2016.09.30 - ACI SP 新闻报导

2016 ACI SP 图集

羽生、公認大会初の4回転ループ
朝日 2016年10月1日11時19分

フィギュアスケートの国際試合のオータム・クラシックは30日、カナダのモントリオールで男女のショートプログラム(SP)などがあり、今季初戦の男子の羽生結弦(ANA)は国際スケート連盟(ISU)公認の大会で初めて4回転ループを成功させ、88・30点で首位発進した。4回転ループは9月末のジュニアの国際試合で米国選手が跳んだが、手をつくなどして着氷が乱れていた。女子SPでは、本郷理華(邦和スポーツランド)が60・33点で4位、木原万莉子(同大)が59・09点で5位だった。首位は73・40点を出した長洲未来(米国)。

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羽生結弦 史上初の4回転ループ成功 今季初戦でSP首位
Sponichi  2016年10月1日 11:22

フィギュアスケートのオータム・クラシックは9月30日(日本時間10月1日)、カナダのモントリオールで行われ、今季初戦となるソチ五輪金メダリストの羽生結弦(21=ANA)が男子ショートプログラム(SP)で史上初の4回転ループを成功させ、88・30点で首位に立った。
 白を基調とした衣装を初披露。米人気ロック歌手、プリンスさんの人気曲「レッツ・ゴー・クレイジー」のアップテンポの曲調に乗り、冒頭で今季から取り入れた4回転ループに挑戦。決まれば世界初となる大技を成功させると、コンビネーションでは前半の4回転サルコーが抜けて1回転に、後半の3回転では転倒したが、最後の3回転半を華麗に決めてみせた。演技後は納得がいかなかったのか、転倒した場所に戻って悔しげな表情。それでも2位に8・78点差をつけてのトップ発進となった。
 1日(同2日)にはフリーが行われる。
 女子は本郷理華(20=邦和スポーツランド)が60・33点で4位、木原万莉子(19=同大)は59・09点で5位につけた。長州未来(米国)で73・40点で首位。

フィギュア羽生4回転ループ成功
朝日 2016年10月1日11時35分

【モントリオール共同】フィギュアスケートの国際大会、オータム・クラシックは9月30日、モントリオールで行われ、今シーズン初戦を迎えた羽生結弦(ANA)が男子ショートプログラム(SP)で史上初の4回転ループを成功させ、88・30点で首位に立った。
 2連覇を狙う2018年平昌冬季五輪のプレシーズンとなる今季は高難度の構成に挑む。序盤の大技は成功させた羽生だが、4回転―3回転を予定していた連続ジャンプは失敗した。
 女子SPは本郷理華(邦和スポーツランド)が60・33点で4位につけ、木原万莉子(同大)が59・09点で5位に続いた。(共同)  

羽生、世界初4回転ループ成功も「もっときれいに」
日刊  2016年10月1日11時57分

<フィギュアスケート:オータム・クラシック>◇第2日◇9月30日◇カナダ・モントリオール◇男子ショートプログラム(SP)
 羽生結弦(21=ANA)が、今季初戦のSPで4回転ループを成功させ、88・30点で首位発進した。
  4回転ループを成功させるのは、国際スケート連盟(ISU)公認の試合で初めて。9月23日にジュニアグランプリシリーズスロベニア大会で、アレクセイ・ クラスノジョン(米国)が跳び認定はされたが、着氷時に手をついたとして国際スケート連盟(ISU)は成功と認めていなかった。初の快挙に羽生は「あまり実感がない。世界初はみんなが驚く、うれしいニュースになると思うが、僕にとっては関係ないこと。(4回転ループは)もっときれいに跳べる」と冷静に受け 止めた。
 4回転ループは決めたが、連続ジャンプで失敗し得点は伸びず。滑り終えると、失敗した場所の氷をたたき、悔しがった。「今はただプログラムを完成しきれなかったことが悔しい。もっと練習しなきゃと思いました」と反省を重ねた。

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羽生 歴史的快挙も「僕にとっては関係ない」連続ジャンプ失敗で氷叩く
Sponichi  2016年10月1日 12:24
 今季初戦の舞台で世界初となる4回転ループを成功させた羽生。今オフは左足甲の靱帯損傷で氷上練習ができない時期もあった中、半年ぶりの実戦となり滑走前は「緊張した」というが、演技冒頭で大技に臨むと流れるように着氷させた。
 新たな歴史をつくったが、それでも「みなさんは驚くかと思うが、僕にとっては関係ない」と満足した様子はない。悔しさをにじませたのは、4回転―3回転の連続ジャンプでの失敗。最初のサルコーが1回転となり、後半のトーループはバランスを崩して転倒した。「プログラムを完成しきれなかったことがただただ悔しい」。演技が終わると転倒した場所の氷を叩いて悔しがったほどだった。
 トップ発進ながら、得点も世界歴代最高の自己ベストを20点以上下回り「もっと練習しなくちゃいけない」と喜びはなし。会心の演技と笑顔は1日のフリーで披露する。

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羽生、初戦で史上初4回転ループ成功…SP首位
読売  2016年10月01日 13時05分

フィギュアスケートのオータム・クラシックは30日、カナダのモントリオールで男女シングルのショートプログラム(SP)などが行われ、今季初戦となった男子の羽生結弦(ANA)が、国際スケート連合(ISU)公認大会で史上初めてとなる4回転ループを成功させた。
 連続ジャンプで転倒して得点は伸びなかったものの、88・30点で首位発進した。女子の本郷理華(邦和スポーツランド)は60・33点で4位、木原万莉子(同大)は59・09点で5位だった。

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羽生「史上初」に冷静=最高得点更新も視野-オータム・フィギュア
時事  2016/10/01-15:23

 【モントリオール時事】フィギュアスケートの国際大会、オータム・クラシックは30日、カナダのモントリオールで行われ、今季初戦の羽生結弦(ANA)が男子ショートプログラム(SP)に臨み、国際スケート連盟公認大会で史上初めて4回転ループに成功した。4回転サルコーが1回転になるミスもあり、得点は首位ながら88.30点にとどまり、「プログラムを完成できなかったことが悔しい」と話した。
 ただ、最後は得意のトリプルアクセル(3回転半)を完璧に決め、演技構成点でも他を圧倒。歴代最高得点(110.95)保持者のレベルの高さは見せつけた。
 4回転ループ成功については「うれしいニュースになると思うけど、僕にとって世界初かどうかは関係ない」。より高難度の4回転ルッツを跳んだ選手もいるため、達成感は感じていない。「サルコーを跳べなかったのは悔しいし、点数も90点に届かなかった」と反省の方が大きかった。
 「満足している。このプログラムをみんなが気に入ってくれたようだ」とはオーサー・コーチ。完璧に演じれば、最高得点の更新も可能な新しい構成に手応えを感じていた。
 1日(日本時間2日)のフリーでは最後から2番目の14番滑走。ループを含めて3種類の4回転ジャンプを入れた新プログラムを披露する。

羽生、4回転ループ成功
朝日  2016年10月1日16時30分
 カナダのモントリオールで男女のショートプログラム(SP)などがあり、今季初戦の男子の羽生結弦(ANA)は国際スケート連盟(ISU)公認の大会で初めて4回転ループを成功させ、88・30点で首位発進。4回転ループは9月末のジュニアの国際試合で米国選手が跳んだが、手をつくなどして着氷が乱れていた。女子SPでは、本郷理華(邦和スポーツランド)が60・33点で4位、木原万莉子(同大)が59・09点で5位だった。
 ■SP首位 ここぞの修正力「世界初か、関係ない」
 ロック調の曲に乗せて、羽生が力強く、舞った。公式戦では誰も決めたことがない4回転ループを成功。跳ぶ瞬間に、いすに腰掛けたような姿勢になるのが特徴のジャンプだ。「世界初かどうかは、まったく関係ない」と語った。
 2週間前、拠点のカナダ・トロントで練習を公開した時、4回転ループの成功率は「まだ50%くらい」と言っていた。昼の公式練習でも、きれいな着氷を見せる場面もあったが、曲をかけた状態では失敗するなど、やや精彩を欠いていた。
 だが今季の抱負で「一つ一つの試合を大切にしたい」と語っていた通り、本番ではしっかりと集中力を高め、修正してきた。
 4月の世界選手権の後、左足の甲のけがで、1カ月半以上、何もできない状態が続いたという。4回転―3回転の連続ジャンプで転倒するミスは出た。だが、万全の状態ではない中で迎えた今季の初戦で、まずは結果を出した。(前田大輔)

負担軽減にもメリット 羽生4回転ループ成功
毎日新聞   2016年10月1日 17時14分

フィギュアスケートの国際大会、オータム・クラシックは9月30日、モントリオールで行われ、今シーズン初戦を迎えた羽生結弦(ANA)が男子ショートプログラム(SP)で史上初の4回転ループを成功させ、88.30点で首位に立った。
 羽生は史上初めて4回転ループを決めたことでトーループ、サルコウと合わせて3種類の4回転ジャンプを手にした。冬季五輪2連覇が懸かる2018年平昌大会へ向けて技の幅は広がり、自身の持つ世界歴代最高得点の更新へ期待も高まる。
 4回転の「基礎点」でループは「12.0」。最も低いトーループの「10.3」、サルコウの「10.5」より難易度が高い。指導するオーサー・コーチは「トーループは足先を突くという助けがある。サルコウは右足をそのまま振り上げて跳ぶが、(右で踏み切る)ループはサルコウのように右足の勢いを使えない」と難しさを指摘する。  
「本当に完璧なテクニックが必要」(同コーチ)という大技の成功は、不安を抱える左足甲の負担を和らげる点でも意義深い。左足を氷に突くトーループの回数を少なくしても、残り2種類の4回転を駆使して得点を稼ぐことができる。  
さらなる得点アップと、コンディション維持。今季の重要な二つのポイントを満たすため、今後も4回転ループは大きな鍵を握るジャンプになりそうだ。(共同)

羽生結弦、史上初の4回転ループ成功も「全く関係ない、悔しい」(画像集)
The Huffington Post   2016年10月01日 17時25分
フィギュアスケートの国際大会、オータム・クラシックは9月30日(日本時間10月1日)、カナダのモントリオールで行われ、今季初戦となるソチオリンピック金メダリストの羽生結弦(21)が男子ショートプログラム(SP)で史上初の4回転ループを成功させ、88.30点で首位発進した。日刊スポーツなどが報じた。
白を基調とした衣装を初披露。プリンスの人気曲「レッツ・ゴー・クレイジー」の曲調に乗り、冒頭で今季から取り入れた4回転ループに挑戦、成功させた。
4回転ループは決めたが、続く連続ジャンプでは、4回転を予定していた最初のジャンプが1回転となり2つめのジャンプの着氷でバランスを崩して転倒。滑り終えると、失敗した場所の氷をたたき悔しがった。
初の快挙に羽生は「世界初というのは皆さんは驚くと思うし、いいニュースだと思いますが僕にとって全く関係ないと思っています。プログラムを完成しきれず点数が90点に届かなかったことも悔しいです」とコメント。「ループももっときれいに跳べるのでうれしいという思いが純粋に出てこないです」などと冷静に試合を振り返った。

Hanyu opens season with historic jump
Japan Times October 01, 2016 8:33 pm
MONTREAL — Yuzuru Hanyu leaped into the spotlight in his first competition of the season, becoming the first skater to successfully land a quad loop jump in an ISU-sanctioned competition.
Hanyu nailed the spectacular jump during the short program of the Autumn Classic on Friday in Montreal, and despite falling on a consecutive combination jump, took a comfortable lead with 88.30 points.
Hanyu at times had trouble in practice maintaining a tight axis in the quad loop, but he added to his execution points by nailing it on Friday.
“I suppose everyone is surprised when they heard it’s the first time in the world, so of course it is good news,” the 21-year-old Hanyu said, adding, “I can perform the jump better. So I can’t really be purely happy.”
Hanyu suffered ligament damage in his left foot last season, which caused him to begin training for this season later than usual.
“This is the first time in my career I didn’t skate for a long time,” Hanyu said. “The time I spent rehabbing was the most difficult.”
In the women’s event, Rika Hongo was fourth with 60.33 points, followed by Mariko Kihara with 59.09. American Mirai Nagasu finished first with 73.40.  (The Yomiuri Shimbun)

Hanyu first to nail quadruple loop
Japan Times  Oct 1, 2016
MONTREAL – Yuzuru Hanyu became the first figure skater to succeed in a quadruple loop and topped the Autumn Classic International after the short program on Friday, scoring 88.30 points in his first outing of the season.
The 21-year-old, who has been working on harder elements, landed the jump to get off to a good start but under-rotated and failed to land his quad salchow-triple toeloop combination.
Hanyu smiled after being informed he was the first to nail the quad loop by an International Skating Union official but wasn’t satisfied with his modest score.
“I can execute the loop better and I’m just frustrated I couldn’t complete my program,” Hanyu said.  (Kyodo)


羽生、SP首位 フィギュアスケートのオータム・クラシック 30日
朝日  2016年10月2日05時00分
 カナダ・モントリオールで男女のショートプログラム(SP)があり、国際スケート連盟(ISU)公認の大会で史上初めて4回転ループを決めた男子の羽生結弦(ANA)が、その後の2連続ジャンプで転倒したものの、88・30点で首位発進した。
 女子は、昨季の世界選手権代表の本郷理華(邦和スポーツランド)が冒頭の連続ジャンプでミスし、60・33点で4位と出遅れた。木原万莉子(同大)は59・09点で5位スタート。
 ■史上初4回転ループ
 羽生は、誰よりも目立っていた。世界的な人気を誇り、今年急逝したロック歌手のプリンスを意識した白のパンツ姿。代表曲「レッツ・ゴー・クレージー」に乗り、冒頭で史上初の4回転ループを決めた。
 だが、演技後は淡々としていた。「もっと、きれいに跳べる」。出来栄え点(GOE=プラス3点からマイナス3点)は、0・8点の加点にとどまった。4回転ループは、1週間前のジュニアの国際大会で米国選手が手をつきながらも回っていた。「僕にとって世界初かどうかは、まったく関係ない。今朝まで、初じゃないと思っていた」と羽生は言う。
 今季初戦で大技を決めた喜びよりも勝っていたのは、悔しさだ。4回転ループの成功後は、4回転―3回転の2連続ジャンプで1本目が1回転になり、2本目で転倒。得点も、自身が昨季に出した世界最高から20点以上低かった。
 4月の世界選手権後、左足甲のけがの治療のため、1カ月半以上、氷に乗れなかった。調整が出遅れる中でも、常に完璧な演技を求める。それが、羽生らしさでもある。「もっと練習しなきゃなと思う」。連覇がかかる平昌(ピョンチャン)五輪のプレシーズン初戦で、誓った。  (前田大輔)

【佐野稔の舞評論】 「世界初」をやり遂げたことは収穫!平昌五輪へ幸先いいスタート
Sanspo  2016.10.2 05:00 
 フィギュアスケート・オータム・クラシック(9月30日=日本時間10月1日、カナダ・モントリオール)この日の羽生の一番の大仕事は、4回転ループを降りることだった。それを、いとも簡単にやり遂げた。何より「世界初」をやってのけたのは大きな収穫だ。今季の目標は3種類の4回転ジャンプを組み入れること。開幕まで1年半を切った2018年平昌五輪へ向けて、幸先いいスタートを切れた。
 連続ジャンプの4回転サルコーが1回転になったことや、本来の彼なら48~49点とれる演技構成点で45・35点にとどまったことなどが、点数が伸びない原因だった。しかし、こうした点はプログラムに慣れるにしたがって完成度も点数も上がる。ロック界のスーパースター、プリンスの曲を使った演技は、今後話題になっていくプログラムだと期待を抱いた。 (1976年インスブルック五輪代表、77年東京世界選手権銅メダリスト)

羽生 世界初4回転ループ決めた!今季初戦SP首位発進
Sponichi  2016年10月2日 05:30

今シーズン初戦を迎えた羽生結弦(ゆづる、21=ANA)が男子ショートプログラム(SP)で史上初の4回転ループを成功させた。4回転―3回転を予定していた連続ジャンプは失敗し、88・30点にとどまったが首位発進。2連覇を狙う18年平昌冬季五輪のプレシーズンをインパクトある内容でスタートさせた。
 五輪王者がまたフィギュア史に名を刻んだ。プレ五輪イヤー初戦の最初のジャンプ。両脚を180度に開くイーグルの助走から右足で高く踏み切って回った。右足で滑らかに着氷すると、会場から大歓声が上がった。シーズン開幕前から挑戦を公言してきた4回転ループの成功だ。これまでSP、フリーの各得点や合計得点で世界最高記録を打ち立ててきた男が、今度は世界初の快挙を成し遂げた。
 その後の連続ジャンプは失敗し、90点に届かない低調な点数に「悔しい。うれしい気持ちは出てこない」と厳しい表情を浮かべた。それでも、国際連盟の審判員から直接「史上初の偉業」の認定を告げられると、柔らかな笑みが広がった。
 SPで使用したのは今年4月に急死したプリンスの名曲「レッツ・ゴー・クレイジー」。奇抜なファッションでも人気を誇ったプリンスをほうふつさせる白を基調とした華麗な衣装を身に着け「衣装や曲が出す雰囲気を音をまといながら演技をしたい」と軽快に演じた。激しいギターの旋律に合わせた滑りで観客の視線をくぎ付けにする場面もあった。
 連続ジャンプは4回転サルコーが1回転となり、3回転トーループは転倒した。「丁寧にやろうとしたけど、踏み切る時に体勢が崩れた」。左足甲のじん帯損傷で氷上練習ができない時期もあり、不安要素を抱えながらのシーズン初戦だったが、課題を再確認することになった。
 フリーにも組み込む大技は「もっときれいに跳べる。自分が目指すのはGOE(出来栄え点)で(最高の)3がつくループ」とさらなる完成度アップを目指す。五輪2連覇を狙う男の向上心は尽きることはない。


羽生、世界初4回転ループ!
スポーツ報知  2016年10月2日6時0分
◆フィギュアスケート オータム・クラシック(30日、カナダ・モントリオール)
 ソチ五輪金メダルの羽生結弦(21)=ANA=が男子ショートプログラム(SP)で史上初の4回転ループを成功させ、88・30点で首位に立った。平昌五輪プレシーズンの今季初戦は、米人気ロック歌手プリンスの「レッツ・ゴー・クレイジー」をチョイスし新境地を開拓中。“世界新”を連発した昨季に続き、今シーズンも異次元を行く。
 羽生は両脚を180度に開くイーグルの助走から高く踏み切り、史上初めて4回転ループに成功した。「みなさんは驚くかと思うけど、僕にとっては関係ない。プログラムを完成しきれなかったことがただただ悔しい。もっと練習しなくちゃいけない」。これまでも練習やエキシビションで度々成功させてきた大技を、試合で初めて降りた。
 続く連続ジャンプでは4回転サルコーが1回転となり、3回転トウループは転倒。その悔しさがうれしさをかき消した。演技を終えると転んだ場所へ向かい氷の上で地団駄を踏むと、右手で氷をたたいた。それでも、国際連盟の審判員から直接「史上初の偉業」の認定を告げられると“ミスター世界初”に笑みが広がった。
 ソチ五輪SPで100点、昨年のNHK杯ではフリー200点、合計300点超えと史上初の快挙を連発してきた男の挑戦は止まらない。世界選手権後に左足甲のじん帯損傷で2か月間療養。氷上での練習を再開したのは6月。「滑れない時にすごくつまらなかった。本当に好きなんだなって、スケートが恋しくなった時期。(休養の)意味はあったと思う」
 SPの新プログラムは今年4月に急死したプリンスの名曲「レッツ・ゴー・クレイジー」。昨年のショパンの「バラード一番」は静かなバラード。全く対照的なロックの選曲で、演技の幅を広げている。プリンスが実際に着ていた服をイメージした白を基調とした華麗な衣装で演じた。
 激しいギターの旋律に合わせた滑りで観客の視線をくぎ付けにし「衣装や曲が出す雰囲気を、音をまといながら演技したい」と、完成度を高めることを誓った。1日のフリーにも組み込む大技は「自分が目指すのはGOE(出来栄え点)で(最高の)3がつくループ」と断言。さらなる高みを目指していく。

【岡崎真の目】羽生、3種類目の4回転体得でフリー構成に幅
Sponichi  2016年10月2日 09:20
試合で認定された選手はいたものの、初めて「成功」と言える4回転ループを決めた羽生は、また一つレベルを上げたと言っていい。やや詰まった感じもあったが、回転も着氷も問題なし。トーループ、サルコーに続く3種類目の4回転を手にしたことで、同一ジャンプの繰り返しに制限のあるルール上、フリーの構成に選択肢が広がった。
 基礎点で言えば3番目に低いループだが、試合で4回転を成功させた選手がいなかったことには理由がある。他のジャンプは踏み切り足と着氷の足が逆であったり、踏み切り足ではない足のトー(爪先)を突いたりする。つまり両脚を使うため、高さや飛距離を稼ぎやすい。しかしループは、左回転の羽生のケースで言えば右足で踏み切り右足で着氷する。左足はほぼ使えないため独特の難しさがあり、得手不得手がはっきりする。
 シーズン初戦の1発目で新兵器を完遂しただけでも十分だが、続く連続ジャンプの最初に体勢を崩しながら、2発目に3回転を回り切るあたりも、さすがのボディーコントロールだ。余裕が出てくれば、スピンのレベルの取りこぼしもなくなるだろう。完成度が高まるのを楽しみにしたい。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

羽生悔し…世界初4回転ループも連続ジャンプ失敗
日刊  2016年10月2日9時54分 紙面から
<フィギュアスケート:オータム・クラシック>◇第2日◇9月30日◇カナダ・モントリオール◇男子ショートプログラム(SP)
 羽生結弦(21=ANA)が、今季初戦のSPで4回転ループを決め、88・30点で首位発進した。同ジャンプの成功は国際スケート連盟(ISU)公認大会で初めて。左足甲治療のため滑れず安静状態だった4月に、宇野昌磨が史上初の4回転フリップに成功。焦りと悔しさを乗り越え、2連覇のかかる18年平昌(ピョンチャン)五輪へ新たな武器を手にした。
 4月の世界選手権以来、約半年ぶりの試合だった。息を吐き、手を合わせる羽生の表情から緊張が伝わってくる。流れだすのは今年急死したプリンスの名曲「レッツ・ゴー・クレイジー」。最初のジャンプ。キーボード音とプリンスの声に合わせ、両脚を180度開き「イーグル」の体勢に入った。そのまま高く踏み切り、着氷。不敵な笑みで、史上初となる4回転ループを成功させた。
 だが、その後に予定していた連続ジャンプを失敗し、大幅に減点された。滑り終えると失敗した場所をスケート靴でトントンとたたき、顔をしかめた。偉業達成にもかかわらず演技後も表情が浮かない。「世界初というのはみなさんが驚く、うれしいニュースになると思うが、僕にとっては全く関係ない。実感がない」。自己ベストから20点近く低い得点を「ただただ悔しい」とこぼし、完璧な演技を求め「まだ、もう1回できる」とSPのやり直しを希望するほどだった。
 半年前も激しい悔しさの中にいた。左足甲の靱帯(じんたい)損傷の状態が悪化し、世界選手権を最後に医者から2カ月の安静を言い渡された。練習拠点のカナダのトロントで、治療や食料の買い物以外は全く歩かない生活。1週間は我慢できたが、それを超えると筋肉の衰えを感じ、滑りたいと体がうずいた。宇野が世界初の4回転フリップを成功したのが、ちょうどその頃だった。「もちろん悔しかった。練習したかった」と振り返る。
 それでも必死にこらえた。「『安静期間』という囲いがあったからこそ、いい意味で力を蓄えられた」。6月に氷上での練習を再開すると、左足に負担が少ないこともあり、4回転ループを精力的に練習。蓄えた悔しさの分、集中し、成功度も高まっていった。
 この日の4回転ループの出来栄え点(GOE)は0・80点。「もっときれいに跳べる。自分が目指すのはGOE(最高の)3がつくループ」。続くフリーでより美しく決めると誓った。【高場泉穂】

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羽生大技 理想高く 今季初戦 SP首位発進
東京新聞  2016年10月2日 朝刊
 【モントリオール=共同】男子でソチ冬季五輪金メダルの羽生結弦(ANA)が9月30日にモントリオールで行われた国際大会、オータム・クラシックで今季初戦を迎え、ショートプログラム(SP)で史上初の4回転ループを成功させて88・30点で首位に立った。
 今季は2連覇を狙う2018年平昌五輪のプレシーズン。羽生は高難度のジャンプを組み込んだ構成に取り組んでおり、演技冒頭で大技を成功させて、幸先よいスタートを切った。だが、4回転-3回転を予定していた連続ジャンプは失敗。得点は世界歴代最高の自己ベストを20点以上下回り、伸び悩んだ。
 五輪王者のシーズン最初の演技で、観客の視線は序盤の大技に注がれた。羽生は両脚を180度に開くイーグルの助走から高く踏み切り、史上初めて4回転ループに成功した。その後の連続ジャンプは失敗し、90点に届かない低調な点数に「悔しい。うれしい気持ちは出てこない」と厳しい表情を浮かべた。それでも、国際連盟の審判員から直接「史上初の偉業」の認定を告げられると、柔らかな笑みが広がった。
 練習では好調だった連続ジャンプは「丁寧にやろうとしたけど、踏み切る時に体勢が崩れた」。4回転サルコーが1回転となり、3回転トーループは転倒。シーズン初戦の緊張感で課題を再確認することになった。
 ことし4月に急死したプリンスの名曲「レッツ・ゴー・クレイジー」を、白を基調とした華麗な衣装で演じた。激しいギターの旋律に合わせた滑りで観客の視線をくぎ付けにする場面もあり「衣装や曲が出す雰囲気を、音をまといながら演技をしたい」と、完成度を高めることを誓った。
 フリーにも組み込む大技は「自分が目指すのはGOE(出来栄え点)で(最高の)3がつくループ」と断言。さらなる高みを目指す新しいシーズンが始まった。 (共同)

羽生 今季初戦で世界がビックリ 史上初4回転ループ決めた
DailySports  2016.10.2
「フィギュアスケート・ジャパンオープン」(1日、さいたまスーパーアリーナ)
 今季初戦を迎えた14年ソチ五輪王者の羽生結弦(21)=ANA=が、男子ショートプログラム(SP)で国際スケート連盟(ISU)公認大会では史上初となる4回転ループを成功させ、88・30点で首位に立った。2連覇の懸かる18年平昌五輪のプレシーズンとなる今季は高難度の構成に挑戦。4回転-3回転の連続ジャンプは失敗したが、早速さらなる進化を見せつけた。女子SPは本郷理華(邦和スポーツランド)が60・33点で4位につけ、木原万莉子(同大)が59・09点で5位に続いた。
 “氷上のロックスター”に扮(ふん)し、プレ五輪シーズン初戦に臨んだ羽生。その第一歩は歴史的な大技で彩られた。両脚を180度に開くイーグルの助走から高く踏み切り、史上初めて4回転ループに成功。GOE(出来栄え点)でも+0・8点を上乗せするジャンプで、フィギュアスケート史に名前を刻んだ。
 今オフは昨季シーズン中に痛めていた左足甲じん帯の回復が遅れ、氷上練習ができない時期も長かったが、いきなり不安を一掃。ただ、快挙に満足しないのが羽生らしい。「緊張した。(4回転ループは)みなさんは驚くかと思うが、僕にとっては関係ない。プログラムを完成しきれなかったことが、ただただ悔しい」
 後半の連続ジャンプで失敗。演技後は失敗した場所に行き、地団駄(じだんだ)を踏むように悔しがった後、そっと氷をなでた。国際連盟審判員から直接「史上初の偉業」の認定を告げられた時こそ柔らかく笑ったが、終始厳しい表情で演技を振り返った。
 演技の面でも新境地に挑んだ。SPは今年4月に急死したプリンスの名曲「レッツ・ゴー・クレイジー」。かつてプリンスが実際に着ていたものをイメージした上下白色を基調にした華麗な衣装で舞った。うなりを上げるエレキギターと、中性的でパワフルなプリンスのボーカルに合わせた滑りで観客の視線をくぎ付けに。「衣装や曲が出す雰囲気を、音をまといながら演技をしたい」。求めるレベルは高いが、まずまずの感触をつかんだ。
 「もっと練習しなくちゃ」-。さらなる高みを目指す羽生の季節が始まった。