2018.02.16 - 平昌冬奥 Day 5 SP 新闻报导

▶2018.02.16 - 平昌冬奥 Day 5 SP 一問一答 / 图集(日媒) / 图集(外媒)

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sponichi 小海途良幹

羽生登場目前、最終グループ6人は全員が4回転2本予定
https://www.daily.co.jp/olympic/2018/02/16/0010990921.shtml
daily 2018.02.16

 「平昌五輪・フィギュアスケート男子・SP」(16日、江陵アイスアリーナ)

 日本の羽生結弦(23)=ANA、宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=が登場する最終グループが6分間練習に登場した。

 羽生は最終グループ第1滑走、宇野は第4滑走。

 最終グループの演技予定表では全員が単独の4回転ジャンプ、4回転からのコンビネーションジャンプ、3回転アクセルというジャンプの構成になっている。SPで2度の4回転ジャンプを成功させられるかどうかが、フリーに影響を与えそうだ。

 最終グループ滑走前の時点でトップはドミトリー・アリエフ(OAR)の98・98点。2位はソチ銀のパトリック・チャン(カナダ)で90・01点、3位はアダム・リッポン(米国)の87・95点。日本の田中刑事は80・05点で14位。

★★★

羽生、驚異の回復力 フリーには課題も
daily 2018.02.16
https://www.daily.co.jp/olympic/2018/02/16/0010991580.shtml

 フィギュアスケート男子で五輪連覇を目指す羽生結弦がショートプログラム(SP)で高得点を挙げて首位発進した。昨年11月に右足首を負傷し、実戦としてはほぼ4カ月ぶりのぶっつけ本番。故障の後遺症や試合勘などが心配されていたが、驚異の回復力だ。ほぼ完璧な演技で周囲の不安をひとまず振り払った。

 ▽「カミング・バック」

 羽生には何度も驚かされてきた。19歳でソチ五輪の金メダルを獲得した時。その後、4回転ループを世界で初めて成功、演技全体のレベルも高めた。世界最高得点を何度も更新し、限界はあるのだろうかと思わせた。

 その一方で172センチ、57キロの細身の体は何度も悲鳴を上げた。ジャンプの着氷の衝撃も影響するのか、いろいろな箇所を故障している。その都度、予想以上の早さで復帰して大舞台で結果を残してきた。

 ただ今回ばかりは様相が違った。右足首の靱帯(じんたい)を損傷したのはグランプリシリーズ、NHK杯の公開練習だった。腱(けん)と骨にも炎症を起こした。4回転ルッツの着氷に失敗した羽生の右足が、氷上でいびつに曲がっていた。痛々しいシーンがテレビで繰り返し流れた。残酷な映像はもう放映しないでほしい、と多くのファンが願った。

 「残酷」と感じたのは、足首の不自然な曲がり方に対してだけではない。これで羽生の五輪連覇の夢は絶たれた、と思われたからだ。五輪本番に間に合わないかもしれない。本人にもそんな焦りが生じたはずだ。

 約2カ月間も練習できない重大な事故からよみがえった。4回転ジャンプを再開してまだ2週間ほどだというのに、SPでは4回転サルコーから入り、3回転半(トリプルアクセル)、4回転-3回転の連続トーループをよどみなく決めた。高さも回転も十分で出来栄え点も稼いだ。

 SPの得点は自己の持つ世界最高得点(112・72点)に迫る111・68点。演技を終えてリンクから降りると「カミング・バック」とつぶやき、復活を宣言した。羽生の回復力に、再び驚かされる結果となった。

 ▽課題はスタミナ

 平昌入り後は、これまで以上に吹っ切れた様子を見せていた。故障の苦しみからの解放が、もともと前向きな性格をさらにポジティブにさせたのか。それとも、不安を打ち消すために、意識的に強気を装っていたのか。

 試合前の会見などでは「どの選手よりも勝ちたい気持ちが強くある」「クリーンに滑れば絶対に勝てる」「(金メダルを)僕が取ります」と、自らを鼓舞するような自信満々の言葉を発し続けた。

 SPの演技を見る限り、言葉にうそはなかった。しかし「絶対王者」の真価が問われるのはここからだ。フリーに向けてはやはり練習期間や実戦の不足からくる不安は拭えない。

 第1の課題がスタミナだ。演技時間が2分40秒(±10秒)のSPに対し、フリーは4分30秒(同)の長丁場。羽生の体は故障前よりさらにスリムになったようにも見える。ジャンプを後半にも多く組み込むプログラムに、体力が耐えることができるか。

 ▽4回転の数と成否

 4回転ジャンプの構成が第2の焦点になる。今季の羽生は、ルッツを成功させて4回転を4種類に増やしたが、故障の引き金となったこともありルッツは回避するという。残るループ、サルコー、トーループの3種類を跳ぶのか、慎重に2種類の組み合わせにとどめるのか。

 4回転は基礎点が高いだけ大きな得点源だが、失敗のリスクも大きい。SP2位のフェルナンデス(スペイン)とは4・10点差。4回転1個の成功、失敗で逆転可能な差だ。個々の技術の出来栄え点や、演技構成点でも高得点をたたき出せるだけに、その決断が焦点となる。

 66年ぶりという五輪2大会連続金メダルの偉業に向けて、楽しみが多い分、懸念要素も少なくない。羽生の類いまれな集中力にもう一度、驚いてみたい。(共同通信=荻田則夫)

★★★

「羽生がプーさんの雨を降らせた」と米報道 TVでも映り込みで話題
daily 2018.02.16
https://www.daily.co.jp/olympic/2018/02/16/0010991411.shtml

 平昌五輪のフィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)が16日、江陵アイスアリーナで行われ、昨年11月に右足首を負傷した羽生結弦(23)=ANA=が2本の4回転ジャンプを決め、111・68点をマークし首位に立った。2位はハビエル・フェルナンデス=スペイン=で107・58点、3位は宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=が104・17点で入った。

 米NBCテレビ(電子版)は「羽生が演技後にプーさんのシャワー(雨)を降らせた」と報じた。ニューヨークタイムズのスポーツコラムニストも羽生の演技を絶賛した上で「会場にいる日本のファンは歓喜!プーさんのぬいぐるみが氷の上に雨を降らせている。すごい」と驚きをもって伝えた。このツイートは同紙の公式サイトでも紹介されている。

 NBCは、1948年サンモリッツ五輪、52年オスロ五輪で連覇を成し遂げた米代表のディック・バトン氏以来の五輪連覇に注目が集まることを伝えた上で「彼の熱狂的なファンは、彼のSP演技後、プーさんのシャワーを降らせた」と報道。演技後、リンクに投げ込まれた後、回収され、リンクサイドに山積みになったプーさんのぬいぐるみの写真をアップした。

 海外メディアでは、羽生の演技後にリンクに投げ込まれる大量のくまのプーさんのぬいぐるみに注目が集まっており、平昌での記者会見でも、海外の記者から「なぜプーさんのぬいぐるみが投げ込まれるのか?」などの質問が飛んでいた。

 この日も、羽生の演技後に投げ込まれ、積み上げられたプーさんのぬいぐるみが、何度も他の選手の演技の生中継に映りこんでおり、ネット上では「プーさん」が急上昇ワードで上位にランクするなど、羽生の劇的な復活演技とともに注目を集めた。

★★★

羽生 完ぺき3A「アクセルに懸ける思いはたぶんみんなが想像できないところ」
daily 2018.02.16
https://www.daily.co.jp/olympic/2018/02/16/0010991929.shtml

 「平昌五輪・フィギュアスケート男子・SP」(16日、江陵アイスアリーナ)

 右足の負傷から3カ月を経ての復帰戦で、66年ぶりの五輪連覇を目指す羽生結弦(23)=ANA=はすべてのジャンプを成功させ、世界に衝撃を与える復活劇で、111・68点とSP首位発進を決めた。

 「アクセルに懸ける思いはたぶんみんなが想像できないところにある」-。

 以前、羽生はそう話したことがある。連覇という使命に加え、ケガ明けのぶっつけで挑むことになった重圧の掛かるSP。他の選手との格の違いを見せつけたのは、そのアクセルだった。後半の1発目のジャンプ。高く、そして飛距離のトリプルアクセルを軽やかに着氷。出来栄え点(GOE)は上限マックスの3点。ジャッジ9人全員が3点をつけるまさに完ぺきなジャンプだった。SPでトリプルアクセルは必須要素。それぞれしっかり着氷させた2位フェルナンデスのGOEは2・43点、3位の宇野は0・71点、4位の金は2・14点。どれだけ羽生のジャンプが完ぺきだったかが分かる。

 すべてのジャンプの中で唯一前向きに踏み切り、恐怖心を伴うアクセルは苦手とする選手が多い中、「何よりも僕がスケートをここまで好きになってこれたのは、アクセルのおかげだし、アクセルがなかったら僕は全日本ノービスでも優勝できなかった。こんなに自信をもってスケートをすることはできなかったかもしれない」と話すほど熱いアクセル愛を持つ羽生。パーフェクトに決めた宝刀が、完全復活を告げていた。

★★★

羽生結弦が完璧演技「ありがとう」 111・68点、4回転2本成功
daily 2018.02.16
https://www.daily.co.jp/olympic/2018/02/16/0010990974.shtml

 「平昌五輪・フィギュアスケート男子・SP」(16日、江陵アイスアリーナ)

 66年ぶりとなる五輪連覇を狙う羽生結弦(23)=ANA=は111・68点。残り5人の段階で暫定1位となった。宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=も2本の4回転ジャンプを決め104・17点だった。

 羽生は冒頭の4回転サルコーを成功。続く3回転アクセルも余裕を持って着氷した。4回転トーループ-3回転トーループも降りた。

 演技が終了する前から完璧な演技を確信したファンから歓声を浴びた。演技後は「ありがとうございました」と口を動かしたように読み取れた。

 4回転サルコーは13・21点、4回転からのコンビネーションジャンプは18・63点と高い得点を得た。技術点が63・18点、構成点は48・50点を記録した。

 演技前の6分間練習でリンクに入った段階で大きな注目を集めた。ジャンプ一つ一つを確認するごとに「フワー」という歓声が上がっていた。得点を確認すると「111」と指で表現する余裕も見せた。

 昨年11月に右足首を痛めて以来となる復帰戦だった。

★★★

羽生結弦が完全復活!111・68点でSPトップ「カミングバック」 宇野は3位
daily 2018.02.16
https://www.daily.co.jp/olympic/2018/02/16/0010991043.shtml

 「平昌五輪・フィギュアスケート男子・SP」(16日、江陵アイスアリーナ)

 右足の負傷から3カ月を経ての復帰戦で、66年ぶりの五輪連覇を目指す羽生結弦(23)=ANA=は2本の4回転ジャンプを決め、111・68点とSPトップに立った。宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=も羽生結弦(23)=ANA=に続き、4回転ジャンプ2本を着氷させ、104・17点で3位だった。

 羽生は冒頭の4回転サルコー、続く3回転アクセル、4回転トーループ-3回転トーループをすべて成功させた。演技終了後は客席に向かって「ありがとうございました」と口を動かしたように読み取れた。「アメージング」とオーサーコーチに出迎えられると「カミングバック」と応じた。

 インタビューには「自分自身も疑問に思うエレメントもなくうれしく思っています」と応じ、「でも滑走順だとか、自分のサポートメンバーだとか、応援してくれるファンの方々、本当に自分は恵まれているなと思って滑っていた」とファンやスタッフへの感謝の思いをにじませた。

 復帰戦と連覇という2つの要素で重圧がかかっていたが、「僕はオリンピック知っていますし」と一言。続けて「大きいこと言うなと言われるかもしれないですけど、僕は元オリンピックチャンピオンなんですけど、リベンジしたい。チャンピオンなのにリベンジしたいはおかしいですけど、明日に向けてリベンジしたい」と強い思いを口にした。

 宇野は冒頭に4回転フリップを成功。スピン、ステップをはさみ、4回転トーループ-3回転トーループも降りた。最後の3回転アクセルも降りた。演技終了後には右腕を振り上げガッツポーズ。満足そうな表情を浮かべた。


★★★

勝負のフリー、羽生22番滑走 最終組4番目 宇野は最終滑走
daily 2018.02.16
https://www.daily.co.jp/olympic/2018/02/16/0010991096.shtml

 「平昌五輪・フィギュアスケート、男子フリー」(17日、江陵アイスアリーナ)

 ショートプログラム(SP)を終えて、フリーへ向けた滑走順抽選が行われた。2位に4・10点差をつけて断トツの首位発進を決めた羽生結弦(23)=ANA=は最終組4番目の22番から66年ぶりの連覇を目指す。

 3位につける宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=は最終滑走の24番、2位発進のフェルナンデス(スペイン)は最終組5番目の23番となった。

 20位の田中刑事(23)=倉敷芸術科学大大学院=は第1組の5番目に決まった。

★★★

羽生の“生着替え”映るハプニングにファン歓喜 ネット上は羽生ワードが占拠
daily 2018.02.16
https://www.daily.co.jp/olympic/2018/02/16/0010991218.shtml

 平昌五輪のフィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)が16日、江陵アイスアリーナで行われ、昨年11月に右足首を負傷した羽生結弦(23)=ANA=が2本の4回転ジャンプを決め、111・68点をマークし首位に立った。2位にハビエル・フェルナンデス=スペイン=で107・58点、3位は宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=が104・17点で入った。

 羽生の“完全復活”にネット上も騒然。「羽生くん」「プーさん」「羽生」「羽生結弦」など羽生関連のワードが急上昇ランキングの上位を占拠した。この日のSPの模様はTBS系で生中継されたが、演技終了後にファンを歓喜させる“ハプニング”もあった。

 演技後の羽生、宇野のインタビューが流れた後だった。ウォームアップエリアの映像が映り、中央奥に小さく羽生の姿が。ドリンクを口にしながら後片付けモードに入っていた羽生だが、会場を後にする他国選手にぺこりと頭を下げる姿が写り、その後、白い公式ジャンパーを脱ぐと、今度は衣装の背中のチャックに手をかけ、右腕から脱ぎ始めた。右肩部分のたくましい筋肉があらわになり、今度は左肩…というところで、別の選手にあいさつし、何やら両手で×(バツ)ポーズ。TBSの映像はここで切り替わった。

 時間にして10秒ちょっとだったが、ネット上では、この羽生の“生着替え”映像に、大興奮。「いきなり生着替え始まって、右肩だけ見えたとこで中継のカメラが切り替わった。いやぁ別の意味でドキドキ…」「羽生くんのお着替えが。。!少し見れた セクシー」「一瞬出てた羽生くんのお着替えシーン」など、歓喜ツイートであふれていた。

★★★

羽生結弦、狙うはソチの「リベンジ」 転倒しながら金「4年間強くなった一つの原因」
daily 2018.02.16
https://www.daily.co.jp/olympic/2018/02/16/0010991214.shtml

 「平昌五輪・フィギュアスケート男子・SP」(16日、江陵アイスアリーナ)

 昨年11月の右足の負傷からの復帰戦で、66年ぶりの五輪連覇を狙う羽生結弦(23)=ANA=が4回転ジャンプ2本を成功させるなど完璧な演技を見せ、111・68点でトップに立った。演技後は「僕は今、元オリンピックチャンピオンなんですけど、リベンジしたい」と発言。そこには金メダルを獲得しながら不本意な演技に終わったソチ五輪のフリーが頭にあった。

 SPトップで臨んだソチ五輪のフリーでは演技冒頭の4回転サルコーで転倒。続く4回転トーループはきれいに降りたものの、3回転フリップも決められず「終わった瞬間はダメだろうなと思いました」と敗戦を覚悟するほどだった。

 演技後、出迎えたオーサーコーチに「カミングバック」と応じた羽生だが、当然、まだ大会は終わりではない。「僕は元、今は元って言えばいいのかな。オリンピックチャンピオンなんですけど」と自分の立場を表現した後「リベンジしたい」と宣言した。「オリンピックチャンピオンって言った後にリベンジしたいって言うのはおかしいですけど。フリーのミスがここまで4年間強くなった一つの原因だと思っているので、また明日に向けてリベンジしたいという気持ちが強いです」とフリーで会心の滑りを見せた上での連覇に照準を合わせた。

★★★

66年前連覇のバトン氏も羽生を絶賛「この上ないトリプルアクセル」「美しい」
daily 2018.02.16
https://www.daily.co.jp/olympic/2018/02/16/0010991245.shtml

 「平昌五輪・フィギュアスケート男子・SP」(16日、江陵アイスアリーナ)

 圧巻の演技でトップに立った日本の羽生結弦(23)=ANA=に伝説のスケーターも絶賛した。48年サンモリッツ大会、52年オスロ大会でフィギュア男子の連覇を達成したディック・バトン氏が自身のツイッターで「美しいプログラム、美しい振り付けだった」と振り返った。

 羽生はバトン氏以来の連覇を目指している。伝説のスケーターらしく、ジャンプのように目立つ面だけではなく「選曲が素晴らしい。イン、アウトのエッジ使いも美しい」と演技全体を見渡して評価をした。「4回転より軽視されるものの美しいスピン」と、ジャンプ以外の要素も挙げ、「この上ないトリプルアクセル」、「音楽がスケートを支え、スケートが音楽を支えている」と技術面や音楽と滑りの調和など、さまざまな角度から絶賛した。

 最後に「まるでテディーベアの雨が降り注いだ」と、演技終了後にディズニーキャラクターで羽生が好きな「くまのプーさん」がファンから投じられたことを表現していた。レジェンドも羽生が好きなグッズということまでは知らなかったようだ。

★★★

羽生結弦の復活劇に“くまのプーさんの雨”
daily 2018.02.16
https://www.daily.co.jp/olympic/2018/02/16/0010991386.shtml

 「平昌五輪・フィギュアスケート男子・SP」(16日、江陵アイスアリーナ)

 圧巻の演技を見せた羽生結弦(23)=ANA=に「くまのプーさん」の雨が降り注いだ。

 従来、落ち着くからという理由で試合会場にはディズニーキャラクター「くまのプーさん」のティッシュカバーを持ち込んでいた。今回は意匠に厳しいIOCに配慮したのか、ケーキを模したティッシュケースを用いている。

 演技を終え、四方のファンへ深々と頭を下げる羽生へ向けて、スタンドからはプーさんのグッズが多数投げ込まれた。こうした事情をよく知っているファンからのはからいと思われる。投げ込まれたプーさんグッズはスタッフのスケーターが次々と回収していった。

 66年前のオスロ大会で連覇を果たしている伝説のスケーター、ディック・バトン氏はツイッターで「テディーベアの雨が降るようだ」とこの模様を表現していたが、さしものレジェンドも羽生の好みまでは把握していなかったようだ。

★★★

羽生復活に各界から絶賛 信成は号泣絵文字、宮根は「開いた口ふさがらない」 海外も報道
daily 2018.02.16
https://www.daily.co.jp/olympic/2018/02/16/0010991495.shtml

 「平昌五輪・フィギュアスケート男子・SP」(16日、江陵アイスアリーナ)

 圧巻の演技で首位発進の羽生結弦(23)=ANA=にフィギュア界のみならず、角界から絶賛の声が上がった。66年前のオスロ大会で金メダルを獲得し“最後の連覇”選手となっているディック・バトン氏は「美しいプログラム、美しい振り付けだった」と絶賛した。

 ツイッター上で各選手の解説を続けていた元世界女王の安藤美姫は「最初、静かに始まりその余韻に浸りつつ繰り出された美しいジャンプ 表現されたスピン。そして最後にかけてピアノの繊細で力強い旋律に乗せたステップ」と、演技全体を見渡した上で演技を絶賛。「しいていうならサルコウ(最初のジャンプ)はもっと流れるジャンプを持っている羽生選手。でもこれはご愛敬」と伸び代も挙げた。

 キャラクターを生かしたのが織田信成。現役中から号泣キャラクターが定着しているが、4つ続けて涙を流している“号泣絵文字”を並べて、感動を表現した。

 TBS系での中継では解説の鈴木明子が「幸せでした。立ち会うことができて…」と感激の様子で瞳を潤ませ、進行役の中居正広は驚嘆の表情で、「羽生選手の生ドキュメントを見ているような、こんなドラマチックなことあるのかな」と感嘆していた。演技後にニュースとして報じた読売テレビ・日本テレビ系列「情報ライブ ミヤネ屋」ではキャスターの宮根誠司が「本当に大けがをして、リンクに上がれなかった人とは思えないぐらい。あいた口がふさがらない。すごすぎて」とため息まじりに語った。

 海外でも羽生を称賛する記事が多く伝えられた。ニューヨークタイムス電子版は「ユズル・ハニュウが輝く」。ガーディアン電子版は「みんなに僕が帰ってきたと見せたかった。ただいま」という羽生のコメントとともに、「滝のような『くまのプーさん』中に羽生結弦は立っていた。銀盤の中央に。彼はいた。SP五輪記録を称える声援に深々と頭を下げていた」と王者の帰還を表現していた。

★★★

羽生SP首位!4カ月ぶり実戦復帰 ジャンプすべて成功 完ぺき演技で111・68点 五輪連覇へ好発進
2018年2月16日 13:48
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2018/02/16/kiji/20180216s00079000167000c.html

 平昌五輪は16日、フィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)が江陵アイスアリーナで行われ、昨年11月のNHK杯の公式練習中に右足首を負傷した羽生結弦(23=ANA)が同10月のロシア杯以来約4カ月ぶりに実戦復帰した。すべてのジャンプを完ぺきに決め、世界最高得点でもある自己ベスト112・72点に迫る111・68点をマークし首位。五輪男子66年ぶりの2連覇へ向け、好発進した。2位にハビエル・フェルナンデス(26=スペイン)が107・58点、3位に宇野昌磨(20=トヨタ自動車)が104・17点で入った。

 羽生は最終第5組1番手の25番滑走。しっとりと滑り出し、冒頭で4回転サルコーに成功。予定していたループから難度を下げた。フライングキャメルスピンは足換えのシットスピンはスピード豊か。ジャンプの基礎点が1・1倍になる後半に、まずトリプルアクセルを余裕を持って決め、4回転と3回転の連続トーループは2本目で両手を掲げる完成度の高さ。流麗なステップシークエンスは音符のひとつひとつを表現するよう。足換えのコンビネーションスピンの途中から大きな拍手が沸いた。

 前日15日には精力的に計19本もジャンプを跳び、4回転ジャンプは計10本のうち8本着氷する高い成功率を示した。さらに、韓国入り後4度目の公式練習で大技の4回転ループにも初成功。右足首の回復をアピールした。

 この日は午前8時35分から本番リンクで公式練習。4回転サルコーの回転が抜けるミスが目立ったが、最後は修正。30分割り振られた練習を22分で終えた。

★★★

羽生結弦「カミンバック!」ノーミス演技で111・68点
2018年2月16日13時58分 スポーツ報知
http://www.hochi.co.jp/sports/winter/20180216-OHT1T50083.html

 ◆平昌五輪第8日 フィギュアスケート男子SP(16日、江陵アイスアリーナ)

 66年ぶり五輪連覇を目指す羽生結弦(23)=ANA=が、最終第5組のトップ(全体25番目)で登場し、自己ベストに迫る111・68点で5人を残して暫定首位に躍り出た。

 昨年11月に右足首を負傷した羽生は、昨年10月のロシア杯以来4か月ぶりの実戦。製氷後の6分間練習で登場し紹介されると場内に大歓声。4―3回転ジャンプを披露した。

 ぶっつけ本番の大舞台で、2季ぶり3度目となるショパンの「バラード第1番」を演じ、4回転ジャンプを2本入れる演技構成で挑んだ。

 冒頭の4回転ジャンプはループからサルコーに変えて着氷。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も余裕を持って降りた。

  基礎点が1・1倍になる後半演技には4―3回転の2連続トウループジャンプもともに決め、ほぼノーミスで演技を終えた。

 リンクから戻るとオーサー・コーチと抱き合って歓喜。コーチから「アメージング!」と言われると「カミンバック!」とこたえた。

 演技後、インタビューに「不満な点もなく非常にうれしい。自分は恵まれているなと思いながら滑りました」と振り返った羽生。リーは「努力した結果として出したい」と語った。

 100点超えは8度目で、昨年9月のオータム・クラシックで自身7度目の世界最高得点をマークした自己ベストの112・72点以来。金メダルを獲得したソチ五輪では、SPで世界最高得点(101・45点)で首位発進し、フリーも1位(178・64点)の合計280・09点で完全優勝を果たした。

★★★

羽生のSPにアスリートら50人が熱視線 111・68点に歓声、復活を喜び合う
2018年2月16日 14:03
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2018/02/16/kiji/20180216s00079000186000c.html

 東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンター1階エントランスにある大型テレビ前には施設関係者や他競技の選手ら約50人以上が集まり、羽生の演技を見守った。

 羽生の滑走順が近付くといつの間にか人垣ができ、最初の4回転サルコーが決まると大きな拍手。後半のトリプルアクセルには「たか〜い」との声も。111・68点の得点が表示されると「お〜〜〜!」と歓声が上がり、エースの復活を喜び合った。

★★★

羽生結弦、連覇に向け復活のSP首位、宇野昌磨は3位
2018年2月16日14時35分 スポーツ報知
http://www.hochi.co.jp/sports/winter/20180216-OHT1T50115.html

 ◆平昌五輪第8日 フィギュアスケート男子SP(16日、江陵アイスアリーナ)

 男子ショートプログラム(SP)が行われ、右足首負傷から4か月ぶり実戦となった羽生結弦(23)=ANA=が、自己ベストに迫る111・68点をマークし、66年ぶり五輪連覇に向けて首位発進した。

 2位は16年世界選手権2連覇のハビエル・フェルナンデス(26)=スペイン=が107・58点、宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=が104・17点で3位につけた。田中刑事(23)=倉敷芸術科学大大学院=は80・05点で20位と大きく出遅れた。

 昨年11月に右足首を負傷した羽生は、昨年10月のロシア杯以来4か月ぶりの実戦。完全復活を決めるほぼノーミスで演技を終えると、両腕を大きく広げたフィニッシュの右腕をシュッと振ってドヤ顔を見せつけた。リンクを降り、オーサー・コーチから「アメージング!」とたたえられると「カミンバック!」と最高の笑顔を見せた。

 ぶっつけ本番の大舞台で、2季ぶり3度目となるショパンの「バラード第1番」を演じ、4回転ジャンプを2本入れる演技構成で挑んだ。冒頭の4回転ジャンプは当初ループからサルコーに変更し、ズバリと着氷。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)もきれいに降り、基礎点が1・1倍になる後半演技の4―3回転の2連続トウループジャンプも決めた。

 SPの100点超えは8度目。昨年9月のオータム・クラシックで自身7度目の世界最高得点をマークした自己ベストの112・72点に迫る会心演技を見せた。4か月のブランクをまるで感じさせなかった。

 金メダルを獲得したソチ五輪では、SPで世界最高得点(101・45点)で首位発進し、フリーも1位(178・64点)の合計280・09点で完全優勝を果たした。

★★★

羽生SP首位、右足不安一掃!宇野3位、田中20位
nikkan 2018年2月16日14時36分
https://www.nikkansports.com/olympic/pyeongchang2018/figureskate/news/201802160000141.html

<ピョンチャン五輪:フィギュアスケート>◇16日◇男子ショートプログラム(SP)

 男子で66年ぶり五輪連覇を目指す羽生結弦(23=ANA)はSP111・68点で首位、昨季世界選手権2位の宇野昌磨(20=トヨタ自動車)は同104・17点で3位に入った。

 初出場の田中刑事(23=倉敷芸術科学大大学院)は、同80・05点で20位だった。

 羽生は冒頭に予定していた4回転ループから4回転サルコーに変更。高いジャンプから華麗に着氷。曲調にあわせ全身を使いステップ。トリプルアクセルも難なく着氷。4回転トーループ-3回転トーループのコンビネーションも着氷を決めた。昨年11月に痛めた右足首の不安を一蹴した。演技後は納得の表情を浮かべた。リンクにはたくさんのプーさんのぬいぐるみが投げ込まれた。

 宇野は冒頭の4回転フリップをうまく着氷すると、終盤の4回転トーループ-3回転トーループも着氷。トリプルアクセルは少しバランス崩したがこらえ着氷。ダイナミックな演技で観客を魅了した。演技後は笑顔でガッツポーズを見せた。

 田中は冒頭の4回転サルコーで着氷時にエッジが滑り転倒。続く3回転のコンビネーションはうまく着氷。終盤のトリプルアクセルも着氷した。演技後は少し悔しそうな表情を浮かべた。

 元世界王者のハビエル・フェルナンデス(26=スペイン)は3つのジャンプを全て決め同107・58点で2位に入った。 ドミトリー・アリエフ(18=OAR)が冒頭の4回転ルッツ-3回転トーループで流れに乗るとその後のジャンプでもミスなく演技を行い自己ベストの同98・98点で5位に入った。

 昨年12月のGPファイナルを制したネーサン・チェン(18=米国)は冒頭の4回転で転倒。その後の2つのジャンプでもミスとなり同82・27点で17位発進となった。

 2年連続世界選手権3位の金博洋(20=中国)は、冒頭の4回転ルッツ-3回転トーループは高いジャンプから難なく着氷。続く4回転トーループも着氷。トリプルアクセルも決め同103・32点で4位、ソチ五輪銀のパトリック・チャン(27=カナダ)は同90・01点で6位につけた。

★★★

羽生結弦、完璧な復活劇 男子SPで111.68点首位
asahi 2018年2月16日14時40分
https://www.asahi.com/articles/ASL2J2V96L2JUTQP00C.html?iref=pc_extlink

平昌冬季五輪は16日、フィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)で66年ぶりの五輪連覇を目指す羽生結弦(ANA)が自身の持つ世界最高記録(112・72点)に迫る111・68点を出して、首位に立った。元世界王者のハビエル・フェルナンデス(スペイン)は4回転2本を成功させ、107・58点で2位につけた。全日本選手権を連覇している宇野昌磨(トヨタ自動車)は104・17点の高得点をマークし、3位につけた。

羽生は「スケートを滑る幸せな感じ、久しぶりに味わいました。とにかくやることはやった。得点とかではなく、できることはやった」と話した。

 最終第5グループの1番目に登場した羽生は冒頭で4回転ループの予定を4回転サルコーに変更して13・21点を稼ぎ、演技後半のトリプルアクセル(3回転半)で12・35点、4回転トーループ―3回転トーループの2連続ジャンプで18・63点を加点し、技術点は63・18点をマーク。演技構成点は5要素全て9点台で48・50点だった。

 宇野は4番目に登場し、冒頭の4回転フリップ、4回転トーループ―3回転トーループを着氷するなど、ジャンプをすべて成功させた。

 金博洋(中)は最終滑走で103・32点を出し4位。ロシアから個人資格で参加しているドミトリー・アリエフが冒頭で4回転ルッツ―3回転トーループの2連続ジャンプを成功させて19・47点を出すなど、98・98点で5位。前回ソチ大会銀メダルのパトリック・チャン(カナダ)は苦手のトリプルアクセル(3回転半)で転倒し90・01点で6位。ミハイル・コリャダ(ロシアから来た五輪選手)は4回転ジャンプにミスがあり86・69点で8位だった。

 羽生の直後に滑ったネーサン・チェン(米)はすべてのジャンプで失敗し82・27点で17位に落ち込んだ。田中刑事(倉敷芸術科学大大学院)は冒頭の4回転サルコーで転倒し、80・05点で20位だった。

★★★

羽生SP首位発進「楽しくて幸せだった とにかく満足」完ぺき演技「何年も付き合ってくれたジャンプ」
2018年2月16日 14:45
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2018/02/16/kiji/20180216s00079000216000c.html

 平昌五輪は16日、フィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)が江陵アイスアリーナで行われ、昨年11月のNHK杯の公式練習中に右足首を負傷した羽生結弦(23=ANA)が同10月のロシア杯以来約4カ月ぶりの実戦復帰した。負傷を影響を感じさせず、完ぺきな演技を披露。自己の持つ世界歴代最高112・72点に迫る111・68点をマークして1位。五輪男子66年ぶりの2連覇へ向け、最高のスタートを切った。フリーは17日午前10時から行われる。

 ▼羽生(ミックスゾーンで)滑れることが楽しくて幸せだった。とにかく満足。あとは、まだ明日があるって気持ちが6割近くを占めている。せっかく早く試合終わっているので、調整したい。得点は特に何も思っていない。やれることはやった。きょうのコンディションの中で、できることはやった。サルコーもトーループもアクセルも、何年も付き合ってくれたジャンプ。久々に皆さんの声援を受けて、帰ってきたんだと思った。この曲を感じながら、自分の解釈、皆さんの解釈に触れられるものをと思ってやった。明日は明日、やるべきことをやる。

★★★

羽生結弦「五輪知ってるしチャンピオンなんで」
2018年02月16日 14時49分
http://www.yomiuri.co.jp/sports/Yuzuru-Hanyu/news/20180216-OYT1T50055.html

 フィギュアスケート男子のショートプログラム(SP)で、自己ベスト(112・72点)に迫る111・68点で首位に立った羽生結弦(ANA)は「特に不満な点もなく、自分自身も疑問に思うエレメンツ(要素)も何もなくできたので、非常にうれしく思ってます」と満足そうな表情を浮かべた。

 3か月前に右足首靱帯損傷の大けがを負い、復帰戦が五輪本番となった中で、完璧な演技を披露できた要因について、「僕はオリンピックを知ってますし、おっきいことを言うなって言われるかもしれないですけど、やっぱり僕は元(前)オリンピックチャンピオンなんで」と王者の誇りをのぞかせた。

 この種目66年ぶりの連覇がかかる17日のフリーに向けて「自分にとっては(ソチ五輪の)フリーのミスが、ここまで4年間頑張って強くなった一つの原因だと思っている。(ケガで)2か月間滑れなかった中でも、とにかく努力をし続けた。その努力をしっかり結果として出したい」と意気込んだ。

★★★

羽生「カミンバック」と復活宣言!フリーへ「リベンジしたい気持ちが強い」
2018年2月16日 14:54
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2018/02/16/kiji/20180216s00079000219000c.html

 昨年11月に負傷して以来の復帰戦で、自己の持つ世界歴代最高112・72点に迫る111・68点をマークして首位となった羽生結弦(23=ANA)は、演技後オーサー・コーチから「アメージング」と迎えられると「カミンバック」と自ら復活を宣言した。

 冒頭の4回転サルコーをきっちり決めると、最後まで羽生らしい演技を披露した。演技後のインタビューでは「特に不満な点もなく、自分自身でも疑問に思うエレメンツも何もなくできたので非常にうれしく思う」と語った。

 復帰戦での首位発進となったが「僕はオリンピックを知っていますし、大きいことを言うなと言われるかもしれないけど、いまは“元”オリンピックチャンピオンなので、リベンジしたい」と意気込んだ。その後、「オリンピックチャンピオンと言ってリベンジというのはおかしいかもしれませんが、自分にとっては(ソチ五輪の)フリーのミスがここまで4年間頑張って強くなった一つの原因だと思っているので、明日に向けてリベンジしたい気持ちが強い」と説明した。

 羽生は前回のソチ五輪では金メダルに輝いたものの、SPで101.45点をマークし首位発進。しかしフリーではミスが出て178.64点にとどまった「リベンジ」を誓い、ケガを克服。五輪の氷上に戻ってきた。

 冒頭のジャンプを4回転ループではなくサルコーにしたことは「ここに来る前もサルコーで練習してきた。いろいろと調整が間に合わなかった部分もあった」と明かしたが「実際点数には満足しているのでサルコーにしてよかった」と満足そうな表情を見せた。

 17日のフリーに向けては「とにかくやるべきことをやってきた。2カ月間滑れなかった間も、とにかく努力し続けてきました。その結果をしっかり出したい」と誓った。

★★★

17日フリー滑走順 羽生22番!宇野最終24番 フェルナンデス23番
2018年2月16日 15:00
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2018/02/16/kiji/20180216s00079000224000c.html

 平昌五輪は16日、フィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)が江陵アイスアリーナで行われ、昨年11月のNHK杯の公式練習中に右足首を負傷した羽生結弦(23=ANA)が同10月のロシア杯以来約4カ月ぶりの実戦復帰した。負傷を影響を感じさせず、完ぺきな演技を披露。自己の持つ世界歴代最高112・72点に迫る111・68点をマークして1位。五輪男子66年ぶりの2連覇へ向け、最高のスタートを切った。フリーは17日午前10時から行われるが、羽生の滑走順は最後から3番目の22番に決まった。

 自己ベスト104・87点に迫る104・17点でSP3位の宇野昌磨(20=トヨタ自動車)は最終24番。107・58点で2位につけた元世界王者のハビエル・フェルナンデス(スペイン=26)は23番。

 羽生はフリーの演技後、フェルナンデス、宇野の結果を待つことになる。2人にプレッシャーをかけたいところだ。

★★★

氷上での振る舞いに王者の風格…ソチ五輪担当記者が見た羽生の進化
2018年2月16日15時31分 スポーツ報知
http://www.hochi.co.jp/sports/winter/20180216-OHT1T50125.html

 66年ぶり五輪連覇を狙う羽生結弦(23)=ANA=が冒頭の4回転サルコーなどを完璧に決め、自己ベストに迫る111・68点で首位に立った。4年前のソチ五輪での金メダルを現場で取材した記者として、今回のSPには羽生の進化がハッキリと見て取れた。

 第一にハイレベルを極めた演技構成。ソチのSPは冒頭で4回転トウループを跳び、得点が1・1倍になる後半にトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)と3回転ルッツ+3回転トウループを跳ぶ内容だった。今回は予定していた4回転ループを回避したものの、冒頭で4回転サルコーを成功。さらに後半にも4回転トウループ+3回転トウループを跳び、2分50秒のSPで大技の4回転を2本も鮮やかに決めてみせた。昨年11月に右足首を負傷し、2か月間氷に乗れない日々を過ごした羽生。故障の影響を感じさせなかったことはもちろんだが、種類の違う4回転を軽々と跳んだ姿に4年間の努力と進化を感じさせた。

 そして、氷上での振る舞いには王者の風格が漂っていた。ソチ五輪シーズンもグランプリ(GP)ファイナルを初制覇するなど金メダル候補として名前は挙がっていたが、19歳で迎えた初めての五輪。羽生が尊敬するエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)や日本代表の先輩である高橋大輔もおり、羽生はまだまだ若き挑戦者といった雰囲気が漂っていた。

 しかし今回は違う。ソチ五輪後は世界選手権を2度制し(2014年、17年大会)、GPファイナルはソチ五輪シーズンから4連覇。何度も世界の頂点を見た王者としての余裕、プライド、自信が表情から指先の動き、演技後のインタビューでの一言一言ににじみ出ていた。

 平昌で故障からの復活劇を見せた羽生。2011年3月11日、地元仙台での練習中に東日本大震災で被災。スケート靴のまま、泣きながらはって外に逃げた。自宅は半壊し、家族で避難所暮らしも体験した。地元のリンクが壊れたため、全国のスケートリンクを転々としながら練習を続けたこともあった。ドラマチックな生き様を運命づけられたかのような23歳。また新たな伝説を氷に刻むことは間違いない。(記者コラム・飯塚 久美子)

★★★

66年前に五輪連覇のバットン氏 羽生を絶賛「信じられないくらい」
2018年2月16日 15:40
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2018/02/16/kiji/20180216s00079000247000c.html

 平昌五輪は16日、フィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)が江陵アイスアリーナで行われ、昨年11月のNHK杯の公式練習中に右足首を負傷した羽生結弦(23=ANA)が同10月のロシア杯以来約4カ月ぶりの実戦復帰した。負傷を影響を感じさせず、完ぺきな演技を披露。自己の持つ世界歴代最高112・72点に迫る111・68点をマークして首位。五輪男子66年ぶりの2連覇へ向け、最高のスタートを切った。66年前の王者リチャード・バットン氏(88)がツイッターで羽生を絶賛した。

 バットン氏は米ニュージャージー州出身。1948年サンモリッツ五輪、52年オスロ五輪と連覇を成し遂げた。

 この日は、羽生について「エッジの使い方がとても素晴らしい。4回転だけではなく、トリプルアクセルも信じられないくらい素晴らしさ。音楽が彼のスケートを支え、スケートが音楽を支えている。ビューティフルなプログラムで、ビューティフルな振付」などと称えた。

★★★

羽生結弦の生着替え映り込みファン騒然「鼻血出る」
nikkan 2018年2月16日16時37分
https://www.nikkansports.com/olympic/pyeongchang2018/figureskate/news/201802160000536.html

 羽生結弦(23=ANA)が16日、平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)フィギュアスケート男子ショートプログラムで圧巻の演技を披露してファンを感動させたが、ネット上ではテレビ中継に映り込んだ“生着替え”シーンが話題になった。

 昨年11月にNHK杯の公式練習で右足首を痛めてから3カ月、最後の試合となったロシア杯から4カ月。ぶっつけ本番での五輪となったが、自己ベストに迫る111・68点で首位に立った羽生。演技後のインタビューでは17日のフリーに向けて「自分にとってはフリーのミスがここまで4年間強くなった1つの原因なので、また明日に向けてリベンジしたいなという気持ちが強いです」と決意を語った。

 テレビ中継ではその後、ウオームアップエリアに戻った羽生の姿を映し出していたが、羽生が着替え始めるとカメラが切り替わった。

 しかし上着を脱ぐ羽生の姿がわずかに映り込み、ファンは大興奮。ネット上では「羽生くんの生着替えがちょっと映ったの見て鼻血でそうでした」「羽生きゅんの生着替え最高!午後から頑張れる!」「羽生くんの着替えシーンなんて神聖すぎて見れない…!放送していいの…!?って思ってたらカメラ切り替わったからほっとしたと同時に残念に思いました…」といった声が相次いだ。

★★★

【フィギュア男子SP解説】横谷花絵の目…天才・羽生結弦の復活に脱帽
2018年02月16日 17時30分
https://www.yomiuri.co.jp/olympic/2018/feature/20180216-OYT8T50045.html?from=tw


 天才・羽生結弦――。それ以外に、言葉が見当たらない。

 まず、冒頭の4回転サルコー。驚くほど見事だった直前練習でのジャンプにも増して、鮮やかに決めた。トリプルアクセル、4回転トウループ―3回転トウループの連続ジャンプ。さらにはスピンやステップ、気品の漂う身のこなし。すべての演技が、故障明けの「ぶっつけ本番」でオリンピックに臨んだ選手とは、とても思えない出来栄えだった。

 羽生のジャンプは、空中姿勢の美しさや回転速度だけでなく、踏み切りの質の高さ、着氷後に次の演技につなぐ流れの作り方が素晴らしい。だから、出来栄え点が非常に高くなる。羽生よりも難度の高いジャンプを含むプログラムに挑み、転ばずにこなした宇野昌磨を上回る得点を得られるのは、そのためだ。

 右足首に大ケガをしてから年明けまで、約2か月間も氷に乗れなかったという。スケート選手は、3日間氷に乗らなかっただけでも、感覚が狂うものだ。久々に試合の緊張感の中で、曲に合わせて滑った時に、故障前と遜色ないレベルの演技を見られようとは、思わなかった。並はずれた選手であることは、よく分かっていたつもりだったが……。

 「僕はオリンピックを知っていますし、元オリンピック・チャンピオンなので」

 そんな言葉を、終了後のインタビューで言われたら、脱帽するしかない。

 演技の質や実戦感覚に何の問題もない以上、17日のフリーでの焦点は、体力面に尽きるだろう。SPは約2分40秒間で演技が終わるが、フリーは約4分半と長い。跳ぶジャンプの数も違う。それさえ乗り切れば、フィギュア男子では66年ぶりとなるオリンピック連覇への道筋は、すでについている。

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解説者プロフィル
 横谷花絵(よこや・はなえ)1978年3月25日、東京都生まれ。95年全日本選手権優勝。世界選手権出場3回。引退後はプロスケーターを経て、インストラクターに転身した。現在は明治神宮外苑アイススケート場で指導する。

★★★

羽生結弦「明日に向けてリベンジ」苦難原動力に復活
nikkan 2018年2月16日17時44分
https://www.nikkansports.com/olympic/pyeongchang2018/figureskate/news/201802160000501.html

<ピョンチャン五輪:フィギュアスケート>◇16日◇男子ショートプログラム(SP)

 66年ぶりの2連覇を狙う羽生結弦(23=ANA)が完璧な演技で首位発進を決めた。

 冒頭の4回転サルコーからフィニッシュまで、流れある滑りで会場を沸かせた。得点は111・68点で、自身が昨年9月のオータム・クラシックで記録した112・72点の世界歴代最高点に迫った。

 「特に不満な点もなく、自分自身も疑問に思うエレメンツもなにもなくできたので非常にうれしく思っていますし、そうですね、滑走順だとか、また自分のサポートメンバーだとか、また応援してくださっている日本の方々含めて、世界中の方々、本当に自分は恵まれているなと思いながら今日滑ることできたので、また明日に向けてやりたいと思います」

 汗を流しながら、感謝の言葉を口にした。

 演技前の構成予定表では最初は4回転ループと表記されていたが、サルコーを跳んだ。「ここ(韓国)にくる前にサルコーでずっと練習していたので、まあ、ちょっと、いろいろ調整が間に合わなかった部分があったのかなと思います」と明かした。

 その後はショパンのバラード第1番のピアノの調べに乗り、2本目のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)では満点の3点の加点を引き出すと、旋律の力強さが増す後半へ。4回転トーループと3回転トーループの連続ジャンプも2・57点の加点を得て、万雷の拍手とともにフィニッシュポーズを決めた。

 昨年11月にNHK杯の公式練習で右足首を痛めてから3カ月、最後の試合となったロシア杯から4カ月。ぶっつけ本番での五輪となったが、準備は万全だった。11日に現地入りし、12日は軽めに練習。13日からはSP当日のスケジュールに合わせ午前5時前に起床。3食の食事も数時間早めて摂取した。ちょうど1年前に同会場で行われた17年4大陸選手権の映像や記憶をたどり、イメージトレーニングもばっちり。けが明けとは思えないほど体が動き、練習の合間にひなたぼっこするほど気持ちに余裕があった。

 前日の調整では、4回転を10本中8本成功するなど、絶好調だった。この日のSPに向けて「大好きな1番滑走を楽しみたい。このプログラムも3年目ですし、全然違う内容だけれでも、大好きな曲で滑ることができるので、その楽しさ、または自分が勝ちたいという気持ちも含めて、全部出したい」と高揚する気持ちを素直に語った。

 グループの1番滑走は、世界で初めて100点超えを達成した14年ソチ五輪SPと同じ。さらに当時の世界最高点を更新した15年グランプリ(GP)ファイナルも最終組1番滑走だった。「大好き」と語る曲は、3シーズン目の使用となるショパンの「バラード第1番」。「そのときその時の自分を表現できる」というプログラムに、今、ここで滑れる喜びをのせた。

 向かうのは明日17日のフリー。意気込みを問われると、「自分にとってはフリーのミスがここまで4年間強くなった1つの原因なので、また明日に向けてリベンジしたいなという気持ちが強いです」と決意を語った。4年前のソチ五輪フリーでは金メダルを獲得したが、フリーではジャンプなどミスが目立ち、悔しさもあった。その気持ちをこの日までの苦難を越える原動力にしてきた。

 「とにかくやるべきことはやってきましたし、2カ月間滑れなかった間もとにかく努力をし続けました。その努力をしっかり結果に残したい」。

 いよいよ2連覇が見えてきた。【高場泉穂】

★★★

ただただ勝負強く=羽生、非の打ち所なし
2018/02/16-18:02
https://www.jiji.com/jc/pyeongchang2018?s=news&k=2018021600965

 ピアノの重低音が一つゴーンと鳴った。首を軽く回して滑りだした羽生の脳裏にリンクへ戻れた喜びがかすめ、顔がきりっと締まった。スイッチは入った。右足首負傷から3カ月。ぶっつけで臨んだ五輪のSPは非の打ち所がなかった。「大きなことを言うなと言われるかもしれないが、僕は五輪を知っている」。ただただ勝負強かった。

 冒頭の4回転サルコーは柔らかい着氷で両足の爪先を大きく開くイーグルへつなげ、トリプルアクセル(3回転半)は完璧。4回転からの連続トーループで3回転を降りるともう、歓声でショパンのバラード第1番がかき消された。数週間しか練習できなかったが「何年間も付き合ってくれたジャンプだから」。体が反応してくれた。

 右足首の影響を考えて練習でジャンプの本数を抑えており、サルコーが実は不安だった。頭はフルに働かせていた。「練習できない時に論文などで調整法を勉強してきた。それが出せた」と胸を張る。解剖学に加え練習法や計画など文献をあさり、独学で方法論を確立した自負があった。オーサー・コーチも「これは運ではない」と言う。

 負傷の後に氷上練習を再開するまで2カ月かかり、そこから五輪まで1カ月しかなかった。一般的に休んだ期間の3倍の日数が復帰までにかかると言われ、そうなると数字上は合わない。ジャンプのイメージトレーニングに特に重点を置き、失った時間を補った。オーサー・コーチは「氷に戻ってきたときには全てが一つになっていた。いい滑りをするだろうと思ったよ」と振り返った。

 4回転はサルコーとトーループ。フリーの構成は明かさなかったが、負傷の原因となったルッツは回避し、ループも現地入り後はあまり跳んでいない。技術の面で後戻りしているような思いもあっただろう。それでも自身の持つ世界歴代最高に1.04点と迫るハイスコア。最後のスピンで取りこぼさなければ、超えた可能性もあった。

 金メダルに輝いた4年前のソチ五輪フリーでミスを重ねた自分への悔いは、まだ残っている。フリーは「リベンジしたい」と言った。66年ぶりの連覇へ。追ってくるフェルナンデス、宇野、金博洋への意識を消し、自身の心とだけせめぎ合う。(時事)

★★★

羽生結弦「4回転ジャンプ?あしたの調子次第」
2018年02月16日 19時11分
http://www.yomiuri.co.jp/sports/Yuzuru-Hanyu/news/20180216-OYT1T50072.html

 平昌五輪第8日の16日に行われたフィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)で1~3位の選手が記者会見を行った。

 17日のフリーの勝負のカギを握る4回転ジャンプについて、何本跳ぶかと尋ねられると、1位の羽生結弦(ANA)は「あしたの調子次第で構成を決めたい」とするにとどめたが、3位の宇野昌磨(トヨタ自動車)は「4回跳ぶ予定」と明言。「僕は、(上位2選手に比べて)ジャンプの質とプログラムの完成度が足りていない。(ジャンプの)種類を増やすことも大事」と語った。

 2位のハビエル・フェルナンデス(スペイン)は「3回、予定通り跳ぶ。シーズン最初から変えていない」とした。

★★★

強い羽生復活 気持ちも演技も「会心」
連覇へSP首位
2018/2/16 19:35
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27015080W8A210C1UU1000/

平昌五輪のフィギュアスケートは16日、30選手による男子ショートプログラム(SP)が行われ、同種目66年ぶりの2連覇を目指す羽生結弦(ANA)が111.68点でトップに立った。

 約4カ月ぶりに名前がコールされる。リンク中央で演技前のポーズをとったとき、羽生の眼光が鋭く光った。

 現地入りしてから初めて見せる顔。「ケガなく滑ることが楽しくて幸せと感じていました」

 3シーズン目となるショパン作曲の「バラード第1番」が流れる。冒頭の4回転サルコーは前日の練習から回転が抜けたり、転倒したりしていて不安があった。「でも自分の体は動いていると思った。サルコーもトーループも何年間も付き合ってきたので」と羽生。

 やや慎重に踏み切ったように見えたが、高さ、飛距離、着氷時のフリーレッグとすべてが美しく、2.71の加点もついた。昨年11月に右足首を負傷して戦線離脱して以来、祈る思いでこの日を待っていたファンが沸き立つ。得意のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は全ての審判が最高の3点をつけ、最後のジャンプ要素、4回転トーループ+3回転トーループも2.57点もの加点がついた。「曲を感じていた」という表現面も、このプログラムで過去最高だったろう。

 昨年9月のオータム・クラシックで出した自己最高得点に1.04点届かなかったが、「とにかく満足という気持ちが一番。あしたのフリーのことが頭の60%を占めているけれど……。きょうの自分のコンディションでできることはした」。羽生らしいハキハキした受け答えが「会心」の表れだ。

 慎重を期し、現地入りしてからも練習量は制限してきた。「体が動いていない部分と、脳みそが動いていない部分がいろいろあった」とこの間を振り返る。そんな状況で氷に乗れない時期にやってきたことが生きた。

 学術論文を読んだりインターネットで調べたり、「調整方法、筋肉解剖学、トレーニングの仕方など、勉強してきたことを出せましたね」。さらに、昨年同じ会場で開催された四大陸選手権の映像も見返し、イメージトレーングを繰り返してきた。「これが本当にすごかった。五輪前になるとフィジカルに注意する選手は多いんだけれどね」と、ブライアン・オーサー・コーチも舌を巻く。

 フリーはSPより演技時間が2分近く長い。「特別な期待はしていない。きょうすべきことはした。幸い、日中に試合が終わるので、夜まで時間はある」。ご飯をいっぱい食べ、寝て、回復に努めるそうだ。

(原真子)

■「くまのプーさん」はいずこに?
 羽生のラッキーアイテムいえば、「くまのプーさん」。でも、最高の“相棒”が五輪会場に来られない。羽生がいつも試合に持参するプーさんのティシュッケースも、今回はケーキ型のものに変わっている。プーさんの商標権を持つ米ウォルト・ディズニーが五輪スポンサーでなく、映像に出せないためだ。
 心配した記者から聞かれると、「『黄色い熊』はホテルの部屋にある。出かける前、頭をつかんで『行ってくるよ』と言っています。彼も応援してますよ」と、羽生は苦笑いで答えた。
 もっとも、選手や関係者に規制はかけられても観客にはできない。会場の過半を占めた羽生ファンはプーさんグッズを持ち込み、演技を終えるとリンクは投げ入れられたプーさんのぬいぐるみでいっぱいに。羽生は「毎回、現地で寄付すると決めている。ファンの気持ちはたくさん頂いています」と答えていた。

★★★

オーサー氏、羽生を「誇りに思う」 首位発進の教え子を称賛/フィギュア
2018.2.16 19:35
http://www.sanspo.com/pyeongchang2018/news/20180216/pye18021619350077-n1.html

 平昌五輪第8日(16日、江陵アイスアリーナ)フィギュアスケートは30人による男子のショートプログラムが行われ、66年ぶりの2連覇を目指す昨季の世界選手権王者の羽生結弦(ANA)が111・68点で首位発進した。

 羽生を指導するブライアン・オーサー・コーチは、演技を終えた教え子と抱き合った。昨年11月の右足首負傷からの復活に「数週間前に全てがかみ合ってきて、素晴らしい滑りをすると思っていた。彼を誇りに思う」と手放しで称賛した。

 現地入り後「(羽生を)過小評価してはいけない」と言い続けた名コーチは好演技の理由について「ユヅは氷に乗れない時から、よくジャンプのイメージトレーニングをしていた」と明かした。(共同)

★★★

4回転成功にファン感涙 「ユヅ頑張れ!」男子SP
平昌五輪フィギュア
2018/2/16 20:50
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27019360W8A210C1CC1000/

 【平昌=桜田優樹】平昌五輪フィギュアスケート男子のショートプログラム(SP)で16日、五輪連覇を目指す羽生結弦選手(23)が会心の演技で復活を見せつけた。初出場の宇野昌磨選手(20)も安定した演技で3位に。日本の二大エースがメダルにぐっと近づき、17日のフリーに向け決意を新たにした。

 演技が終わった瞬間、羽生選手は自信にあふれた表情を見せた。3カ月前に右足首を負傷。2カ月にわたり氷から離れたが、その影響を全く感じさせない堂々とした姿だった。インタビューでは「点数に満足している」と語った。

 コーチと固い握手を交わしてリンクに立った羽生選手が選んだ曲はショパンの「バラード第1番」。静まり返った会場にピアノの旋律が鳴り、直立姿勢で目を閉じた羽生選手がゆっくりと滑り出すのを観客が食い入るように見つめた。4回転ジャンプなどを軽やかに成功させるたび「よしっ」「やったー」と歓声に包まれた。

 演技終了後、羽生選手お気に入りのキャラクター「プーさん」のぬいぐるみがファンから投げ込まれるなか、「ありがとうございました」と口を動かしながら何度も客席に向かって頭を下げた。今季、自らが出した世界最高得点(112.72)に迫る111.68。人さし指を立てて「1」を3回示し、納得したようにうなずいた。

 日本から駆け付けた女性ファンらが「ユヅ頑張れ!」と声援を送り、観客席を日の丸が埋め尽くした。

 「言葉にならない素晴らしい演技だった」。千葉県市川市から応援に駆け付けた中学校教諭、渋谷真理さん(55)は序盤でジャンプを成功させた時点で目に涙を浮かべていた。

 東日本大震災で被災しながら努力を重ねる姿を見てファンになったという渋谷さん。「ソチ大会は震災を乗り越え、今回は出場が危ぶまれるほどのケガを克服した。勇気をもらえる演技だった」と振り返った。

★★★

復活した羽生結弦を日の丸が後押し/360度カメラ
nikkan 2018年2月16日21時5分
https://www.nikkansports.com/olympic/pyeongchang2018/general/news/201802160000798.html

<360度五輪ぐるり~ん>

 ピョンチャンオリンピックは16日、大注目のフィギュアスケート男子シングルが始まった。

 ショートプログラム(SP)では約4カ月も実戦を離れていた羽生結弦が、完全復活をアピールするように111・68点を記録し首位に立った。会場は出場選手の各国の旗で彩られたが、日の丸が地元韓国の国旗よりも多く見られた。

 SP、フリーともにチケットは完売。満員の観客が羽生結弦の五輪連覇を後押ししている。(撮影・河野匠)

 ◆360度五輪ぐるり~ん 平昌五輪で盛り上がる街なみや会場周辺の様子を、リコーの360度カメラ「THETA」を使ってお伝えします。

★★★

男子SPは「新4回転時代」4年前ソチから隔世の感
nikkan 2018年2月16日21時26分
https://www.nikkansports.com/olympic/pyeongchang2018/figureskate/news/201802160000773.html

 16日に行われた平昌五輪フィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)。66年ぶりの2連覇を狙う羽生結弦(23=ANA)が111・68点で首位発進を決めたが、出場選手のハイレベルな争いは、8年前のバンクーバー五輪はもとより、4年前のソチ五輪と比べても隔世の感を覚えるものだった。

 注目したのは認定された4回転ジャンプの数。バンクーバーでは30選手で4人、ソチでは29選手で16人、平昌では30選手で18人と「微増」だったが、目を見張るのはその内訳。2種類に挑んだ選手が0人→1人→9人と激増していた。

 口火を切ったのは3番目に登場した17歳のビンセント・ゾウ(米)だった。17年世界ジュニア王者は五輪史上初めて4回転ルッツを成功。さらに4回転ルッツ-3回転トーループの連続ジャンプを着氷し、2度の4回転で会場を沸かせた。14年ソチ大会ではケビン・レイノルズ(カナダ)1人だった2種類ジャンパーを振り返ると、その後の「新4回転時代」の進歩の速さがうかがわれる。

 羽生、宇野ら最終組の6人のうち5人が2本の4回転を跳んだ。その数は最終的には計9人。その種類もソチではトーループ、サルコーまでだったが、フリップ、ルッツまで加わり、一気に技術レベルが押し上がった。

 4回転は16年4月に宇野昌磨がフリップを成功させると、羽生は同年10月にループを成功させた。後輩に負けじと限界を押し広げてきた五輪王者は、あとに続く若者たちを従えた。この日争った18歳のネーサン・チェン(米国)、20歳の金博洋(中国)、そしてゾウにしても、突破者がいたからこそ現実味を持って大技に挑戦できたのだろう。

 17日のフリーでは、何種類、何本の4回転が跳ばれ、どんな進歩が刻まれるだろうか。

★★★

羽生結弦 プラス思考で五輪連覇へ「ご飯をいっぱい食べて、しっかり寝て備える」
2018年2月16日 21:37
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2018/02/16/kiji/20180216s00079000474000c.html

 平昌五輪のフィギュアスケートは人気が高い北米でテレビ観戦しやすいような時間に設定されている。男子ショートプログラム(SP)も午前10時開始だったが、羽生結弦(23=ANA)は異例の時間帯での競技すらもプラスに捉えている。

 羽生がSPで完璧な演技を披露し、111・68点をマークしたのが午後2時前。フリーの滑走順抽選や会見を終えても、普段ならまだ演技していないような時間だった。「幸いにも、今回は演技が日中に終わって、夜まで時間がある。今日できることは、ご飯をいっぱい食べて、しっかり寝て明日に備えること」。いつもの試合時間なら、会見が深夜に及ぶこともある。

 昨年11月に右足首を負傷。焦りや不安と闘いながら、氷の上に乗れない時期はインプットに時間を費やした。「筋肉解剖的なものの論文、トレーニングの仕方、トレーニングのプランニングの仕方、そういうものの研究やネットの記事も含めて勉強した」。学んだことを氷上でアウトプットし、ピークをピタリと本番に合わせてきた。首位発進は、羽生にとって必然だった。

★★★

【振付師・宮本賢二の解説】教科書のようなジャンプ “豪快で繊細”な羽生
daily 2018.02.17
https://www.daily.co.jp/olympic/2018/02/17/0010992772.shtml

 「平昌五輪・フィギュアスケート男子・SP」(16日、江陵アイスアリーナ)

 男子ショートプログラム(SP)で羽生結弦(ANA)が自身2番目の高得点となる111・68点をたたき出し、66年ぶりの連覇へ首位発進を決めた。15、16年世界王者のハビエル・フェルナンデス(スペイン)が107・58点で2位、昨季世界選手権2位の宇野昌磨(トヨタ自動車)は自己ベストに0・70点と迫る好演で3位。金博洋(中国)が103・32点で続き、4人が100点を超えるハイレベルなメダル争いとなった。

  ◇  ◇

 【振付師・宮本賢二のエンジョイ!!フィギュア】

 羽生選手にケガの影響はまったく感じなかった。最初のターンでカチッと止まり、美しい形で滑り出したところはさすがだ。

 出来栄え3点を得たトリプルアクセルは、教科書のようなジャンプだった。よいジャンプというのはプログラムにしっかりと取り込まれ、準備段階を見せずにさらっと跳ぶ。まさにそういうジャンプだった。彼のジャンプは高さがあり豪快な一方で、軸が細く回転が速いため繊細でもある。その繊細さがゆっくりとした曲調にも合い、ジャンプ自体が曲に溶け込んでいた。

 スピンやステップも同様だ。回転数やポジションの変化、足替えなど必須項目を次々とこなすスピンは、曲の流れをある程度無視せざるを得ない部分がある。しかし、羽生選手はただレベルを上げるためにこなしているだけでなく、音の始まりに足替えを合わせるなど曲にピタリと合わせられる。

 また、最後のステップの前には「今からやります!」と宣言するようにためをつくり、より観客を引きつけた。曲を自分の中でかみ砕いて表現できる希少な存在だ。

 宇野選手は緊張すると体が動きすぎると言っていたが、回りすぎたトリプルアクセルを「絶対降りるんだ」という気合で止めた。初五輪でよく自分をコントロールできていると思う。中学時代から振り付けを担当してきた田中選手は冒頭のジャンプで転倒し壁に激突した時に、気持ちを切らさず次へ向かっていったことを評価したい。

 上位5選手が全員ノーミスというハイレベルなSPだった。フリーはSPより長さが約1・5倍になる。羽生選手の体力面は問題ないと思うが、SPで3つだったジャンプは8つになるためペース配分は重要だ。4回転は2種類でもいいと思う。ただ、今までの彼は常に自分に勝つことを目指してきただけに、ループを加えて3種類にする可能性もあるだろう。フリー「SEIMEI」は2度目のシーズンで踊りこなしており、表現、スケーティングは心配ない。

 五輪王者であるということを自分自身が誰より理解し、重圧をすべて力に変えた羽生選手の強さには驚くしかない。強い気持ちを見せた宇野選手とともに、日本人ワンツーを狙ってほしい。

★★★

羽生の神髄“3回転半”一番の武器でフリーへ 驚異の最高加点生んだ
daily 2018.02.17
https://www.daily.co.jp/olympic/2018/02/17/0010992762.shtml

 「平昌五輪・フィギュアスケート男子・SP」(16日、江陵アイスアリーナ)

 ショートプログラム(SP)が行われ、前回2014年ソチ五輪の金メダリストで昨季の世界選手権覇者、羽生結弦(23)=ANA=が自身の世界歴代最高点に1・04点と迫る111・68点をたたき出し、圧巻の首位発進を決めた。右足首の負傷を経て118日ぶりの復帰戦で、ほぼ完璧な演技を披露。66年ぶりの連覇に向け、強い決意で17日のフリーに臨む。

 世界一美しいと称されるのが羽生のトリプルアクセル(3回転半)だ。アクセルは6種類のジャンプのうち唯一前向きに踏み切るため恐怖心を抱く選手も少なくないが、羽生にとっては絶対的な“相棒”。今大会でも上限の3・00点という驚異の加点を引き出した。

 「アクセルは大好きで大事なジャンプ。小さいときは1時間のレッスン中45分をアクセルに費やすくらいだった」と羽生。小2から指導した都築章一郎コーチは、かつて世界選手権3位の佐野稔氏を指導した経験から、ダブルアクセルはトリプルアクセルにつながる技として高い要求をしたという。「平均台の上で回りながら平均台の上に落ちていく感じ。ダブルアクセルをしっかり教えないと、と考えていた」と振り返った。

 そしていつしか羽生自身が「一番の武器」と言い切る唯一無二の存在になった。以前、羽生は「僕がここまでスケートを好きになってこられたのはアクセルのおかげ。アクセルがなかったら、こんなに自信を持ってスケートをすることもできなかったかもしれない」と話している。

 都築氏自身も羽生のトリプルアクセルにほれ込む。「1つの弧線から跳んで、その延長線上に降りてくる流れがきれい。3回転半したとかそういうことじゃなくて、流れにある美しさが人と比べても大きな武器になっている」と絶賛した。

 韓国入り後初めて臨んだ公式練習、1回転ジャンプが続く中で最初に見せた大技もトリプルアクセルだった。もはや羽生の神髄。絶対的な武器を携え勝負のフリーへ臨む。

★★★

羽生結弦、さすがの人気で“親友”プーさん乱れ飛んだ!
https://www.daily.co.jp/olympic/2018/02/17/0010992764.shtml
daily 2018.02.17

 「平昌五輪・フィギュアスケート男子・SP」(16日、江陵アイスアリーナ)

 ショートプログラム(SP)が行われ、前回2014年ソチ五輪の金メダリストで昨季の世界選手権覇者、羽生結弦(23)=ANA=が自身の世界歴代最高点に1・04点と迫る111・68点をたたき出し、圧巻の首位発進を決めた。右足首の負傷を経て118日ぶりの復帰戦で、ほぼ完璧な演技を披露。66年ぶりの連覇に向け、強い決意で17日のフリーに臨む。

 羽生の演技後にはぬいぐるみの「くまのプーさん」が大量にリンクに投げ込まれた。フィギュアスケートの選手が常備するティッシュケースがプーさんだったことから、ファンがいつしか投げ込むようになったもの。

 羽生によると、今回は商標の関係で自重しショートケーキ形のケースを使用しているが、プーさんはホテルの部屋に置いて「行ってくるよ」と頭を触って出掛けているという。「彼も応援してくれたと思う」と“親友”も会心の演技を支えたようだ。ファンからのぬいぐるみは「平昌、江陵の方に寄付する」と話した。
★★★

羽生結弦“王者”のまま帰ってきた 1番滑走で圧倒!異次元の完全復活
daily 2018.02.17
https://www.daily.co.jp/olympic/2018/02/17/0010992756.shtml

 「平昌五輪・フィギュアスケート男子・SP」(16日、江陵アイスアリーナ)

 ショートプログラム(SP)が行われ、前回2014年ソチ五輪の金メダリストで昨季の世界選手権覇者、羽生結弦(23)=ANA=が自身の世界歴代最高点に1・04点と迫る111・68点をたたき出し、圧巻の首位発進を決めた。右足首の負傷を経て118日ぶりの復帰戦で、ほぼ完璧な演技を披露。66年ぶりの連覇に向け、強い決意で17日のフリーに臨む。ハビエル・フェルナンデス(26)=スペイン=が2位、宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=が3位につけた。

 止まっていた時計の針を動かすには十分すぎるほどの快演だった。昨年10月のロシア杯以来118日ぶりの実戦。それが五輪という4年に一度の大舞台であるからこそ、羽生は冷静に、熱く戦い抜いた。どうだと言わんばかりの表情で演技を終えると、観客に向かって「ただいま」。ブライアン・オーサー・コーチに「カムバック」-。強烈な輝きを誇る羽生結弦が、勝負の銀盤に帰ってきた。

 朝の公式練習で不調だった冒頭の4回転サルコーを決めると、もう怖いものはなかった。演技後半のトリプルアクセル(3回転半)は満点の加点がつく最高の出来栄え。4回転-3回転の連続トーループも、ため息が出るほど美しかった。ピアノの鍵盤をたたくかのようなステップ、旋律にピタリと合ったスピン。そのどれもが、羽生の完全復活を物語っていた。演技後は沸き上がる歓声に浸りながら、自らへ拍手。111・68点を見ると「1・1・1」と指で得点を示し、ナンバーワンをアピールした。「とにかく満足という気持ちが一番。会場に帰ってきて、滑れることが楽しくて幸せで…。そういうことを感じながら滑った」。湧き上がる喜びをかみしめた。

 長い長い3カ月だった。昨年11月9日、NHK杯の公式練習中に負傷した右足首の状態は、想像以上に思わしくなかった。当初は痛み止めを飲んででも強行出場しようとしたが「痛みどころじゃなくて、足首が動かなくなった」。会場のある大阪を、松葉づえで後にするしかなかった。

 復帰までの過程はさまざまなことを考え、悩んだ。頭を支配しようとする後ろ向きな思考を懸命に振り払った。論文を読みあさり、トレーニングも見直し、負傷から2カ月がたった頃にようやく氷上に復帰。ジャンプには回数制限がついた。トリプルアクセルを跳んだのが3週間前。4回転は跳び始めてから2週間ほどだ。

 「挑戦しないと僕らしい演技はできない」と語っていた羽生が、状態を見極め、勝利への最短距離としてあえて選んだこの構成。「調整が間に合わなかった部分もあった」と言うが、自身最高の難度ではなく勝ちに徹するプログラムを選択し、体現した。不屈の男は折れなかった。

 2位のフェルナンデスとは4・10点、3位の宇野とは7・51点差で臨む運命のフリー。「(ソチ五輪の)フリーのミスがここまで4年間頑張って強くなれた一つの要因。リベンジしたい」。4年前、「悔しい」と言いながらつかんだ金メダルの感触はいまも忘れない。雪辱の時は、新たな歴史を刻むとき。その瞬間は、もうすぐそこだ。

★★★

オーサーコーチ、羽生復活に絶賛「運ではない」 ブリアン・コーチも喜ぶ
daily 2018.02.17
https://www.daily.co.jp/olympic/2018/02/17/0010992766.shtml

 「平昌五輪・フィギュアスケート男子・SP」(16日、江陵アイスアリーナ)

 男子ショートプログラム(SP)で羽生結弦(ANA)が自身2番目の高得点となる111・68点をたたき出し、66年ぶりの連覇へ首位発進を決めた。15、16年世界王者のハビエル・フェルナンデス(スペイン)が107・58点で2位、昨季世界選手権2位の宇野昌磨(トヨタ自動車)は自己ベストに0・70点と迫る好演で3位。金博洋(中国)が103・32点で続き、4人が100点を超えるハイレベルなメダル争いとなった。

 羽生を指導するオーサー・コーチは、昨年11月の右足負傷からの復活に「運ではない。こんなに短い期間で驚くべき結果を残したことを誇りに思う」と絶賛した。大会にはオーサー・コーチに加え、スケーティングを担当するウィルソン・コーチ、ジャンプを担当するブリアン・コーチも参戦し全面サポート。ブリアン・コーチは「回復は本当に大変で長かったけど、報われた」と自分のことのように喜んだ。

★★★

<平昌五輪>羽生劇場開演 連覇へ好スタート
kahoku 2018年02月17日土曜日
https://www.kahoku.co.jp/special/spe1192/20180217_04.html

 けがの影響などみじんも感じさせなかった。羽生が自身の世界歴代最高得点に迫る111.68点。リンクを降りてオーサー・コーチと抱き合う。「曲を感じ、ベストな演技をしようと思った」。ほっとした表情にも見えた。
 三つのジャンプは質がライバルとまるで違った。ぶれない軸に滑らかな着氷。冒頭の4回転サルコーと、4回転-3回転の連続トーループは2点台後半、トリプルアクセルは3点満点の出来栄え点を得た。演技構成点は全5項目で9点台だった。
 昨年10月のグランプリシリーズ、ロシア杯以来の試合。「何年も付き合ってくれているジャンプ。体が覚えていると思っていた」。実戦不足を経験でカバーした。
 朝の公式練習ではサルコーが不調で「若干不安があった」。韓国入りしてからは、練習で跳ぶ本数を制限しながらピークを合わせてきた。リハビリ中はトレーニングの論文を読んで研究した。これまでの取り組みを信じ、本番で成功させた。
 4回転ループは回避した。フリーの構成は「調子によって決める」と明言を避ける。この日のSPは1位の羽生、2位のフェルナンデスとも4回転はトーループとサルコー。フリーを含め5種類跳ぶと宣言していたチェンはジャンプに失敗し、優勝戦線から脱落した。
 「(自分もフェルナンデスも)2種類をうまくまとめてスコアを出した。種類も必要だが、何が正解とかはない」。頂点に立つために、どのような戦略を選ぶのかも注目したい。
 SPは100点台が4人の大激戦。8.36点差にひしめき合う。
 SPが2分40秒に対し、フリーは4分30秒。実戦を離れ、スタミナが落ちていないかだけが気掛かりだ。SPのように杞憂(きゆう)に終われば、2連覇の歓喜が待っている。(平昌=佐藤夏樹)

★★★

<平昌五輪>羽生、SP首位 4ヵ月ぶりの実戦「やるべきことやる」謙虚に
kahoku 2018年02月17日土曜日
https://www.kahoku.co.jp/special/spe1192/20180217_05.html

 絶対王者に常識は通用しないのかもしれない。羽生は4カ月ぶりの実戦で完璧な演技を見せた。決めポーズの後は、満足そうに自分に拍手を送った。
 自身の持つ世界歴代最高得点にあと1.04点。「得点については何も思わない。まだフリーがある」。4年前のソチ大会はSPで史上初めて100点越えを果たした後、フリーでミスしている。取材エリアに来た時には、既に表情は引き締まっていた。
 4年前と違って追われる立場だ。今季の演技の基礎点はチェンや宇野が勝っている。彼らには技の精度や表現面で上積みの余地もある。
 誰よりも負けず嫌いの羽生がどう平昌に臨むのか。既にあらゆる項目が満点に近い。さらに得点を伸ばすには4回転の種類を増やし、基礎点を上げるしかない。その代償が、昨年11月の右足首の故障だった。
 SPは故障の原因となったルッツだけではなく、ループも封印した。4回転はサルコーとトーループ。種類はソチと変わらない。「今のコンディションでできることをやった」。4人が100点を超えてきたが、完成度の高さで羽生が頭一つ抜けた。それこそが絶対王者の強みだった。
 試合勘は鈍っていたはずだ。それでもここぞという場面で結果を残すことができる。宮城・東北高の先輩でトリノ大会金メダルの荒川静香さんは、羽生の本番の強さをこう説明する。「運を引き寄せ、普通のアスリートが逃すチャンスをつかむ力がある。鍛えて培えるものではない」
 66年ぶりの2連覇にぐっと近づいた。「特にチャンピオンになりたいとか言うつもりはない。やるべきことをしっかりやりたい」。自分に言い聞かせるように、最後まで謙虚な言葉を紡いだ。(平昌=佐藤夏樹)

★★★

<平昌五輪>羽生「幸せ感じた」 久々の声援に感謝
kahoku 2018年02月17日土曜日
https://www.kahoku.co.jp/special/spe1192/20180217_06.html

 平昌冬季五輪第8日の16日、フィギュアスケート男子のショートプログラム(SP)でソチ冬季五輪王者の羽生結弦選手(23)=ANA、宮城・東北高出=が首位に立った。右足首を故障し、4カ月ぶりの復帰戦。羽生選手は演技後の会見で、スタンドを埋め、熱い声援を送った日本のファンへの感謝の言葉を並べていた。

 羽生選手がリンクサイドに現れた瞬間から、会場のボルテージは上がった。日の丸の旗で観客席が埋まり、大きな拍手が湧き起こる。技の一つ一つに大声援が送られた。最後の連続ジャンプに成功すると、SP首位を確信したように歓声がやまなかった。
 演技後、トップ3選手による記者会見。満面の笑みの羽生選手がいた。「こんなにも応援されるアスリートは限られる。試合で力を発揮できるのはみなさんの応援があって、それに応えたいと思えるからこそ」。試合内容やフリーへの意気込みについては短い言葉で濁す場面もあったが、ファンへの思いは熱く語った。
 昨年10月にけがを負い、試合ができないまま4カ月。練習で好調とはいえ、不安もあったのだろう。「前回ソチ五輪はSPでノーミスだった。そこにすがりたい気持ちもあった」。大勢のファンの前に立ち、気持ちは高まった。「久しぶりに声援を聞き、スケートをする幸せを感じた。パワーをもらい、無事に滑り切れた」
 66年ぶりの連覇が懸かる17日のフリー。再び大応援団が背中を押してくれるはずだ。(平昌=佐藤夏樹)

★★★

羽生、ぶっつけでもSP首位!連覇へ「僕は五輪を知っている」
2018年2月17日 05:30
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2018/02/17/kiji/20180216s00079000398000c.html

 フィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)が16日、江陵アイスアリーナで行われ、五輪男子66年ぶりの2連覇を狙う羽生結弦(23=ANA)は自身の持つ世界最高得点に1・04点に迫る111・68点をマークし、首位発進した。右足首の負傷後、約4カ月ぶりの復帰戦で、4回転2つを含む3つのジャンプを完璧に決める驚異的な滑りを披露。先行逃げ切りした14年ソチ五輪に続く金メダルが見えてきた。

 五輪に羽生が帰ってきた。さらにたくましくなってリンクに帰ってきた。10月のロシア杯以来118日ぶりの実戦で、完璧な滑りを終えると、王者はつぶやいた。「ただいま」。五輪は羽生を温かく迎えてくれた。

 ショパンの「バラード第1番」のピアノの調べに乗って、冒頭の4回転サルコーを華麗に決めた。さらにトリプルアクセルに成功。4回転―3回転の連続トーループを降りると、両拳を力強く握った。3つのジャンプは全てGOE(出来栄え評価)で2・5点以上を稼ぐ完璧な出来。理想の構成からループを外して難易度をやや落としたが、同じ構成で臨んだ9月のオータム・クラシックでの世界最高得点に1・04点に迫る圧巻の内容だった。

 「ケガなく滑れることが楽しいし幸せを感じながら滑りました。とにかく満足しています」。驚異的な回復だ。11月に右足首を捻挫して2カ月間氷に乗れず、4回転ジャンプの練習を再開したのはわずか3週間前。一時は「治るのか」と思い詰めるほど重症だった右足首の負担を考慮し、練習では「ジャンプの本数を制限していた」という。韓国入り後の練習でも多い時で1日21本。1回転ばかりを繰り返す日もあった。

 数を跳べない分はイメージトレーニングで補ってきた。「サルコーやトーループやアクセルは何年もつきあってきたジャンプ。体や脳が覚えていた」。調整法も通信制で学ぶ早大の論文を読み込んで見直してきた。朝の練習では4回転サルコーが低調で「若干不安があった」が、試合で引きずることはなかった。具体的な調整内容は明かさなかったが、「試合に出られない時に勉強してきました」と胸を張った。オーサー・コーチは逆境を力に変えた愛弟子を「本当に誇りに思う。彼はイメージトレーニングやメンタルトレーニングをかなりやっていた。そこが大きかった」と絶賛した。

 痛み止めを打ってでも出場しようとしたNHK杯は涙を流して棄権を決断した。あれから3カ月。12月の全日本選手権も五輪の団体戦もスキップして、試合勘を犠牲にしてでも回復に時間を割いた作戦はまずは成功した。

 2位のフェルナンデスとは4・1点差。「明日の調子次第で構成は決めたい」とフリーでは無理して高難度のジャンプ構成に挑まなくてもいい位置につけた。「大きなことを言うなと言われるかもしれないけれど、僕は五輪を知っている。(ソチ五輪の)フリーのミスが4年間強くなった一つの原因だと思っている。(フリーの)リベンジをしたい」。リチャード・バットン(米国)以来66年ぶりの2連覇へ。羽生には大きな五輪の舞台がよく似合っている。

 ▽羽生の14年ソチ五輪 SPで101.45点をマーク。史上初の100点超えとなる世界最高得点で首位に立った。フリーでは冒頭の4回転サルコーで転倒などのミスがあったが、178.64点をマーク。合計280.09点で同種目日本人初となる金メダルを獲得。また、19歳69日での同種目金メダル獲得は史上2番目の年少記録となった。

★★★

少年・羽生結弦、難しい技ほど食いついた…元コーチ語る
asahi 後藤太輔、西村奈緒美、高浜行人 2018年2月17日06時31分
https://www.asahi.com/articles/ASL2J0C4BL2HUTIL076.html

 16日に行われたフィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)で、羽生結弦(23)=ANA=がトップに立った。昨年11月に痛めた右足首の影響を感じさせない圧巻の演技に、かつての指導者たちは驚きと喜びの声をあげた。17日のフリーで、2大会連続となる金メダルに挑む。

 「緊張してるんだな」。小学2年生まで仙台市でコーチを務めた山田真実さん(44)は、リンクに滑り出す羽生をテレビで見て感じた。「彼らしい自由な感じがない。一個でも失敗しちゃいけないみたいな感じ」

 それでも、次々とジャンプを決める。着氷の後、両方の拳を握りしめた。「思うようにいっているんだ」。山田さんの心配は、安心に変わった。

 指導を始めたころ、羽生はリンク外をドタバタと走り、練習を始めても10分ほどで飽きてどこかに行ってしまった。「やんちゃで、最初の1年くらいはレッスンにならなかった」

 ただ、ジャンプの吸収力は高かった。他の子が1年かかる1回転半ジャンプを1日で跳んだ。難しいことをやるときほど食いつきがいい。2回転ジャンプが未完成のとき、あえて2回転半に挑戦させた。

 そのころから頭や手足を思い切って振り、全身で何かを表現しようとしていた。観客を喜ばせる方法を知っているようだった。「どこからその自信が出てくるのかと思うほど『自分はできる』と思い込んでいた」という。

 SPを終えた羽生は、表情を緩め、両手をたたいてファンの声援に応えた。

 山田さんの後、仙台で羽生を中学まで指導した都築章一郎さん(80)はそんな様子にホッとした。「いい状態で演技できた。自分のイメージ通りに体をうまくコントロールしていた」

 羽生は当時からリンク外でよくイメージトレーニングをしていたという。「けがで氷に上がれないときにも取り組んでいたのだろう。だから、ブランクを乗り越えられた」とみる。

 17日のフリーで、2014年のソチ大会に続く連覇を狙う。「重圧のなか(ショートプログラムを)やりきった。人間的な大きさ、心の成長が最も大きい。ブランクによるスタミナ不足は集中力で補ってほしい」(後藤太輔、西村奈緒美、高浜行人)

★★★

羽生「曲の解釈」9人中2人が満点 演奏者にまでこだわる「天性の耳」
2018年2月17日7時0分 スポーツ報知
http://www.hochi.co.jp/sports/winter/20180217-OHT1T50047.html

 ◆平昌五輪第8日 フィギュアスケート男子SP(16日、江陵アイスアリーナ)

 羽生の耳と音感が作り上げた、珠玉の銀盤のショパンだった。音符の上を滑るような絶対的な表現力は「ピアノの旋律そのもの」と評される。この日の演技構成点の「曲の解釈」は9人中2人が10点満点をつけた。

 当初は五輪イヤーの今季のSPに、昨季ノーミスでできなかったプリンスの「レッツ・ゴー・クレイジー」を持ち越すつもりでいた。ANAスケート部の城田憲子監督の一言で決まった。「あなたは王者なんだから。王者らしく王道の曲を滑るのはどう」。2季ぶり3度目の「バラード第1番」を選んだ。「大好きな曲。自分のその時その時の思いを込められる曲」。この日は感謝の思いを詰め込んだ。

 耳がよく、曲に合わせてジャンプを跳べる選手だ。趣味はイヤホン集めというくらい、音に敏感。ショパンの曲もポーランドのピアニスト、クリスティアン・ツィマーマンの演奏を好み「この音じゃなきゃだめ」とこだわりを見せてきた。

 幼い頃からリズム感の良さは突出していた。小学生だった羽生を「野辺山合宿」で目にした当時のフィギュア強化部長の城田氏は、陸上でのリトミック(音楽教育)に基づいたダンスレッスンでの羽生に目を奪われた。音楽に合わせて踊るリズム感に天性のものを感じたという。小学校2年から高校1年まで指導した都築章一郎コーチも「音楽的な感性や表現は自分なりのものを持っていた。いろんな振り付けを、自分の感性で消化していく能力がある」。音と一体化した滑りもまた、羽生の強みだ。(高木 恵)

★★★

【記者が見た】羽生は演技後も冷静、勝ち方を知っている王者
2018年2月17日8時0分 スポーツ報知
http://www.hochi.co.jp/sports/winter/20180217-OHT1T50053.html

 ◆平昌五輪第8日 フィギュアスケート男子SP(16日、江陵アイスアリーナ)

 フィギュアスケート男子のショートプログラム(SP)が行われ、同種目66年ぶりの2連覇を目指す羽生結弦(23)=ANA=が4か月ぶりの復帰戦で自身の世界最高得点まで1・04点に迫る111・68点でトップに立った。世界選手権2位の宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=は104・17点で3位。日本勢の今大会金メダル1号へ、冬季五輪では1972年札幌大会スキージャンプ以来2度目の日本勢ワンツーフィニッシュへ、17日のフリーに挑む。22番滑走の羽生は午後1時43分、最終24番滑走の宇野は同2時に登場予定。

 素晴らしい演技をした後ほど、羽生は冷静なことが多い。数々の海外メディアの取材を経て、日本メディアに対した第一声は「わあい、日本語だ」。興奮気味だったのは、我々報道陣の方だった。矢継ぎ早に質問が飛ぶ中、一語一句かみしめながら、この日のSPを振り返った。「とにかく満足っていう気持ちが一番。あとはまだ明日があるっていう気持ちが頭の6割近くを占めている」。頭の中で、自分の演技を整理しているようにも見えた。早くも気持ちは翌日のフリーへ向いていた。

 世界最高得点を記録した9月のオータム・クラシックの時もそうだった。「いきなりの世界最高得点ですが?」「はい…」。非常に落ち着いていた。右膝に痛みを抱えていたオータム・クラシック、右足首負傷からの復帰戦の今大会はともに、昨季からSP冒頭に組み込んできたループをサルコーに難度を落としている。復帰戦とはいえ羽生の中では、この構成ならこれくらいできますよ―という自負があるのかもしれない。

 前日(15日)には日本金メダル1号について「誰が取ろうが、僕も取ります」と言い切った。この日は違った。「特にチャンピオンになりたいとか、そういうことを言うつもりはない。ただ自分がやることがあると思うので、その自分がやるべきこと、やる必要があるものをやりたい」。

 勝ち方を知っている王者。決戦の時へ気持ちを整える術(すべ)も知っている。(フィギュアスケート担当・高木 恵)

★★★

羽生結弦、SP最高演技の裏にある完璧な食事プラン
nikkan 2018年2月17日8時25分
https://www.nikkansports.com/olympic/pyeongchang2018/figureskate/news/201802170000105.html

<ピョンチャン五輪:フィギュアスケート>◇16日◇男子ショートプログラム(SP)

 右足首故障からの復帰戦で羽生結弦(23=ANA)が完璧な演技で首位発進した。2本の4回転を含む3つのジャンプを成功。自身が持つ世界最高にあと1・04点と迫る111・68点で、66年ぶりの五輪連覇へ王手をかけた。

 羽生の最高の演技の裏には、完璧な食事プランがあった。「味の素ビクトリープロジェクト」の下、2度目の五輪に向けて目指したのはスタミナが持続する体。ポイントはバランスのいい3食と補食の摂取だ。3食の間にアミノ酸を何度も摂取し、この2年弱で体内の筋量を増やし、4回転を何本も跳ぶ過酷なフリーを滑りきる体を作り上げた。

 平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)期間中も、食事はしっかり食べている。朝型のスケジュールに合わせ、摂取時間を通常より数時間早めた。韓国入りした11日からは急ピッチの調整で疲れた体をリカバリーするメニュー。14日からは試合に備え、スタミナ補給に重きを置いた。前日午後4時ごろに食べた勝負メシは豚のしょうが焼きに豚汁と豚ずくめだった。

 SPを終えた羽生は「ご飯をいっぱい食べて、しっかり寝て、明日に備える」とフリーに向けて胃袋から戦闘態勢に入った。

★★★

羽生結弦が実践する勝負脳という考え方/小塚崇彦
nikkan 2018年2月17日8時25分
https://www.nikkansports.com/olympic/pyeongchang2018/figureskate/news/201802170000091.html

<ピョンチャン五輪:フィギュアスケート>◇16日◇男子ショートプログラム(SP)

 右足首故障からの復帰戦で羽生結弦(23=ANA)が完璧な演技で首位発進した。2本の4回転を含む3つのジャンプを成功。自身が持つ世界最高にあと1・04点と迫る111・68点で、66年ぶりの五輪連覇へ王手をかけた。

    ◇     ◇     ◇    

 正直なところ、羽生があそこまで完璧な演技をできるとは思っていなかった。韓国入り後の練習では体のキレはいいなと感じていたが、長いブランク明けの試合は苦手な印象で、いつもの期間ほど調整も詰めていなかったと思う。一般的に期間が空くと「できるかな」という気持ちが湧く。そうするとジャンプのタイミングがずれたり、細い軸を作るための体の締め方が緩んだりする。

 その不安をどう打ち消すか。前日はハイテンションで、金メダル第1号の重圧を聞かれると「誰が取ろうが、僕も取ります」と答えた。勝負脳という考え方があり、「~しないように」より「~したい」「~する」という方が力を発揮できる説がある。自己暗示ではないが、不安を打ち消すためにあえて強気で通したのかもしれない。そこも五輪へのマネジメントだったのではないか。

 フリーへ、フェルナンデスとの4点差は難しい点差だ。ジャンプは転倒でGOE(出来栄え点)がマイナス3点され、さらに減点1も加えマイナス4点になる。5点あれば転倒しても逆転の可能性は下がるが、演技構成の選択が問われる。難しいジャンプで転倒したら…。ただ、高難度の4回転ループを入れてくると思う。五輪で世界最高得点を出すことを目標にしているとみるからだ。4年前のソチ五輪フリーでは転倒もあり、本人もSP後に「リベンジしたい」と口にした。安全にサルコー、トーループでまとめることもできるが、しないだろう。彼は異次元のところで戦っているようにもみえる。

 体力面の低下を懸念する声はあるが、心配はない。ジャンプなしのフリーの通し練習などでもスタミナは維持できる。GPシリーズ開始前に「圧倒的に勝ちたい」と言っていた。世界最高得点。言葉どおり、また、「羽生結弦」を超えていくのではないか。

 宇野はすごく耐えることが多い演技だった。初舞台で苦手な朝という逆境をうまく抑え込んだ。田中の巻き返しも含めて、フリーの日本男子は楽しみだ。(バンクーバー五輪代表、11年世界選手権銀メダリスト)

★★★

羽生結弦、合計歴代最高点&五輪連覇へ4回転ループ
nikkan 2018年2月17日8時25分
https://www.nikkansports.com/olympic/pyeongchang2018/figureskate/news/201802170000079.html?Page=1

<ピョンチャン五輪:フィギュアスケート>◇16日◇男子ショートプログラム(SP)

 フィギュアスケート日本のエースが最高のカムバックを果たした。右足首故障からの復帰戦で羽生結弦(23=ANA)が完璧な演技で首位発進した。2本の4回転を含む3つのジャンプを成功。自身が持つ世界最高にあと1・04点と迫る111・68点で、66年ぶりの五輪連覇へ王手をかけた。けがから100日となる今日17日にフリーが行われる。

 羽生はショパンのピアノ曲にゆったり体を溶け込ませた。最初のジャンプ。高く、美しい4回転サルコーを決めた。得意のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)では満点評価を得た。4回転-3回転の連続トーループも決め最後のスピンを回る時には祝福と称賛の拍手が始まっていた。

 リンクから戻った前回五輪王者は、オーサー・コーチと抱き合い「Coming back!」と言った。実戦は昨年10月のロシア杯以来、約4カ月ぶり。ぶっつけ本番とは思えない滑りで111・68点の五輪記録。「久しぶりに皆さんの声援を聞くことができて、帰ってきたんだなと、スケートを滑る幸せな感じを味わえた」。ぬくもりのある言葉が心の中から出てきた。

 昨年11月のNHK杯公式練習。4回転ルッツの着氷で転倒。翌朝起きると、患部は赤く腫れ、泣きながら欠場を決めた。大阪市内のホテルにこもり、テレビで他の選手がSPを滑るのを見た。たまらず「フリーだけでも勝てる」と思い立ったが、周囲に全力で止められた。五輪のため、焦る気持ちを抑え、完治してから氷に乗ると覚悟を決めた。本格的な練習を開始したのは1月初め。急ピッチで追い込み、3週間前に3回転、約2週間前に4回転を跳べるようになった。

 「3カ月間試合に出られなかったこともあって、非常にスケートが楽しくて」。思いは通算3季滑り込んできたSPに込めた。フリーでは陰陽師(おんみょうじ)安倍晴明の映画「SEIMEI」に4年間の歩みを込める。ソチ五輪ではSP首位もフリーで2度失敗し、悔いを残した金メダルだった。「大きいこと言うなと言われるかもしれないんですけど、僕は元オリンピックチャンピオンなんで、リベンジしたい…」。

 15年NHK杯で当時の世界記録を27点も塗り替える合計322・40点をマークし、2週間後のGPファイナルで330・43点とさらに更新した。その2季前と同じプログラム。違うのは新しく備えた4回転ルッツとループ。4回転は3本から4本に増えた。合計歴代最高点も狙える状態で「明日の調子次第でジャンプ構成を決めたいと思います」。けがにつながった高難度のルッツは回避が濃厚。だが、4年間ずっとそれに挑戦してきた羽生は、この日回避した4回転ループを跳ぼうとするだろう。自分自身を超え、66年ぶりの連覇を遂げる。【高場泉穂】

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