2016.11.27 - sportsnavi - 羽生、NHK杯連覇でファイナル進出 久々の300点超えに「ホッとした」

2016年11月27日(日) 01:30

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久々の300点超えでNHK杯連覇を達成した羽生結弦【坂本清】
 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第6戦となるNHK杯が26日、北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナで開催され、男子シングルでは羽生結弦(ANA)が今季最高となる合計301.47点を記録し、大会連覇を達成した。
 羽生は前日のショートプログラム(SP)に続き、フリースケーティング(FS)でも冒頭に4回転ループを持ってくる構成。SPではややバランスを崩してしまったが、この日はしっかりと着氷に成功。その後に続く4回転サルコウも余裕を持って跳んでいく。後半はコンビネーションジャンプを並べるタフなプログラムとなり、1度の転倒はあったものの、最後まで躍動感あふれる力強い滑りを見せ、FSは197.58点を記録。他を寄せ付けない強さを見せた。この結果、12月にフランス・マルセイユで行われるGPファイナル進出を決め、同大会4連覇を懸けた戦いに挑む。
 以下、演技後の羽生結弦コメント。

ループ1本で崩れてしまう可能性もあった

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冒頭の4回転ループを成功させ、「正直ホッとした」と話した羽生【坂本清】
 正直ホッとしました。もちろん点数も久方ぶりに300点を超えました。今回ミスがあったなかで300点を超えたのはスケートをやっていて楽しかったです。ループ自体も耐えて降りたなと。4回転サルコウにしても4回転トウループにしても、(3回転)アクセルにしてもまだまだ伸びしろがあると思うので、ここからまた練習していきたいと思います。(4回転ループは)公式練習でもしっかり決まっていますし、サルコウも確率が上がっている。自信をもってファイナルに臨みたいなと思います。

――去年の300点超えと今回の300点超えは何が違うのか?
 去年はただ単純にうれしかったんですけど、今回はホッとしたのが強いです。自分の中で完璧にやらなければいけないとかいろいろな思いがあったんだと思います。だからこそホッとしたのかなと。今シーズン、2つのプログラムで300点を超えた。というよりもプログラム自体を楽しめる余裕が出てきて、お客さんともコネクトできるようになってきたシーズンだと思うので、これからさらに技術面と演技面を磨いていきたいと思います。

――ここからが本当の勝負だと思う?
 もちろんそうだと思います。でもベースはできてきたかなと。スケートカナダのときはベースも何もなく、ガタガタと崩れ落ちた感じが自分の中にもあったんですけど、今回はまったく違う感覚で滑ることができましたし、日本だったからこそかもしれないですけど、お客さんのほうを向いてアピールすることができたし、コネクトできたと思っているので、今までのスケート人生の中で少し成長できたかなと思います。

――ファイナル進出が決まったが?
 よかったです。少し不安はあったんです。ループを入れているので、そのループ1本で崩れてしまう可能性もなきにしもあらずでした。しっかり練習してきたことが出せてよかったと思います。

――今の段階で自身の伸びしろはどこに感じている?
 表現面もまだまだ足りないし、スケーティングもまだまだ足りない。ステップもスピンもジャンプも足りないと思っています。このプログラムを作っていただいて、構成も考えた中で非常にトータルでプログラムになっていると思うので、もっと演技をしていきたいと思うし、呼吸とかも感じられるスケートになっていけばいいなと思います。

「悔しさ4割」「ホッとした4割」「楽しかった2割」

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今回の出来を「悔しさ4割」「ホッとした4割」「楽しかった2割」と振り返る【坂本清】
――ループで修正した点は?
 練習で決まっていたこともあって、気持ちよく本番に向かえました。ショートは難しいステップからのジャンプだったんですけど、フリーは比較的自分にとってはイージーな入り方だったので、安心して入れたのはよかったと思います。

――ループでかなり力を使ったように見えたが?
 ループが斜めになってしまっていたんですけど、自信を持って今回はできたと思うのでよかったと思います。

――全体の流れはまだできるのでは?
 まだまだできると思いますし、最初からループのために飛ばしていったので、ちょっとずつスケートを滑るようになってはいるのかなと思います。

――お客さんにアピールできるようになったのは?
 練習はしてきました。お客さんがいない中でやるのは空気感が違うので難しいんですけど、僕にとっては挑戦でした。

――スケートカナダでは「悔しさ9割」「達成感1割」と言っていたが、今回は?
「悔しさ4割」「ホッとした4割」「楽しかった2割」です。

コーチとのコミュニケーションの垣根がなくなってきた

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ブライアン・オーサーコーチとはスケートカナダのあと意見をぶつけあい「垣根のないものになった」と信頼関係を深めた【坂本清】
――ブライアン・オーサーコーチが「数週間前にターニングポイントがあって、お互いの考え方が深まった」と言っていたが?
 スケートカナダが終わったあとすぐに話し合いの場を設けて、トレイシー(・ウィルソン)コーチもいましたし、そういう中で自分のスケートに対する考え方や、今回のプログラムの考え方や、ジャンプは自分にとってどういうものなのかを話し合いました。結果、練習の質も良くなったし、コミュニケーションの壁がだいぶ垣根のないものになってきたと思います。

――本音をけっこうぶつけた?
 ブライアンもなかなか本音を言わないタイプなので、もやもやしていた部分もあったと思います。ただ、スケートカナダに関してはループの練習をたくさんしていたこともあって。そういったところも含めて、自分にとってループは演技の一部だから、それをしっかりやりたいという話をしました。練習の内容としてよくなったと思います。

――練習内容はどう変わった?
 内容というよりも、コーチとの息というか、そういうものが垣根のないものになりました。

――今季のピークはどこに持っていく?
 僕自身はピークがファイナルでもいいかなと思っています。ブライアンとも話していますけど、ピークどうこうよりもアベレージですね。自分の調子がどんなに下がっているときでも、どんなに緊張していても、どんな試合でも勝ちたいし、良い演技をしたいし、皆さんとコネクトしたいし、楽しいと思いたいので、そこをしっかり目指して練習をしていきたいと思います。

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