2017.04.21 - web sportiva - 羽生結弦、国別SPでまさかの7位も、「日本チーム」は勝ちにいける

折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao
 4月20日の世界フィギュアスケート国別対抗戦初日。順調に得点を伸ばしていた日本チームだったが、最後の最後でまさかの展開が待っていた。
 6分間練習は4回転ループが2回転になるミスをしただけで、他の4回のジャンプはすべて決めていた男子シングル最終滑走の羽生結弦が、冒頭の4回転ループでパンク。1回転になってしまったのだ。

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男子シングルSPで不本意な結果となった羽生結弦
 前日の公式練習から好調で、最初から気持ちが入っていた今回の滑り。羽生は「悪い癖が出てしまったと思います。このショートプルグラム(SP)は特にしつこく気持ちを込めて練習していましたし、自信もありました。(今日は)自分の中で演技に対して余計な気持ちがちょっと入り過ぎました。もちろんチーム戦だからという緊張感もありましたし、明日がプリンスさんの命日だったので、そういう気持ちも込めてやろうと本当に集中したつもりだったのですが……」と反省する。

 4回転ループのミスの直後、頭の中に浮かんだのは「ループが0点になり、かなりの点数が失われている」ということだった。そう考えながら次の4回転サルコウをしっかり跳ぼうと思い、試合で跳ぶときに「注意しなければいけないことを意識し過ぎて」しまった。それとともに、これまでの試合で「自分があまり跳べていないジャンプ」というイメージも重なったという。そんな気持ちの乱れが影響し、着氷が乱れて手をついてしまい、予定していた連続ジャンプにできなかった。
 その後の演技は完璧にこなした。特にステップは今シーズンこれまで以上に、このプログラムへの思いが全身から横溢(おういつ)するような滑りだった。だが、大きな得点源である2本のジャンプを失敗したために得点は83.51点にとどまり、順位も7位という予想外の結果となった。
 それでも、日本チームはいい流れに乗って戦っていたこともあり、順位点の合計点で争うチーム順位はロシアと同じ44点で1位という滑り出し。
 そんないい流れのキッカケを作ったのは、世界選手権でフリーに進めない悔しさを味わったアイスダンスの村元哉中(むらもと かな)/クリス・リードだった。5位ながらもショートダンスで5要素中3要素をレベル4にし、自己ベストを2.77点更新する63.77点を獲得してチームを勢いづけたのだ。

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