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2016-17赛季 新闻报导索引

16-17 赛季 news 索引 pic

Skate Canada Autumn Classic International
2016.09.03 - 初戦 ACI
2016.09.29 - ACI 首日练习 新闻报导 / 图集
2016.09.30 - ACI SP 新闻报导 / 图集
2016.10.01 - ACI FS 新闻报导 / 图集
2016.10.02 - 4Loop 认定
2016.10.02 - web sportiva - 羽生結弦が世界初の4回転ループを成功させても喜んでいないわけ(折山淑美)
2016.10.03 - web sportiva - 羽生結弦、不満が残った初戦に 「こういう状況は一番楽しいです」(折山淑美)
Bev Smith report on ACI

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2017.03.16 - P&G ジャパン 平昌2018冬季オリンピック応援キャンペーンに 男子フィギュアスケート・羽生結弦選手を起用!

CM 2018 奥运

P&Gは、ソチ2014冬季オリンピックに引き続き
平昌2018冬季オリンピック応援キャンペーンに男子フィギュアスケート・羽生結弦選手を起用!!
ソチ2014冬季オリンピック金メダルの感動を今度は平昌で!
大切な家族や友人と一緒に平昌で見よう!応援しよう!
平昌2018冬季オリンピック観戦チケットが当たるプレゼントキャンペーンを5/1から開始

http://i.imgur.com/oNemwOw.jpg
 国際オリンピック委員会(IOC)のワールドワイドスポンサー、P&Gグループのプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社(本社:神戸市)は、ソチ2014冬季オリンピック・男子フィギュアスケートの金メダリスト・羽生結弦選手を、ソチ2014冬季オリンピックに引き続き、平昌2018冬季オリンピック大会応援キャンペーン「ママの公式スポンサー」の日本代表アンバサダーに起用することを決定いたしました。また、日頃からP&G製品をご愛用いただいているお客様への感謝の気持ちを込めて、 “平昌2018冬季オリンピックチケット当たる!P&Gプレゼントキャンペーン”を2017年5月1日(月)から開始します。
 本キャンペーンはオリンピックというビッグイベントがもたらす感動を、大切なご家族・ご友人と一緒に分かち合っていただきたいという思いから、P&G製品をご愛用の皆さまを対象に実施します。キャンペーン期間は、2017年5月1日(月)~9月7日(木)(当日消印有効)で、ご応募いただいた方の中から抽選で、平昌2018冬季オリンピック・フィギュア男子観戦チケット(ペア50組100名様)をはじめ、2018年初夏開催予定の国内最高峰のアイスショーのチケット(ペア100組200名様)などが当たります。
 P&Gはロンドン2012オリンピック以降、オリンピック出場選手とそのご家族の強いつながりを感じることで、改めて自分の家族やお母さんの大切さに気付いてほしいという願いを込めて「ママの公式スポンサー」として、世界的にキャンペーンを展開しています。今回の羽生結弦選手の起用は、ご自身の日頃のご家族やお母様への思いがキャンペーンアンバサダーとしてふさわしく、また、前回大会での金メダル獲得に続いて平昌2018冬季オリンピックでも活躍が大いに期待されていることから決定しました。なお、ワールドワイドオリンピックパートナーである当社は、平昌2018冬季オリンピックに続き東京2020オリンピックにおいても大会支援を予定しております。

■羽生結弦選手のコメント
 ソチ2014冬季オリンピックに引き続き、日本中の頑張っているお母さんを応援する「ママの公式スポンサー」キャンペーンのアンバサダーに起用していただき、非常に光栄に思います。僕が今あるのは支えてくれている母をはじめとする家族のおかげです。初の男子フィギュア2連覇を目指して平昌2018冬季オリンピックで結果を残すことはもちろんですが、このキャンペーンを通じて、たくさんの人に家族のつながりの大切さ、感謝の気持ちに改めて気づいてもらえたらうれしいです。

■羽生結弦選手が広告に登場
 羽生結弦選手は、母と子の絆、家族の絆をテーマとして、今後予定されるP&G「ママの公式スポンサー」キャンペーンの広告などに出演します。また、P&Gジャパンの運営するライフスタイルウェブサイト“マイレピ”(http://www.myrepi.com/)内にある「YUZU DAYS」では、今まで語られなかった羽生結弦選手のプライベートでのエピソードやコメントなども紹介予定です。

■“平昌2018冬季オリンピックチケット当たる!P&Gプレゼントキャンペーン”概要
名称: “平昌2018冬季オリンピックチケット当たる!P&Gプレゼントキャンペーン”
日程:2017年5月1日(月)~9月7日(木)※当日消印有効 
※レシート有効期限8月31日(木)
※キャンペーン実施店舗によって日程およびレシート有効期限が上記より短くなる場合がございます。  
対象:P&G対象製品500円(税込み)~2,000円(税込み)以上ご購入のお客様
応募方法:専用応募はがき、郵便はがき、キャンペーンサイト内からダウンロード可能な応募用紙データに、①ご住所②お名前③電話番号④P&G対象製品お買い上げ合計金額(税込み)⑤ご希望コースと応募口数⑥お買い上げ店名をご記入のうえ、お買い上げレシートまたは納品書を添付し、郵送でご応募ください。
当選発表:厳正なる抽選の上、当選者様には賞品の発送をもって発表にかえさせていただきます。抽選は、キャンペーン終了後の9月末を予定しております。

■賞品
●プラチナコース 対象:P&G対象製品を2,000円(税込み)以上お買い上げの方
平昌2018冬季オリンピック・フィギュア男子観戦チケット(ペア50組100名様)
※平昌2018冬季オリンピックチケットの当選者様へのお渡し、または権利等の注意事項は、別途当選者様に正式にご案内させていただきます。
※ご当選の権利および入場証は、ご当選者様本人に限り有効であり、他人への譲渡・売買はできません。譲渡・売買等の行為が発覚した場合には、ご入場をお断りさせていただきますので予めご了承ください。

●ゴールドコース 対象:P&G対象製品を1,000円(税込み)以上お買い上げの方
2018年、国内最高峰のアイスショー(幕張)のチケット(ペア100組200名様)
※一部のキャンペーン実施店舗で当選数が異なる場合がございます。
※2018年初夏、幕張で開催予定のアイスショーの観覧チケットを予定しています。
※ご当選の権利および入場証は、ご当選者様本人に限り有効であり、他人への譲渡・売買はできません。譲渡・売買等の行為が発覚した場合には、ご入場をお断りさせていただきますので予めご了承ください。

●シルバーコース 対象:P&G対象製品を1,000円(税込み)以上お買い上げの方
商品券1万円分(500名様)

●ブロンズコース 対象:P&G対象製品を500円(税込み)以上お買い上げの方
P&G商品ギフトセット(2,000名様)
※一部のキャンペーン実施店舗で当選数が異なる場合がございます。

■応募に際してのご注意
※応募の際に必要な郵送料は応募者様負担とさせていただきます。
※キャンペーン期間中のレシートまたは納品書の合算で、何口でもご応募いただけます。
※オーラルB以外のブラウン製品、SK-II、イリューム は対象外です。
※P&G日本法人が取り扱っていないダウニーなどの並行輸入品は対象外です。

応募方法などの詳細に関しては、P&G ライフスタイルサイト「マイレピ」内特設ページにて、5月上旬に公開予定です。
マイレピ:https://www.myrepi.com/

■P&Gとオリンピックについて
 P&Gは、2010年7月、国際オリンピック委員会(IOC)と「TOP(The Olympic Partner)プログラム」の契約を締結しました。このパートナーシップは、スポーツを通じてよりよい世界を構築するというオリンピックの精神と、世界中の人々の暮らしをよりよくしていくというP&Gの企業理念が合致して実現したものです。
 2020年開催予定の東京2020オリンピックまでの10年間、オリンピックそのものへの支援に加えて、世界共通のテーマ「ママの公式スポンサー」のもと、オリンピック出場選手とそのお母さんを応援するキャンペーンを全世界で展開します。日本においても、同キャンペーンを通じ、日本中のお母さんと家族を応援するさまざまな活動を行っています。

■世界共通P&G「ママの公式スポンサー」キャンペーンとは?
 P&Gは、ロンドン2012オリンピックから「ママの公式スポンサー」をキャンペーンテーマとして定めています(海外では「Thank You, Mom」という名称で展開)。このテーマには、オリンピックは選手たちの活躍によって生まれる感動だけでなく、選手とそのご家族とのつながりを強く感じる機会でもあることから、その絆に触れることで、自分のお母さんや家族の大切さ、感謝の気持ちに改めて気付いてほしいという願いが込められています。ロンドン2012オリンピック、ソチ2014冬季オリンピック、リオデジャネイロ2016オリンピックでのキャンペーン展開では、日本のみならず世界中から多くの反響をいただきました。
 P&Gは、国際オリンピック委員会(IOC)のワールドワイドスポンサーとして、平昌2018冬季オリンピック、そして次の東京2020オリンピックにおいても、「ママの公式スポンサー」として世界中のオリンピック出場選手およびそのお母様を支援してまいります。 

■P&Gについて
 P&Gは、高い信頼と優れた品質の製品ブランドを通じて、世界中の人々の暮らしに触れ、よりよいものにしています。日本では、衣類用洗剤「アリエール」「ボールド」「さらさ」をはじめとして、エアケア製品「ファブリーズ」、柔軟剤「レノア」、台所用洗剤「ジョイ」、紙おむつ「パンパース」、生理用品「ウィスパー」、ヘアケアブランド「パンテーン」「h&s」「ヘアレシピ」、スキンケア製品「SK-II」、シェーバー「ジレット」「ブラウン」、電動歯ブラシ「ブラウン オーラルB」など、様々な製品を提供しています。(http://jp.pg.com/

【キャンペーンに関する一般の方のお問い合わせ先】
“平昌2018冬季オリンピック P&Gキャンペーン”事務局
電話:042-519-5861 受付時間:月曜日~金曜日 10:00~17:00
※土日祝日を除く受付時間

prw.kyodonews.jp

2017.03.04 - Number - 羽生結弦の“美”は国境を越えて――。四大陸選手権で目撃した国際交流。(松原孝臣)

16-17 赛季 2017 4CC Number web 松原孝臣 榎本麻美 中译

YUZURINK中译

http://i.imgur.com/rqxQWId.jpg
羽生は同大会2位に終わったものの、その演技は各国のファンの心を確実にとらえた。(Asami Enomoto 榎本麻美)
 先日、平昌五輪を1年後に控え、テスト大会を兼ねた四大陸選手権が当地の江陵アイスアリーナで行なわれた。
 試合そのものの模様はすでに多くのメディアで伝えられているが、三原舞依の演技、男子の屈指の好勝負とともに、大会で印象的だったのは、羽生結弦を巡る現地ファンの熱狂だった。
 それは、2月17日の男子ショートプログラムを前に、すでに始まっていた。
 13日、仁川国際空港に到着した際は、100人余りのファンが出迎えた。羽生がいざ会場入りすると、14日に行なわれた公式練習にも多くのファンが来場し、その姿を見守った。
 日本からも多数のファンが現地へ駆けつけていたが、それらの場にいたのは、日本のファンのみではなかった。中国からも多数のファンが訪れていたし、韓国のファンも大勢いた。
6分間練習、演技、キスアンドクライに注がれる視線。
 大会が始まると、その熱狂ぶりは加速していった。
 リンクに登場すれば、観客席にはたくさんの国旗をかたどったバナーと、羽生の名前や顔写真を取り込んだバナーが掲げられた。日本の大会ではあまり見かけない色合いやデザインも目についた。その雰囲気からして、おそらくは日本、中国、韓国以外の国から訪れている人もいるように見受けられた。そして羽生にまつわるグッズを手に、身につけていた。
 羽生がリンクサイドに姿を現し、6分間練習でのジャンプに成功すると歓声と拍手が起こる。そして名前がアナウンスされただけでも、歓声が上がる。演技のさなかも、ジャンプに、スピンに、ステップ、1つずつの動作に拍手が起きていた。
 そして演技後には、キスアンドクライに情熱のまなざしを注ぐ――。羽生の表情やしぐさのひとつひとつに喜び、何度も表情を緩める人たちを数多く見た。まるで、羽生の一挙手一投足のすべてを見つめ続けているかのような、驚くほどの熱狂ぶりだった。

ボランティア、記者も羽生の一挙手一投足に注目。
 フィーバーぶりは、場内にとどまらなかった。
 大会運営に携わる韓国のボランティアスタッフの中には日本語のできる人もいた。その人々から「羽生選手はどんな人なのですか」と熱心に尋ねられることも多かった。
 また記者会見が終わると、中国や韓国の記者陣が、スマートフォンを片手になんとか羽生の姿を写真に収めようと殺到。羽生が動けないほど、その周りをグルリと囲んでしまうような場面もあった。
 言うまでもなく羽生はソチ五輪と世界選手権の金メダリスト、グランプリファイナル史上初の4連覇達成者、そして史上初の300点超えを達成した選手である。知名度は当然高く、名実ともにトップスケーターである。あれだけ多くの人が集まり、羽生を観たいと思わせたのも、その実績があるからだろう。
 だが四大陸選手権で目撃したアジア各国での熱狂ぶりは、それだけではないような気がする。中国や韓国などアジア圏で羽生ファンが続々と増え、これだけの熱狂を生んだのは、単なる実績だけではないはずだ。
 その熱狂を生んだのは、羽生その人の、独特のたたずまいではないだろうか。

“きれい”“美しい”という感覚は国境を越える。
“きれい”“美しい”という感覚は国境を越える、普遍的なものということだ。
 むろん全世界の人たちの価値観が一致するというわけではないが、文化的な溝を越えて最も伝わりやすいのは、「美」の感覚ではないだろうか。
 会場では「ユジュ」という発音で羽生の名前を呼びながら、日本人ファンに話しかける韓国のファンが多くいた。中には、道に迷っていた日本人に対し、現地のファンが微笑みながら丁寧に道を教えようとする光景もあった。国籍が異なるファン同士が、揃って熱を込めて見つめる目線の先には、いつも羽生の演技があり、たたずまいがあった。
 フリーのあと、速やかに行なわれたエキシビジョンが終わると、フラワーガールを務めた韓国の若いスケーターたちがリンクに出てきた。
 彼女たちが次々に握手を求め、記念撮影でもいちばん近くに寄ろうとした選手もまた、羽生だった。

number.bunshun.jp




2017.02.28 - 東京西川 [西川ダウン] 春季活动

CM news

羽生結弦選手を起用!新生活に向けた“ 東京西川 [西川ダウン]キャンペーン ” を3月1日〜4月30日の期間で開催!
PR Times 2017年2月28日 13時00分
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000010201.html
東京西川(西川産業株式会社)では、羽生結弦選手を起用し、新生活に向けた『東京西川 [西川ダウン]キャンペーン』 を2017年3月1日(水)〜4月30日(日)の期間、百貨店、寝具専門店、家具店、量販店などで開催いたします。キャンペーンでは、東京西川の29,800円(税抜)以上の羽毛ふとんをお買い上げの方を対象に、羽生結弦選手オリジナルQUOカードをはじめ、グルメギフト、快眠家電、今治タオルなどを抽選で合計100名様にプレゼントいたします。

http://i.imgur.com/1qH7IkY.jpg
天然素材である水鳥の羽毛を使用した羽毛ふとん。保湿性や吸放湿性に優れ、軽くて扱いやすく、お手入れも簡単で長く愛用できるなど、掛けふとんに求められる条件を高いレベルで満たしています。特に春先からは薄手の「羽毛肌掛けふとん」がお勧めです。羽毛掛けふとんよりも重量が少なく暖かさには劣りますが、軽く、また羽毛の特質である吸放湿性に優れているため、汗をかきはじめるようになる季節でも快適です。秋冬は暖かく、春は爽やかに、長いシーズンでお使いいただけます。
新入学・入社、転居、異動など新しいスタートをきる春こそ、朝を新しく。長く愛用できる羽毛ふとんを揃えて新生活を始めましょう。

* 東京西川では、羽生選手のコンディショニングを眠りの面からサポートしています。*


【東京西川[西川ダウン]キャンペーン 開催概要】
軽くて、吸放湿性に優れた「羽毛肌掛けふとん」は、秋冬は暖かく、春は爽やかに、長いシーズンでお使いいただけます。新生活に向け、長く使用できる羽毛ふとんを揃えましょう。
■ 開 催 期 間: 2017年3月1日(水)〜4月30日(日)
■ 実 施 店 舗: 百貨店、寝具専門店、家具店、量販店など 約800店舗
■ 対 象 商 品: 東京西川の羽毛ふとん (29,800円(税抜) 以上)
■ キャンペーンサイト:http://nishikawadown.jp
■ キャンペーン内容:
東京西川の羽毛ふとん(29,800円(税抜) 以上)をお買い上げの方を対象に、専用応募はがきでご応募いただくと、抽選で合計100名様に下記の賞品をプレゼントします。
(*応募締切:2017年5月10日(水)当日消印有効)
http://i.imgur.com/rZFKPlA.jpg
[賞品]
○ 羽生結弦選手オリジナルQUOカード  30名様
○ こだわりグルメを厳選したグルメギフト  10名様
○ パナソニック ヘアードライヤー ナノケア    5名様
○ パナソニック 加湿空気清浄機    5名様
○ 今治タオル「mousse paff (ムースパフ)」ギフトセット  50名様

2017.02.20 - sportsnavi - 羽生結弦が醸し出していた高揚感 敗れてなお「スケートが楽しみに」(沢田聡子)

16-17 赛季 2017 4CC Sportsnavi 沢田聡子

4CC总结

ショート後、足が小刻みに震えていた

http://i.imgur.com/ytvRH3v.jpg
結果はチェンに及ばず2位。しかし、羽生にとってはレベルアップの手応えをつかむ試合となった【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
「順位が1位だったとしても3位だったとしても、僕には追うべきものがたくさんあって、『もっともっと自分はレベルアップできるんだ』とさらに感じられる試合だったと思います」
 1年後に迫った平昌五輪のプレ大会として行われたフィギュアスケートの四大陸選手権・男子シングルは、羽生結弦(ANA)が合計303.71点をマークしながら、17歳の新鋭ネイサン・チェン(米国)に敗れ2位に終わった。ただフリースケーティングの順位は、4回転4本の羽生が1位、4回転を5本跳んだチェンは2位。さらに、「今日のフリープログラムは、すごく挑戦的にやりました」と羽生は振り返っている。5本目の4回転が「視野には入った」という感覚を得ていたのだ。
 3位発進となったショートプログラム終了後、メディアの前に立った羽生の足は、小刻みに震えていた。最初に発した言葉は「いやあ、悔しいです」。いかにも羽生らしいコメントの後に続いたのは、FSに向けて既に前を向いていることを示す言葉だった。
「仕方ないですね。考えてもしょうがないので。(4回転)ループはきれいに決まったので、しっかり開き直って明後日に向けて調整しきれればと思います」
 2つ目のジャンプ、4回転サルコウが2回転になってしまったことが出遅れの原因だった。しかし、今季からプログラムに入れている冒頭の4回転ループは、加点が2.29つく上々の出来栄え。故障明けで少しスローなスタートとなった今季だったが、「しっかり練習したことを出せた」と語ったように、ソチ五輪金メダリストが技術面でなお進歩し続けていることを示す大きな成果だった。
 全米選手権で4種類の4回転を5本入れる驚異的なフリーを滑ったチェンは、この大会のショートでも4回転ルッツ+3回転トウループ、4回転フリップ、トリプルアクセルを成功させ、トップに立った。羽生は、一つ前のグループで滑ったチェンの得点を知らないまま自分の滑走順を迎えたという。
「ブライアン(・オーサーコーチ)が見せないようにしていたので、全然知らずに。6分間練習の前も(点数が)表示されなかったので、『ノーミスしてるんだろうなあ』って思って、やっていました」
 ただ記者会見の最後には、「この(3位という)順番は非常に得意な順番なので、しっかりと自信を持ってやりたい」と逆転への意欲もにじませた。

想像を絶する究極の挑戦

http://i.imgur.com/0RWzuAp.jpg
後半の4回転サルコウを失敗してしまった羽生は、その後のジャンプ構成を変更して、大技に挑んだ【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
 1日おいて迎えたフリー。冒頭の4回転ループを、2.14の加点が付く出来栄えで決め、続く4回転サルコウも成功させた羽生だが、後半に予定していた4回転サルコウが2回転になってしまう。後半3つ目のジャンプ、トリプルアクセル+3回転トウループの代わりに4回転サルコウを跳ぶ練習はしていたようだが、「まずはトリプルアクセル+3回転トウループをしっかりときれいに決めることが先決」と判断。加点が2.43も付く完璧な出来栄えで成功させた。その上で、練習でも試みていないことに挑む。
「その後に体力が少し余っていると思ったので、初めて(4回転)トウループをやってみたら、跳べました。シミュレーションはしていないので、コンビネーションの回数などを計算しながらやっていました」
 想像を絶するような究極の挑戦が、羽生には大きな喜びだったという。
「楽しかったです。なかなか、こうやってジャンプに集中する試合もないと思うんですよ。やはりネイサンの4回転の確率の高さ、怖さというものは、非常に感じながらフリーもショートもやりました。ただ、それが自分の限界を引き上げてくれることは間違いないですし、実際練習でもしたことがないようなことをやったので。さらに自分の中でレベルアップできたことを感じられるフリーだったなと思います」
「突き上げられる恐怖感で試合をやっているのではなく、ただひたすら自分の完成形を試合の場で出したいという気持ちが、今は強くあります」と言う羽生。「自分の持っているものを出せれば、勝てるという自信はあるか」と問われ、「あります」と即答した。この大会で、ショートで2本、フリーで5本の4回転を入れたチェンの総合得点は307.46点。それは330.43点という羽生が保持する世界最高得点のすごみをあらためて示すものでもあり、羽生は4回転の本数が急激に増えていく状況を自らの糧にし、さらに進化し続けている。

火をつけられた飽くなき向上心

http://i.imgur.com/LQpvkFH.jpg
今大会を制したチェン(右)。平昌五輪では羽生にとって好敵手となりそうだ【写真:Lee Jae-Won/アフロ】
「1年後のこの会場で、いくつの、そして何種類の4回転を跳ぶだろうと思いますか」という質問に、羽生は「五輪の時に自分が何本跳んでいるか、ちょっと想像がつかないです」と答えた。
「たぶん僕が(ジャンプのレベルを)押し上げたというよりも、みんなで切磋琢磨(せっさたくま)して押し上げてきたと自分の中では思っているので。その中でも常にトップを張りたいと、今でも思っています。今日演技してみて、実質トライした回数としては、クワド(4回転)5本にトリプルアクセル2本、ということなので、これからさらに練習して『もしかしたら5本の構成にもできるかな』という手応えはありました」
 チェンがうらやましく、また勝ちたかった、と率直に語った羽生だが、限界に挑む選手同士として最大限の敬意を示した。
「彼は5本のクワド、2本のトリプルアクセルをやって、転倒もなく、抜けもなくプログラムをやり切れたことは、非常に尊敬に値すると思いましたし、『おめでとう』という気持ちになりました。これからさらに彼もブラッシュアップしていくだろうし、僕自身もブラッシュアップしていかなければいけないなと思います」
 平昌へ向けて好敵手を得た羽生が醸し出していたものは、追われる恐怖とはかけ離れた高揚感だった。
「ソチ五輪の時もそうでしたけれども『まだまだ分かんないなあ』って。これから誰が4回転ルッツ、フリップを跳んでくるか分からないし、もしかしたら4回転アクセルを跳んでくるかもしれない。本当にこれからのスケートが楽しみで、練習がまた楽しみになりました」
 火をつけられた飽くなき向上心は、1年後同じ会場でどんな滑りに結びつくのか。楽しみなのは、羽生本人だけではない。

sports.yahoo.co.jp

2017.02.20 - web sportiva - 羽生結弦、チェンに惜敗も大きな収穫。 「4回転5本が視野に入った」

16-17 赛季 2017 4CC web sportiva 折山淑美 能登直

4CC FS
折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/othersports/figure/2017/02/20/post_5/
 フィギュアスケート四大陸選手権、最終日の男子フリーで初優勝を狙う羽生結弦が見せたのは、執念の演技だった。
 ショートプログラム(SP)3位の羽生と、SP1位のネイサン・チェン(アメリカ)の点差は6・08点。SP2位の宇野昌磨との差は3・24点。
 羽生のひとり前に滑った宇野は、公式練習でなかなか成功していなかった4回転ループをきれいに決め、続く4回転フリップとともにGOE(出来ばえ点)加点をもらう滑り出し。しかし、後半にミスが出てトリプルアクセルは2回とも転倒。後半の4回転トーループは2回とも着氷したものの、フリーは187・77点で合計は288・05点。ハイレベルの優勝争いから脱落する結果となった。

http://i.imgur.com/CH9YcPH.jpg
四大陸選手権で2位にとどまり初優勝を逃した羽生結弦 
  続いて登場した羽生は、気迫のこもった滑りでフリーの演技をスタートさせた。最初の4回転ループは6分間練習と同様にキッチリと決め、4回転サルコウも難なく降りると、ステップからは流れるような演技でフリップまでつなぐ完璧な滑り。
 だが、後半の4回転サルコウからの連続ジャンプは2回転になり、さらにその直後に1回転ループを入れてしまった。本人は「失敗したあとにハーフループを入れて4回転サルコウをやろうと思ったが、ちょっと非現実的だなというためらいが一瞬あったので戻してしまった」と説明する。ここで1回転ループを付けてしまったことで、3回しかできないコンビネーションジャンプをひとつやったことになってしまった。
 羽生が執念を見せたのはそこからだった。次の4回転トーループを決めると、トリプルアクセルに3回転トーループをつけ、さらにトリプルアクセルからの3連続ジャンプを4回転トーループ+2回転トーループに変更。そして、最後の3回転ルッツをトリプルアクセルにして見事なリカバリーを見せた。

 「4回転を4本入れるということと、トリプルアクセル2本は外せないという気持ちがあったので、コンビネーションの回数を含めていろいろ考えました。とにかく失敗のあとはコンビネーションの3回転トーループと4回転をもうひとつというのをすぐに考えました。ただ、最初のアクセルのところで4回転サルコウを入れようと思いましたけど、ちょっとスピードが足りなかったのでトリプルアクセル+3回転トーループにして、その後で(4回転)トーループを跳ぶことにしました。その直後にブライアン(・オーサーコーチ)の顔が見えましたけど、『お前、何やってんだ』と言いたげな表情でした」
 こう言って苦笑する羽生だが、練習でもこのようなリカバリーはやったことがないという。
「一度だけ練習で最初のループも後半のサルコウもトーループもパンクしたとき、『なんだ? この練習は!』と思って1回目のアクセルのところに4回転サルコウを入れて、次のアクセルを4回転トーループに変更するチャレンジをしたことがありました。でも、現実的にはやるべきことじゃないと思っていましたし、トーループもそんなに簡単に跳べないと思っていたので、今回はかなりとっさにやった感じです」
 羽生は、演技を終えた瞬間「やってしまった」というような厳しい表情をしていたが、予定通りの構成ではなかった演技に「収穫としてはいいものを感じている」とも言う。得点は、そのリカバリーが利いてフリーの自己サードベストの206・67点を獲得。合計を303・71点にして顔をほころばせた。しかし、サルコウが2回転になってしまったことで失った点は大きい――。試合後、羽生は「300点超えがうれしかっただけで、勝てたとは思っていなかった」と説明した。

 その考えのとおり、最終滑走のチェンは複数のジャンプで着氷を乱しながらも、後半に4回転サルコウを入れる構成に変更するなど、4種類(ルッツ、フリップ、トーループ、サルコウ)の4回転を5回降りきる演技で204・34点を獲得。合計を307・46点にして優勝を決めた。
 「フリーの得点が200点を超えて、トータルも300点を超えてうれしかったですが、結果として負けたので悔しいですね。それに4回転サルコウをショートと同じようにミスをしてしまったので、そこの練習を早くしたいというのが今の気持ちです。サルコウは『ショートでは跳べなかった』という感覚を少し持ってしまっていたので、結局それに捕らわれていたんだなというのが率直な感想です。練習ではコンスタントに4回転4本が決まるようになっていたので、それを試合で出せなかったという悔しい気持ちもありました」(羽生)
 この大会は「ジャンプに意識を集中させる大会だった」と羽生は言う。それほどチェンの4回転の確率の高さや、チェンがやや苦手にしていたトリプルアクセルを習得しつつあることに脅威を感じているのかもしれない。ただ同時に、羽生はチェンのような若手の存在が「自分の限界を引き上げてくれる大きな要因になっているのは間違いない」とも言う。
 今大会でハッキリしたことは、優勝を狙うにはSPをパーフェクトにこなすことが絶対条件ということだろう。練習では夏場からノーミスの演技を何度もしていながら、試合ではまだできていない。それを羽生は「試合での経験値の少なさが原因」という。
 今シーズンはケガの影響でアイスショーに出られず、初戦のオータムクラシックの前に、観客がいる会場でプログラムを滑る経験ができなかったという点もある。

「まだループに慣れていないとかサルコウに慣れていないという(自分への)言い訳が、自分の頭の中にチラついていて、それが本音。4回転サルコウと4回転ループくらいだったら絶対にノーミスでできます。実際、練習では毎回ノーミスをしているので、その自信を糧にして、今回の経験を世界選手権へ向けて生かしていけばいいかなと思います」
 また、この試合のもうひとつの収穫は、パンクしたサルコウを含めて「5本の4回転にトライできたこと」だという。
「トリプルアクセルを2本というのは絶対に(演技構成から)外したくないので、4回転を5本にするにはもう1種類の4回転を跳ばなければいけない。だから、その意味ではまだ現実的ではないなと思います」と言いながらも、「それ(4回転5本)が視野に入った感覚はある」とも言う。
「今は、年々技術的な難易度を上げていく過程で、まだ自分の演技を完成できていない。その意味では、若い選手に突き上げられる恐怖感と戦っているのではないですし、ここで1位になっても3位になっても追うべきものがたくさんあると思います。とにかく自分の完成形を試合で出したいという気持ちが強いです。その点では、自分はもっともっとレベルアップできるんだと感じられる試合でした」
 最後に、「自分が持っているものを出し切れば、勝てる自信はあるか?」という質問には、「はい、勝てると思います」と、はっきりと答えた。それが彼のプライドであり、ヘルシンキで開催される世界選手権へ向けての宣言でもある。

2017.02.19 - web sportiva - 若いふたりに先行された羽生結弦。攻める気持ちは「得意のパターン」

16-17 赛季 2017 4CC web sportiva 折山淑美 能登直 中译

4CC SP    ▶YUZURINK中译
折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/othersports/figure/2017/02/19/post_3/
 2月17日に行なわれたフィギュアスケート四大陸選手権の男子ショートプログラム(SP)は、12月のGPファイナルで表彰台に上がった3人、羽生結弦、ネイサン・チェン(アメリカ)、宇野昌磨の緊張感ある戦いとなった。

http://i.imgur.com/Tn6qcNV.jpg
2カ月ぶりの試合となる四大陸選手権で、SP3位発進の羽生結弦 
 先陣を切ったのは第4グループのネイサン・チェン。1月の全米選手権でSP、フリーともノーミスで318・47点を出して初優勝した好調さそのままに、今大会もノーミスの演技を披露。国際大会自己最高の103・12点を獲得した。
 最終第5グループ2番滑走の羽生は「たぶん、ブライアン(・オーサーコーチ)が(チェンの結果を)見せないようにしていたと思うので、(得点は)全然知りませんでした……。でも、『たぶんノーミスをしているんだろうな』と思っていました」という。
 羽生は6分間練習で4回転サルコウを単発で2回決めながらも、4回転ループは一度も決まらずに終わっていた。また、演技直前ではいつものようにトリプルアクセルを跳ぶことなく、3回転ループを一度跳ぶと、あとはループへの入りと4回転サルコウ+3回転トーループの入りを確認しただけ。そのまま静かな雰囲気で名前がコールされるのを待ち、演技が始まると落ち着いた滑りで最初の4回転ループはGOE(出来ばえ点)2・29点のきれいなジャンプを決めた。

 「直前にトリプルアクセルを入れなかったのは、それが今、(4回転)ループを安定するやり方という考えがあったのでそうしました。いろいろ練習をしてきたなかで考えたことですけど、ループをしっかり降りきれたので、それについてはよかったと思います」(羽生)
 だが、次の4回転サルコウ+3回転トーループは、昼の公式練習の曲かけで2回転+3回転になっていたように、ここでも2回転+3回転になってしまった。その後は、公式練習から見せていたクールさを前面に出す滑りでノーミスにまとめたが、フライングキャメルスピンとステップシークエンスはレベル3と判定されて、得点は97・04点にとどまった。
 次の宇野昌磨は「緊張することもなく、いつもの練習の『わりと体の動きがいい』というくらいで滑れて、ジャンプも今シーズン初めてまとめることができたので、すごくホッとした」と言うように、最初の4回転フリップの着氷が少し乱れただけの、ほぼノーミスの演技で100・28点を獲得。


 羽生は、若手ふたりに先行される3位発進になった。
 羽生が自分の持ち味でもあり武器でもあると話していた”荒々しさ”を抑え、冷静に”クールさ”を表現しようとしていたこの日のSP。それについて羽生はこう言う。
 「(4回転)サルコウが決まったらもっとノリノリでやったと思いますけど、ここの空気感として自分の中ではあの(演技の)ように感じていたので……。表現面では、今日は今日でよかったと思います。でも、ジャンプが決まらないと話にならないので、しっかり考えて修正点を見つけて、自信を持ってやれるようにしたいなと思います」
 それでも、4回転ループを試合で初めてクリーンに決めたことについては、「練習をしてきたからということにつきますね。6分間練習(のミス)を引きずったようなところはありましたが、しっかり練習してきたことを出せました」と納得の表情で話した。
 さらに、2回転になってしまった4回転サルコウについてはこう語る。
「ループを降りたあとは『とりあえず体は戻ってるな』という感覚があったので、すごく落ち着いてできました。サルコウに関しては少し考えすぎたかなというのはありましたけど、やろうとしたことはできています。そのやろうとしたことを、ちょっとずつアプローチを変えていけばいいと思っています。注意すべきことにちょっと固執し過ぎたかなという感じはありますけど、練習ではそこを意識してしっかり跳べています。今回は失敗しましたけど、実際には感覚のいい(ジャンプの)抜け方をしているので、あまり深く考えずに、自分の好きなように跳んでいければいいのかなと感じています」
 体が回復してからは練習時間も十分にあった。その中でいろいろなことを考えて試してきた。それをこの大会で成果として出してやろうという思いと、若手に追われる立場になっていることを実感することで、気持ちに若干のズレが出たのかもしれない。

 SPの結果、トップのチェンとは6・08点差、2位の宇野とは3・24点差。フリーではミスをしたものが脱落するという展開になるだろう。

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19日の男子フリーでの逆転を狙う羽生結弦 

 それは、羽生にとって攻める気持ちでフリーに臨めるということであり、集中力を高めてチャレンジする羽生にとっては得意のパターンでもある。まだ今季は一度もできていないフリーでの納得のいく演技。それを実現しようとする思いが、彼の心の中で大きく燃え上がってきているはずだ。

2017.02.16 - web sportiva - 羽生結弦、4回転を跳びまくる四大陸のライバルたちに「感謝している」

16-17 赛季 2017 4CC web sportiva 折山淑美 能登直 中译

Day 1 OP    ▶YUZURINK中译
折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/othersports/figure/2017/02/16/post_2/
 平昌五輪の会場・江陵アイスアリーナで開催されるフィギュアスケート四大陸選手権を前に、14日昼に最初の公式練習がメインリンクで行なわれ、羽生結弦は落ち着いた表情で動きをチェックした。
「ソチ五輪を彷彿させる青を基調にしたリンクで非常に滑りやすい気温でしたし、氷の状態もよかったです。何よりこの会場でいいコンディションで滑れることが幸せだなと感じていました」
 この日の練習は、宇野昌磨も含めて3名のみの滑走。羽生は会場のあらゆる方向に視線を向け、天井や光の様子、曲かけ練習での音を確認していた。曲かけではショートプログラム(SP)を選び、前半はジャンプを跳ばないでつなぎのみを意識する滑り。後半はトリプルアクセルからスピン、ステップまで続けると、少し間を置いてから最後のコンビネーションスピンで曲かけ練習を終えた。
 その後はトリプルアクセルからの連続ジャンプや4回転トーループ、4回転サルコウ+3回転トーループを確認するように跳ぶと、4回転ループに挑戦。最初は転倒したが、その後2回のパンクのあとにきれいに決め、続く2回も着氷を乱しながらも何とか降りた。そして、終盤にはフリーの3回転フリップから後半の連続ジャンプに移る流れを2度試して、この日の練習を終了した。
「年が明けてからの練習は順調で、何事もなくいい練習ができていました。トロントの練習でも、特別に何をするということもなかったです。もちろんその試合その試合で課題が見つかっているので、それを意識する練習方法に変える時もありますけど、自分の中で練習方法はだいぶ確立できているので、『ここを重視する』ということもなく、普通にやってきました」

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公式練習で順調な動きを見せた羽生結弦

 昨年12月末の全日本選手権欠場の悔しさを晴らすという意識は「あまり持っていない」という。羽生は「四大陸は四大陸。最終的にはこれが来年の平昌五輪へ向けての予行演習ということになるかもしれないですが、それを特別に意識することなく、今やるべきことは何なのかだけを考えて大会に臨みたい」と語った。
男子SPが行なわれるのは17日。その点では「まだきつめのトレーニングをしても大丈夫かな」と考え、体の感覚も確認しながらできたという。

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全日本を欠場したあと、2カ月ぶりの試合に臨む羽生結弦
 
 練習自体は全体的に軽めだったが、体の状態は悪くないようだ。4回転ループを含め、ジャンプをしっかり跳べた時の動きは、体に力が入っていない軽さとキレがあった。そんな順調さが、余裕を持った練習につながったのだろう。
 練習の最後で、今シーズンなかなかうまく決められていないフリー後半部分を念入りにチェックしていたことに関して、羽生はこう話す。
「これは、これまでの練習でもやってきたことです。年が明けてから、前半最後の3回転フリップから後半の4回転サルコウ+3回転トーループへ入るコースを少し変えたので、そういった部分の確認もあります。いつも通りの練習の感覚を重視してやっていました」

 2カ月ぶりの試合だが、「特に気負うこともなく臨めている」と言う羽生は、複数種類の4回転ジャンプを入れてくる若手の台頭についてこう話した。
「それは本当にありがたいですし、感謝の気持ちで一杯です。いろんな4回転をフリーで5本跳ぶ。そういう中で誰かが頭ひとつ抜け出しているというのではなく切磋琢磨している状況ですから、自分が跳べるジャンプをすべてプログラムに入れて、みんなが限界のプログラムに挑戦できている。彼らに対して尊敬の念を持っていますし感謝しています」
 羽生にこう言われた存在のひとりである宇野も、この日の公式練習では複数種類の4回転にチャレンジしていた。そして、今大会のフリーで「4回転ループを入れる」とも宣言した。
「今日の4回転で失敗が目立ったのはループだったと思いますけど、ループ自体は10回に1回成功すればいい方なので、失敗にも焦りはないし『1本跳べてよかった』という気持ちです。ダブルアクセル+4回転トーループも練習ではやるようにしていますけど、『あそこから跳べれば単発なら楽に跳べる』という自信がつくということに気づいたので、ウォーミングアップというか、気持ちを整えるひとつとしてやっています。だから4回転ループに関して、今回は、どこか痛いのでなければ、調子が悪くても入れていく予定です」(宇野)
 この試合に集中すると同時に、その先を見据えて大会に臨もうとしているのは、羽生も宇野も同じだろう。ネイサン・チェン(アメリカ)やパトリック・チャン(カナダ)も出場し、強敵ぞろいの今回の四大陸選手権。羽生の落ち着いた表情からは、この大会に懸ける強い思いを感じた。

2017.02 - 文藝春秋 - 羽生結弦の勝ち続けるメンタル (折山淑美)

文藝春秋 折山淑美 榎本麻美 16-17 赛季 中译

YUZURINK中译

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羽生結弦が頂点を極めても「ハングリー」でいられる理由
ベテランスポーツライターを驚かせた羽生結弦の言葉
折山淑美  2017/02/16 
source : 文藝春秋 2017年2月号
http://bunshun.jp/articles/-/1394

羽生結弦の注目の復帰戦、「四大陸フィギュアスケート選手権2017」が2月16日~19日に開催される。来年の平昌オリンピックと同じ会場で開催されることから、五輪前哨戦と位置づけられる今大会。昨年、体調不良で全日本選手権を欠場した日本の絶対的エース、羽生結弦はどのような演技を見せるのか。五輪後も勝ち続ける「秘訣」とは。スポーツライターの折山淑美氏が、頂点に立つ22歳の軌跡を追った。(出典:文藝春秋2017年2月号・全2回)

 昨年12月にフランス・マルセイユで行われたフィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルで、羽生結弦(22)が前人未到の大会4連覇を果たした。
 初日のショートプログラム(SP)でほぼ完璧な演技を見せて首位に立つと、2日後のフリースケーティング(フリー)ではミスが相次いだものの、ネーサン・チェン(アメリカ)、宇野昌磨(中京大)ら勢いのある若手の追い上げから辛くも逃げ切った。
 ソチ五輪金メダリストでもあり、その後、何度も世界最高得点を更新する22歳は、冷静に大会を振り返った。
「目標にしていた4連覇を達成できたわけですし、結果に関してはすごく誇りを持てます。でも、演技自体には満足していません。やっぱりフリーの点数が3位というのは非常に悔しい……。SPでいい演技ができ、それなりの演技をすれば世界最高得点を狙えると思っていたので、自分の中は反省点だらけです」
 世界各地で開催され、合計6戦で争われるGPシリーズ。その成績上位6名のみが出場するGPファイナルは、シーズン前半の最大の山場。シーズン終盤の世界選手権と並び、世界一決定戦と言っていいだろう。日本勢では浅田真央、髙橋大輔らが過去に優勝をしているが、4連覇は史上初の快挙であり、羽生は通算優勝回数でもかつての“皇帝”エフゲニー・プルシェンコ(ロシア)に並んだことになる。
 だが羽生にとっては、このGPファイナルは、勝利の喜びよりも「納得いく演技が出来なかった」という悔しさを募らせる大会と位置づけられたようだ。そして、勝利の直後でも向上心とハングリーさを持ち続けられる強靱なメンタルこそ、羽生結弦の強さの源泉なのだ。

絶対王者の存在
 2010年の世界ジュニア選手権を制覇した羽生は、翌シーズンから戦いの場をシニアへ移した。その当時から、しなやかで繊細な演技が魅力であり、ジャンプの美しさには定評があった。そして2011年には故郷・仙台で東日本大震災に被災し、「もうスケートはできないかと思った」と振り返るほどの辛い経験をしたことで、人間としても成長したのも間違いない。
 だが、羽生が五輪で頂点に立った後も勝ち続けられるような、独特のメンタルの強さを手に入れるまでには、他に3つのターニング・ポイントがあったと筆者は考えている。
 絶対王者と言われたパトリック・チャン(カナダ)の存在、ソチ五輪での“悔しい”金メダル獲得、そして2014年中国杯での流血事故だ。
 デビュー当時から垣間見えていたメンタル面の強さに、「冷静さ」と「研究心」が付け加わったのが、ソチ五輪のあった2013-14シーズンだったといえる。
 前年からカナダの名門クリケット・クラブに拠点を移していた羽生は、バンクーバー五輪でキム・ヨナ(韓国)に金メダルをもたらしたブライアン・オーサーに師事し、その潜在能力を開花させつつあった。
 そしてあるライバル選手の存在が、大きな刺激を与えることになる。世界選手権3連覇中だったパトリック・チャンだ。GPファイナルでも2度優勝をしていたチャンは、スケーティング技術で世界一という評価を得ており、当時、大舞台で圧倒的な勝負強さを誇っていた。
 羽生はそのチャンと2013年のGPシリーズにおいて2戦連続で対戦。そして初戦のスケートカナダでは約27点、次のエリック・ボンパール杯では約32点という大差をつけられて、2戦連続2位に終わった。惨敗と言ってもいいだろう。
 だが、この連敗が羽生を変化させていく。特にチャンがエリック・ボンパール杯で見せた、SP、フリーともに当時の世界歴代最高得点を叩き出したミスのない演技は、「自分の実力を客観視するキッカケにもなった」という。
 「パトリック選手のパーフェクトな演技には脱帽するしかありませんでした。でも、あの大会で自分とパトリック選手がともにパーフェクトな演技をしたときに、どのくらいの差があるかをハッキリとわかったことがとても大きかったです。あの時点では僕が約5点負けていました」
 自分がいくら完璧に滑ったとしても、ジャンプの難度や演技構成のレベルに差があり、相手がミスをしなければ負けてしまうという現実。それを結果という形で、まざまざと突きつけられたのだ。
 「パトリック選手との差を埋めるためには、演技構成点を上げる必要がありました。そのために基礎となるスケーティングを見直したり、体力的にキツいプログラムを通した練習の中でも表現力を維持することを意識するようになった。さらにスピンやステップでも点数を取りつつ、ジャンプでもGOE(出来栄え)加点も伸ばそうと考えていました」
 具体的な点数を意識し、プログラムに戦略を持たせたことで、コーチのオーサーが課す高得点を取るための練習の意味も、より深く理解できるようになったという。
 また、試合でチャンの技術の高さを肌で感じるだけではなく、チャンが発する言葉からも自らの成長のヒントを得ていた。
 試合後の記者会見で、隣に座るチャンが記者に曲を表現するために心がけている体の使い方などを詳しく説明しているのを聞き、「自分の演技の参考になった」という。カナダに拠点を移して英語も学び始めていたことで、チャンと記者のやりとりも理解できたのだろう。
 当時羽生は19歳。筆者はフィギュアスケーターだけではなく、多くのアスリートを取材してきたが、外国人記者も押し寄せる国際大会の会見は緊張を強いられる。それを「学びの場」に変えてしまう貪欲な精神は特筆すべきものだ。
 チャンから刺激を受けていたのと同じ時期、羽生の探究心の強さをさらに感じた言葉がある。「記者の囲み取材が役に立つ」というのだ。
 「メディアの方々に試合後に囲まれるようになってからは、記者さんとのやりとりの中で、滑り終わった直後に自分の演技を振り返って言葉にすることができます。僕自身、自分の演技を分析することが好きなので、様々な視点からの質問が飛んでくるのが刺激的ですし、それまでとは違った考え方もできる。取材も勉強の場になっています」
 これはベテランのアスリートでもなかなか口にはしない言葉だ。彼の若さゆえの素直さと探究心の大きさとが、よくあらわれている。
 チャンから得た刺激と学びの成果は、惨敗のエリック・ボンパール杯からわずか3週間後のGPファイナルですぐに表れる。羽生はSPでチャンの持つ世界最高得点を塗り替えると、その勢いでフリーでもトップの点数を記録。トータルでチャンに13点強の差をつけて初制覇し、シニアでは初となる世界タイトルを手にしたのだ。

金メダルを利用する
 ライバルを研究することで手にしたGPファイナルのタイトル。その勢いを、2カ月後に開催されたソチ五輪の舞台でも維持していけるかがカギだった。
 SPでは史上初の100点台となる101.45点を獲得する圧巻の演技で首位に立ったものの、フリーでは冒頭の4回転サルコウと3回転フリップで相次ぎ転倒。点数は伸び悩み、羽生自身もSPで2位に付けたチャンに逆転されることを覚悟していた。
 だが、優勝を意識してプレッシャーがかかったチャンはミスを繰り返し、結果的に羽生の金メダル獲得が決まったのだ。
 「自分の演技が終わった後は、金メダルはダメだなと思っていました。失敗したフリーでは五輪の怖さを思い知らされ、五輪の重みも感じた。なぜかわからないけれど、とにかく体が全然動かなかったんです」
 4年に一度の五輪の舞台。初出場でいきなり頂点に立ち、日本男子フィギュア初の金メダルを獲得した羽生は、その直後からさらなる進化を決意していた。
 「これからの4年間はプレッシャーやメディアの注目など、これまで以上に“余分なこと”がつきまとってくると思います。そして五輪チャンピオンだからといって、試合で審査員の評価が高くなるわけではありません。周囲の見方に関係なく、自分自身がチャンピオンらしい演技をして、初めて本当に金メダルが評価されるのだと思います。その意味では“五輪チャンピオン”という立場を利用しなければいけない。だって、自分で自分にプレッシャーをかけ続けられるチャンスですから。『おい、五輪チャンピオンらしい演技をしてみろよ。羽生結弦、成長してみろよ』って(笑)」

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前人未到の大会四連覇を果たしたグランプリファイナルにて


 そして五輪の大舞台で悔いが残る演技をしたことも、次のステップへと進む意欲になったと振り返る。
「もしソチのフリーで4回転サルコウも決めてノーミスの演技をしていたら、おそらく僕は五輪チャンピオンという実績に引っ張られ続けてしまったと思います。ソチの金メダルは、悔しい思いもしつつの金メダルだからこそ、今の僕がある。こんな若いときに五輪のタイトルを獲ることができ、さらにその場で課題までもらえた。これはアスリートとして本当に贅沢な状況なんですよ」

写真=榎本麻美/文藝春秋

★★★

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羽生結弦は、なぜアクシデントを乗り越えられるのか
どんなマイナス要素もプラスにする羽生の強さとは
折山淑美  2017/02/17
source : 文藝春秋 2017年2月号
http://bunshun.jp/articles/-/1395

五輪王者の羽生結弦の復帰戦となる、「四大陸フィギュアスケート選手権」が始まった。羽生がどのような演技を見せるかに注目が集まる。
 スポーツライターの折山淑美氏は、羽生の強さを「強靭なメンタル」にあると指摘する(第1回参照)。その「強さ」を得るまでの道のりは、決して平坦なものではなかった。羽生はどのように数々のアクシデントを乗り越えてきたのか。(出典:文藝春秋2017年2月号・全2回)

衝撃の流血事故
 ソチ五輪の翌シーズン、羽生は言葉通りに成長し、未知の領域へ足を踏み入れようとしていた。
 羽生は来たるべき4回転時代に備えるために、フリーでは4回転サルコウに加えて4回転トーループ2本をプログラムに組み込み、トーループのうち1本を得点が高くなる後半に入れることを決めた。そしてそれに慣れるためにと、SPでも4回転トーループを後半に入れることにしたのだ。羽生はその狙いをこう語っていた。
「将来、他の4回転ジャンプを組み込めるようになった時への布石でもあります」
 だがその試みは、シーズン初戦の中国杯で不意に頓挫してしまう。
 フリー演技前の6分間練習で中国のハン・ヤンと激突するというアクシデントに見舞われたのだ。
 羽生の頭から血が流れているのが見えると会場は悲鳴に包まれ、コーチのオーサーが慌てて医師を呼んだ。医師の診断では幸い脳震盪は起こしていないと判断されたが、周囲は演技をすることを止めた。
 しかし、羽生は頑なだった。
「僕は滑ります」
 オーサーは渋々リンクに送りだしたが、もちろん演技にはならなかった。全身を強打しているため体に力が入らず、合計5度も転倒。羽生を突き動かしていたのは、もはや精神力でしかなかったのだろう。
 その後、GPファイナルまでは試合に出場し続けたが、演技の質をワンランクあげようとする試みは棚上げされたままになってしまう。
 年末には、断続的に続いていた腹痛のために検査入院。尿膜管遺残症と診断されて手術を受け、1カ月間の安静療養が必要となった。そして練習を再開した途端に右足首を捻挫。その影響もあり、連覇を狙った世界選手権は2位に終わった。GPファイナル2連覇は果たしたものの、羽生にとっては停滞と言ってもいい1年となってしまった。

どんな経験もプラスに
 世界選手権終了後、羽生は多くのアクシデントに悩まされたシーズンを振り返った。
「怪我や病気は肉体だけでなく、精神面でもきつかったです。でも、そんな状況下でも最低限の結果を残すことができたし、僕にとってはこの経験がすべてがマイナスではなかったと思っています。
 中国杯の衝突は自分の注意不足が原因であり、体調管理を含めた試合の入り方を見直すきっかけになりました。リハビリをしながらも、試合に向けて自分のコンディションをどう整えていけばいいのかも理解できた。そして何より、アクシデントの中でコーチなど周りの方に自分が支えられていることを五輪以上に感じたシーズンでした。これらの経験は、今後の競技人生、そして引退後のセカンドキャリアにおいてもプラスになるはずです」
 さらに羽生はフィギュアスケートという競技の発展についても考えるようになっていた。自らの事故によって、「フィギュアが命に関わる危険性も持つスポーツだということを、多くの人に知ってもらえたのは競技発展のためにプラス」と話し、脳震盪など命にかかわる事故を防止するために何が必要かを考える風潮が生まれたことも嬉しいという。
 どんなマイナス要素でも、プラスに転化して捉えようとする前向きな姿勢には、ときに取材者として驚くことがある。
 頭からの流血という状況においても、戦いを止めてはいけないという決意は、五輪王者というタイトルを獲ったからこそ身につけたプライドだともいえる。それを羽生はさも当然のように纏っているのだ。

「大きな進化を求めるのが自分らしさ」
 翌2015-16シーズン、羽生は後半に4回転を入れるプログラムに再挑戦する。
 初戦のスケートカナダでは「後半の4回転」を過剰に意識してしまい、考えられないミスを連発。1年間の休養から復帰していたチャンに敗れてしまう。
 だが以前とは逆で、自分より難度の低いプログラム構成で安全運転の演技をしたチャンに負けたことで、自分の歩もうとする方向性の正しさを確認することになる。
「もっと大きな進化を求めるのが自分らしさのはずだ」
 SPの構成では後半のジャンプを止めるかわりに、サルコウとトーループという2本の4回転ジャンプを前半に入れて、難度を上げた。
 どこまでも挑戦を続けるという意識が集中力を高めることにつながり、次戦のNHK杯ではトータルで史上初の300点超えとなる322.40点をたたき出す。そしてGPファイナルではそれをさらに更新する330.43点を記録。難度の高いプログラムに挑戦しつつもノーミスの演技を連発し、ライバルのチャンや世界選手権で敗れたハビエル・フェルナンデス(スペイン)らを圧倒したのだ。
 前人未到の300点台に突入した羽生は、メンタル面においても常人では理解できない高みに達しようとしていた。
「ソチ五輪ではフリーの演技が失敗に終わって『金メダルが無くなったな』と思った瞬間に、『自分は金メダルを意識して緊張してたんだな』ということに気がつきました。今回はそのソチでの経験が生きた。会場へ入る前に『アッ、自分は今回300点超えを達成したいんだな』と気がついたので、まずは自分自身にプレッシャーが降りかかることを考えていると認め、その上で『それならこうしなければ』と精神状態をうまくコントロールできたと思います」
 追い詰められた場面で冷静に自分を見つめられる力が、快挙を生み出していた。
 そんな中で羽生は今季2016-17シーズンへ向け、自分にとって新たな挑戦である4回転ループを、SP、フリーの両方に入れ、より難度の高い技術構成にすることを決めた。2016年の年明けに痛めていた左足甲が悪化し、世界選手権後は歩くことも制限される期間が1カ月半も続いたにもかかわらず、さらなる進化を目指したのだ。

「観客とのコネクト」を意識
 しかし、それは必然の決断でもあった。前シーズンにはボーヤン・ジン(中国)が最高難度のルッツを含む3種類の4回転ジャンプを、SPとフリーで計6回入れて世界選手権で3位になっていた。さらに宇野も4月のチームチャレンジカップで世界初となる4回転フリップをSPとフリーで成功させていたのだ。
 羽生自らが切り拓いてきた300点台というフロンティア。台頭する若手は4回転ジャンプを武器に羽生に挑もうとしていた。4回転を入れるだけでなく、その数や完成度を競い合う時代に置いていかれるわけにはいかなかった。
 そして真骨頂と言えるのは、今季の羽生がジャンプを含む技術構成以上に、表現の幅を広げることを意識していることだろう。
 SPで選んだ曲は、自分の感情を畳み込むように表現できるプリンスの『レッツ・ゴー・クレイジー』。ソチ五輪のSP『パリの散歩道』を想起させるロックミュージックだ。そしてフリーには彼が大好きだという久石譲のピアノ曲を組み合わせた『ホープ&レガシー』という対照的な曲を持ってきた。SPが羽生にとって得意なアップテンポの曲であるのに対し、フリーはリズムや音の強弱でジャンプのタイミングを取りにくいピアノ曲だ。
 そんなまったくタイプの違う曲調を並行して演じることで、さらに自分の表現力を高めようとしているのだ。羽生は4連覇を達成したGPファイナルの場で、「観客とのコネクト」を意識したと語っている。
「今季のSPはライブをするロックスターの気分で演じているので、観客無しでは成立しないプログラム。フランスではお客さんも盛り上がってくれ、楽しかったです。そしてフリーでも曲を全身に感じながら演技が出来たと思います。SPとは違い、観客がドンドン乗っていき、拍手がワーッと起きるようなプログラムではありません。でも演技中に観客の視線を感じ、自分がジャンプを跳ぶときに祈ってくれる人がいたのも見えた。観客とコネクトする、つまり気持ちを一つにできているという幸せを感じましたね」
 プリンスのビートや歌詞の意味の奥にあるもの、そして久石譲のピアノ曲に身を委ねることで感じる風や木々、空気などの自然。自分がフィギュアスケートを通して表現しようとしている世界を観客と共有し、観客と対話するようにプログラムとして作り上げていきたい――それがスポーツであり、芸術でもあるフィギュアスケートの、ひとつの完成形でもあると考えているからだ。

誰からも追随されない存在に
 羽生はテレビや本などで他の競技の選手の思考法などを勉強し、それをスケートに反映させていけるのが自分の武器だとも常々発言している。最近ではリオ五輪で連覇を果たした体操の内村航平が発した「優勝しなければ良かった」という頂点に立つ者の重圧を感じる言葉が、とても印象に残ったという。既存の枠にとらわれることなく、フィギュアスケートをさらに追求したいと考えているのだ。

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昨年のグランプリファイナルで

「振付師にもらったプログラムにジャンプを組み込んで“演技”にするのが自分の仕事です。すべてのジャンプがきれいに決まってこそ本当に演技だと言える。だからこそ、新しい4回転ジャンプを入れ、昨シーズンより難度を上げた構成にしながらも、今季まだ自己最高得点を更新できていないのが本当に悔しい。本心をいえば、もっと点数を上げていき、誰からも追随されないような羽生結弦になりたいと思っていますから」
 自分の成長に対して、そしてフィギュアスケートという競技に対して、どこまでも貪欲であり続けられることこそが、羽生結弦というスケーターの本当の強さであり、いまなお無限の可能性を感じさせる所以だといってもいいだろう。

写真=榎本麻美/文藝春秋