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2016.12.08 - web sportiva - 羽生結弦、GPファイナル4連覇へ。 立ちはだかるライバルは誰か?

16-17 赛季 2016 GPF news web sportiva 折山淑美 能登直

折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi能登直●撮影 photo by Noto Sunao
昨年のグランプリ(GP)ファイナルで大会3連覇を果たした羽生結弦が今年も優勝を目指す。昨シーズンのこの大会はNHK杯で出した史上初の300点超えとなる合計322・40点をさらに上回る330・43点を獲得。4連覇を狙う今回も、その準備を着々と進めている。

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GPファイナル4連覇を目指す羽生結弦と、世界選手権連覇中のハビエル・フェルナンデス(写真左) 

昨シーズンの世界選手権終了後、痛めていた左足甲の治療のために1カ月半の完全静養を含めたブランクがありながらも、ショートプログラム(SP)、フリーともに冒頭に4回転ループを入れ、フリーではサルコウ2回を含めて4回の4回転ジャンプを組み込む昨季より難度を上げた技術構成にした今シーズン。序盤のオータムクラシックとスケートカナダでは、気負いもあって苦しんでいた。
 しかし、11月25日からのNHK杯は、SPではミスを4回転ループのステップアウトだけにとどめ、そのほかの要素はほぼ完璧に決めて103・89点を獲得する。そして翌日のフリーも、後半に入ってからの4回転サルコウで転倒して連続ジャンプに失敗しながらも、他の要素は確実に決めて197・58点を獲得。合計では昨年のGPファイナル以来の300点超えとなる、301・47点を獲得して圧勝してみせた。
「今シーズンの新しいふたつのプログラムで300点を超えたというより、やっとプログラム自体を楽しむ余裕が出てきて、お客さんともちょっとずつコネクトできるようになってきた」

 昨年出した得点より低くはあるが、ノーミスで300点台を出した昨年とは違い、ショートプログラム(SP)、フリーともにミスがありながらも300点超え。そう考えれば羽生が話すとおり「まだまだ伸びしろはあるし、やっとベースができただけ。その意味ではこれからが本当の勝負」といえる。
 ブライアン・オーサーコーチは「彼は五輪シーズンにいい結果を出すために、今何をしなければいけないかを分かっている選手。重要なのは来年3月末の世界選手権にピークがくることで、それに向けてどんどん伸ばしていくのが自然な流れ」と話していたが、この言葉に対して、羽生はこう語っている。
「ブライアンとも話しましたが、ピークどうこうではなく、アベレージを上げたいと思っています。自分がどれだけ下がっている状態でも、どんなに緊張している状態でも勝ちたいし、皆さんとコネクトしたいし、滑っていて楽しいと思いたい。そこを目指して、しっかり練習していきたいなと思います」
 そんな思いで臨む、羽生にとって6回目のGPファイナル。最大のライバルとなるのは2年連続世界王者、ハビエル・フェルナンデス(スペイン)だ。今季のGPシリーズはロステレコム杯、フランス杯と2週連続出場のハードスケジュールで連勝し、ロステレコム杯のフリーでは201・43点、フランス杯のSPでは96・57点を出している。フランス杯以降の3週間強を調整にあてることができており、コンディション面では有利だろう。

また、スケートカナダと中国杯を連勝しているパトリック・チャン(カナダ)は、得点的にはシーズンベストは279・72点にとどまっているが、今季から入れてきた4回転サルコウが決まるようになっており、完璧な演技をしてくれば侮れない存在になってくる。
 そして、今シーズン、4回転フリップを武器に昨シーズンよりさらに成長してきている宇野昌磨も注目だ。シーズンベストは285・07点にとどまっているが、ロステレコム杯SPは98・59点、ジャパンオープンで転倒があってもフリーで198・55点を出していることを考えれば、300点超えの力は十分に備えている。
 それを考えると、今回のGPファイナルの優勝争いは複数の選手が300点超えをするレベルに突入する予感もある。そんなライバルたちとの熾烈な争いのなか、羽生は4連覇を狙う。7日午後の公式練習ではやや体が重そうで、4回転ジャンプがなかなか決まらなかった。フリーの曲かけでも最初の4回転ループはパス。その後、サルコウは2回とも2回転、最初に跳べたのは4回転トーループだった。
「今日の反省点はかなりあります。でも、それが試合で出るより、今日でよかったと思います。全部同じ原因で、軸の取り方がどううまくいくかなという感じですね。試合まで時間があるので、今日はゆっくり考えながらイメージトレーニングをして明日に備えたいと思います」

 こう話す羽生は、マルセイユへ来る前の練習では、主に技術面を重点的に確認しながら調整してきたという。
「フリーのノーミスはできましたし、ショートは毎日のようにノーミスをしてきましたから問題ないと思います。やります!」
 公式練習時点の体のキレや動きは、フェルナンデスやチャンの方が勝っていたが、羽生も、曲かけ練習では最後の3回転ルッツの代わりに4回転サルコウを入れて成功させるなど、徐々に状態が上がっている様子だった。
「それ(4回転サルコウ)を試合でリカバリーとして入れることはないですが、疲れているなかでの4回転(の練習)は曲かけのときにしかできないですから。その意味でも練習だと思ってやっていますし、今日も最後に一番いいサルコウが跳べたのは自信になると思います」
 そんな気持ちの強さを本番で見せてくれるのが、羽生結弦の真骨頂。SPでは、練習とは一変した姿を見せてくれるはずだ。

sportiva.shueisha.co.jp