったかなと思います。
――点数については?
 もうちょっと出せるなと思いました。1つのミスがあるのは大きなことだと思いますし、プレゼンテーションの部分をもっと磨いていけるなと思う部分もあるので、そういうところに関しては1歩ずつしかできないですけど、1歩1歩進んでいきたいと思います。

まだ勢いだけのようなスケーティング

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自身のスケーティングを「ただの勢いがある10代のスケートみたいになっている」と評価。まだまだ伸びしろを感じている【坂本清】
――NHK杯の雰囲気は?
 楽しかったです。自分が上着を抜いて「ワー」となったときはうれしかったですし、ブライアン(・オーサーコーチ)も「よかったね」と言っていました。
――衣装を紫に選んだ理由は(歌手の)プリンスをイメージして?
 もちろんそれもありますし、振り付けをしてくれたジェフリー・バトルさんと相談して、今度は紫がいいんじゃないかと。少し青くも光るんですけど、プリンスのカラーを意識して作ってもらいました。
――3試合目にしてやっと勢いに乗れた?
 やっとプログラムらしくなったなという実感はあります。ただ、このプログラムにはいろいろな意味を込められると思うし、まだ、ただの勢いがある10代のスケートみたいになっているので、勢いだけではなく、緩急だったり、歌詞の奥にあるものだったり、自分の奥にあるものだったりをジャンプ含めてやっていきたいと思います。

プログラムの緩急をジャンプで出していく

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フリースケーティングでは「もっとジャンプがたくさんあるので、しっかり決める」と気を引き締めて臨む【坂本清】
――4回転ループに足りないものは?
“シュ”が足りないんです。本当に技術的なことなので、たぶんくどく言っても分からないかなと。言ってみればタイミングですかね。“シュ”っというタイミングが足りないかなと思っています。
(ステップアウトした要因は)ループの感覚的な部分もありますけど、技術的な部分もあって……。ただ今回の収穫は表現の部分以外にも、6分間練習で1回も外していないので、自信を持って明日につなげられるなと思います。
――「クールに演じたい」と言っていたが?
 もう勢いでしたね(笑)。最後のポーズも「もっと笑えよ」と思ったんですけど、全然笑ってなかったし、今回この大会に懸ける勢いだったり、これまで我慢してきたものをバーンと爆発できたプログラムだったと思います。ただループは跳べていないので、そこは冷静に分析をしながら明日に向けてやらなければいけないと思います。
(明日のフリーは)もっとジャンプがたくさんあるので、しっかり決めて、ジャンプ1つ1つがプログラムの一部として見えるように、ジャンプが決まって「ワー」となるのは僕自身うれしいし、大事なんですけど、それ以上にプログラム自体の緩急というものがジャンプの中でも出せたらいいなと思います。ということはジャンプもしっかり決めなければいけないなとも思っています。

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