2014.03.08 - web sportiva - 世界選手権、羽生結弦と浅田真央のダブル優勝なるか?(折山淑美)

折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao/JMPA

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 ソチ五輪閉幕の約1か月後、3月26日から世界フィギュアスケート選手権がさいたまスーパーアリーナで開催される。男女ともに、各選手がそれぞれの思いを持っての大会になるはずだ。

なかでも、ソチ五輪金メダリストの羽生結弦は、2月25日にソチから帰国後、27日には早くも本拠地のカナダ・トロントへ渡り、世界選手権へ向けての 練習を始めている。ソチでも「五輪が終わってちょっと気が抜けたところもあるが、僕にとっては世界選手権もすごく大事な大会。世界選手権はまだ一度しか表 彰台に上がっていないので、頑張りたい」と話し、意欲を見せていた。

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ソチ五輪で見事金メダルを獲得した羽生結弦

 さらに、彼自身「金メダルをもらった時は嬉しさの方が大きかったが、時間が経つにつれて悔しさが甦(よみがえ)ってきた。だから自分を高めるためにも、練習ではいろんな種類の4回転ジャンプに挑戦していきたい」とも話していた。

  4年後、韓国の平昌(ピョンチャン)五輪へ向けて、もっともっと強い自分になりたいという思いを持ってのスタート。その第一歩が世界選手権になる。そこ で、ソチで納得できなかったフリーを完璧に演じ、スッキリした気持ちで五輪シーズンを終わりたいという思いは強いはずだ。

 今回はソチ五輪銀メダルのパトリック・チャン(カナダ)と銅メダルのデニス・テン(カザフスタン)がエントリーしていない。そのため羽生にとっては、五輪王者として他の選手の挑戦を受けて立つ大会になる。

 そんな立場を羽生がどう乗り越えていくのかは、来シーズン以降も続いていくだろうチャンとの戦いを見据えたうえで重要なもの。自信に満ちた演技で”真のチャンピオン”に成長していく姿を見せてくれることを、誰もが期待している。

 また、他の男子日本勢では、ソチでは羽ばたききれなかった町田樹がどこまでその力を発揮できるかにも注目したい。ソチではショートプログラム(SP)11位発進からフリー4位で巻き返して総合5位にはなったが、得点は自己最高を10点以上下回る253・42点。

「得点も、演技内容も悔しかった。僕にとってソチ五輪は、いいパフォーマンスをしてメダルを獲ることが絶対的な目標だったので、それが叶わなかったことが悔しい」

 ソチ五輪のフリーの後にこう話していた町田だが、「この五輪はとても大きな舞台だったけど、僕の人生の中では通過点でしかない。ここで得た貴重な体験を今後の人生でおおいに活かしていきたい」とも話した。

  町田にとって初出場となる世界選手権だが、ソチで得た経験は大きなもの。ここでメダル獲得となれば、スケーターとしてさらに成長していくきっかけになるは ず。また、髙橋大輔の欠場でチャンスを得た小塚崇彦には、まだまだ羽生や町田に負けてはいないという意地を見せてほしいところだ。

 男子で最大のライバルになるのは羽生と同じブライアン・オーサーコーチの指導を受ける、ソチ五輪4位のハビエル・フェルナンデス(スペイン)だろう。また、ソチ五輪7位のハン・ヤン(中国)のほか、ロシア選手権で優勝しながら五輪代表をエフゲニー・プルシェンコに譲ったマキシム・コフトン(ロシア)や、ソチでは 不調だったケビン・レイノルズ(カナダ)が、調子を取り戻せば怖い存在だ。

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